みなさま
年が明けても更新をサボっておりますリトルです(すみません)。 突然ですが、ブログを引越しすることにいたしました。 いろいろと検討した結果なのですが、 このたびメールなども含め、全面的にGoogleを活用していくことに決め、 ブログもグーグルで開設しよう、となったしだいです。 ついでにタイトルもちょっと変えました。 リトルは卒業することにして 自分のあだ名である「ペジ」で行くことにしました。 といってもそれ以外は同じなので、 まあ、「赤坂日記」であることには変わりは無いのですが(笑)。 というわけで、 引越ししたからといって、急に書き込みが増えるわけでもないのですが これからもいままでどおりによろしくお願いいたします。 "the Akasakan diary" ~ペジ君の赤坂日記 # by redhills | 2008-02-09 19:33
みなさま
新年明けましておめでとうございます 旧年は大変にお世話になりました 本年も宜しくお願い申しあげます 更新をごぶさたしております。 リトルです。 平成になってもう20年目です。早いですね。 今年は平成元年生まれの子供たちが二十歳になるというわけですね。 う~ん、年を取るわけです。 昨年末、年の瀬もいよいよ押し迫った週末に友人の家に招かれてカニをごちそうになっていたとき、今年は41歳の春なんだなあ、という話になったんです。 「あ、じゃあ俺たち(彼は高校の同級生です)、バカボンのパパと一緒だ」 「そうだよ、41歳の春だよ」 アニメ『元祖天才バカボン』の終わりの歌に ♪ 41歳の春だから~ 元祖天才バカボンの パ~パ~だ~か~ら~ 冷たい目で見な~い~で~ という歌詞があります。 バカボンのパパは何歳であろうとたぶんバカボンのパパなのだろうと思うのですが 自分があのバカボンのパパと同じ年だとは、やはりどうしても思えないのです。 そんな、41歳の早春であります。 ………………………………………………………………………………… さて振り返りますと、昨年は私的には大きな変化のない1年でした。 イベントとしては、4月に1週間、上海に行ったことがあげられます。 以前から取り組んでいる映画のシナリオ作りのための取材ということで 20年前の上海の名残を探しに行きました。 さすがに超高層ビルが林立するなど光景は一変してはいましたが マロニエの並木や遊園地、そして当時の寮がそのまま残っていることがわかるなど 貴重な成果もありました。 書くと言ってちっとも書き上がらず『書く書く詐欺』と言われているシナリオですが 絶対に形にしたいと思うところです。 ………………………………………………………………………………… 一方、公的には大激動の年だったといえるでしょう。 永田町関連では、7月の参院選での与党の歴史的惨敗と安倍総理の突然の辞任、福田政権の誕生と衆参ねじれ国会の停滞、そして大連立構想とその破綻とそれに続く小沢代表の辞意表明と撤回…。いやはや、目の回るような1年でした。 参院選の分析は例によって、「政権交代のサイン」「二大政党制への一歩」などといったものが目立ちましたが、自分としてはそれにどうしても納得がいきませんでした。 自分の参院選の見立ては8月1日の「雷鳴(続)・敗因」にあげましたが、多くの識者の言説の中で唯一、ジェラルド・カーティス氏が「今回の選挙結果は民主党の勝利を意味しない」と述べておられた以外、自分の考えに近いものはありませんでした。 いずれにせよ、今年は解散総選挙が予想されます。ここで民主党が過半数を取ったら政権交代です。 薬害肝炎訴訟での原告への冷たい対応や、来年度予算でのばらまきぶりなど、福田政権の底の浅さは露呈しつつあり、民主党にとっては千載一遇のチャンスが到来していると思われるのですが、果たしてどうなるでしょう。 解散総選挙の結果どちらも単独過半数が取れずに政界大変動が起こるという予想もありますが(その可能性は決して低くはないと思われます)、今年中にその答えは出ることでしょう。 ………………………………………………………………………………… 世界に目を向けると、アメリカの不動産バブルの終焉に端を発したサブプライム問題が炸裂、世界中の金融機関が膨大な含み損を計上し、急激な信用収縮によって世界経済は機能不全に陥りかけました。 「証券化」という魔術によって消されたはずの魔物がある日突然世界中で目を覚まし、誰がババを引いたのか、世界中の銀行を疑心暗鬼の暗闇の中に突き落としてしまいました。 リスクを分散してヘッジしたはずが、それによって予想もしない新たなリスクを生み出してしまったという、笑えない冗談のような大事件でした。 そして環境問題での世界の利害対立が露わになり、テロで元首相が暗殺されるというニュースで終わるという1年でした。 昨年の選挙結果がもたらした衆参のねじれの結末がわかるであろう日本の政治も、また、終わっていないサブプライムの影響と世界経済の行く末がアメリカ大統領選挙を左右するかも知れない世界の政治情勢も、ともに昨年急激に増大した不安定な状態が引き継がれ、その決着がつくのが今年のような気がします。 いま日本も世界も、大きな分水嶺に立っているのかも知れません。 ………………………………………………………………………………… とはいうものの、幸か不幸か自分はそれをどうすることができる立場にはありませんので、今年1年、日々明るく、元気に、感謝の気持ちを持って、誠実に生きていこう、そんな気持ちでいます。 長文、最後までお読みいただきありがとうございました。 またお会いできることを楽しみにしております。 最後に。 本年がみなさまにとりまして良い1年でありますことを お祈りいたしております。 平成20年 元旦 これだけは覚えておくべきである。人生というものは一連の目覚ましい行動や優雅な楽しみでできているものではなく、私たちの大部分の時間は、必要に応じて、日々の勤めの遂行、小さな不便の除去、ささやかな楽しみの確保の中に過ぎていくものであるということ。あらゆる国民の真の状態とは日常生活の状態にほかならないのだ。大衆の幸福は華やかな人々の集まりや金持ちの宴によって判断されるべきものでもない。国民の一人一人は、通り、町村、商店、農場に見出される。一般的な繁栄の尺度は、そういう人々を総体的に考えることに求めなければならない。
サミュエル・ジョンソン 今日の記事は
・医療費微増、32兆4000億円~診療報酬大幅下げでも (5面) ・仏、自己負担上げ~公的医療保険~かかりつけ医受診促進も (9面) ・ファンド旋風、広がる波紋~増す存在感、功罪で論議 (6面) の3本です。 06年度の医療費は0.1%増の32兆4000億円でした。4月の診療報酬改定で過去最大の3.16%の引き下げを行ったにもかかわらず、高齢者の増加などで微増という結果は、今秋以降の税制改革論議や次期診療報酬改定作業に影響を与えることは必至です。 新自由主義者サルコジ大統領の登場により、フランスの社会保障制度も大きな変革が起きています。 我が国同様、フランスも社会保障関連費の巨額の赤字に悩まされています。今年度は、公務員を除く民間サラリーマン向けの「一般制度」だけで120億ユーロ(約2兆円)という、過去最大の赤字になる見通しです。これは当初見込みの1.5倍であり、この赤字の過半を占める医療保険の収支改善に手をつけない限り、社会保障制度自体を揺るがせかねない事態となっていました。改革の目玉は自己負担の引き上げで、薬剤費や救急車による搬送費に加え、かかりつけ医以外で受診した場合の自己負担を4割から5割に増やし、かかりつけ医の3割との差を広げます。また後発医薬品の処方も増やすなど、施策内容は日本とよく似ています。これらにより、年間総額12億ユーロ(約2000億円)の収支改善が出来るとしています。 今年2月から3月にかけてNHKで放送されて大きな反響を呼んだドラマに、「ハゲタカ」がありました。 ある外資系投資ファンドのやり手ファンドマネジャーと、彼の元上司でもあるメガバンクのエリート行員の2人を軸に、不況下にある日本企業の買収をめぐる攻防が繰り広げられます。「ハゲタカ」は視聴率こそさほどではなかったものの、ホームページのヒット数では大河ドラマ「風林火山」をはるかに凌ぎ、また局に寄せられる手紙やメールも異例の数に上ったそうです。現代の黒船、投資ファンドがいかに高い関心を持たれているかという、ひとつの証左のような気がします。 さて、村上ファンドやスティール・パートナーズに対する司法判断が示されたこともあってか、日本のみならず世界の資本市場で活発な動きをみせているファンドについて、日経が一面を使って特集をしています。 日本で投資ファンドが初めてその存在を示したのは、90年代後半、不良債権処理の最中でのことでした。破綻した日本長期信用銀行を買い取ったリップルウッドは、その買収価格の安さや、資産価値の下落を公的資金で補填できるという「瑕疵担保責任条項」の存在が明らかとなったことで、「ハゲタカファンド」と叩かれました。 やがて企業が資産売却などの財務リストラに取り組む中、日本資本の独立系ファンドも生まれてきます。彼らは日本経済のデフレ脱却の最終局面で活躍し、力を付けていきました。 ファンドが存在感を増してゆく中で、その話題の中心となり時代の寵児となったのが、「アクティビスト(物言う株主)」として華々しく登場した村上ファンドです。同ファンドが表舞台に登場したのは00年ごろで、その運用資金は絶頂期には4000億円を超えていました。またほぼ同時期にキャッシュリッチ企業を狙い撃ちにして増配を引き出す動きを繰り返したスティール・パートナーズは、世論にファンドへの拒絶反応を再び引き起こしました。 ただそういった世論の反発や今般の司法の厳しい判断はあるにしても、ファンドの影響力が増大し続け、今や無視できないパワーを持っていることは動かしがたい事実です。 世界的な金余りを背景に、資金を動かすプロであるファンドが力を持つのはある意味、市場の論理から言えば必然ともいえることです。良いか悪いかは置いておいて、それは目の前にある現実なのです。日本の市場も、経営者も、そして私たち一人一人も、この現実をまずは受け入れ、それにどう対処していくのか、そこにこそ知恵を絞るべきでしょう。頭ごなしの拒絶では、決して資本の理解は得られないでしょう。 偶然ですが、「ハゲタカ」は明後日19日から再放送されます。ご興味のある方はご覧になってみては如何でしょうか。
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・ブルドック買収~防衛策、最高裁も容認~スティールの抗告棄却 (1面) ・「株主の判断」重視、明確に~「濫用的」踏み込まず~守る側も問われる規律 (3面) ・「ブルドック買収」終焉~TOB継続か取下げか、スティール、判断へ (11面) の3本です。 買収防衛策について、最高裁が初めて判断を示しました。 スティール・パートナーズがブルドックソースの買収防衛策の差し止めを求めていた仮処分申請で、最高裁第二小法廷は、差し止めを認めなかった東京高裁決定を支持、スティールの抗告を棄却する決定をしました。 高裁決定で最も注目された「濫用的買収者」の判断は避けたものの、買収で株主共同の利益が害されるかどうかについて最高裁は、「会社の利益の貴族主体である株主自身により判断されるべきもの」と指摘し、多くの株主の賛同の下で導入、発動されたブルドックの防衛策を認めました。これは司法が株主重視の姿勢を示したと言え、今後の買収防衛策をめぐっては、買収側、経営側ともに株主への説明責任が重要となりそうです。ただ、買収防衛策に対する経営側の過度の期待は、日本からの資本逃避に繋がりかねない面もあります。それを防ぐためにも、経営者の姿勢はより一層問われます。 いずれにせよ、ブルドックは最高裁まで至った法廷闘争に勝利したことになります。同社は予定通りに新株予約権の無償割り当てを進めていくとコメントを出しました。一方スティールはこれにより、保有株式割合が約3%に低下することになり、実施中のTOBについての方針決定を迫られることとなります。 今日の記事は
・EUが黄金株検討~中ロファンドの買収警戒 (1面) ・「日本的」に背向け任天堂快走~普通の技術で楽しさ創造 (9面) ・村上判決、実務家戸惑う (16面) の3本です。 世界で猛威を振るうファンド資本主義がリベラリズムとぶつかる可能性が出てきました。 国の垣根を取り払い、資本や人の自由な移動を認める先進的な試みの成功例であったEUが、投資ファンドによる域内企業の買収に備え、EUや加盟国政府が保有する「黄金株」制度を導入する検討に入りました。中国やロシアなどの政府系ファンドが安全保障に関わる欧州企業を買収し、経営権を握ることを阻止するためです。ここのところ急激に盛り上がっている、ファンドの財務透明化の議論や税制見直し論などと相俟って、保護主義的色彩が資本市場で強まってくる可能性があり、日本の当局も、この動きを注意して見守っていると思われます。政府系ファンドとしては、シンガポール政府が所有する投資会社テマセクが有名ですが、今や国が先頭に立って財テク(古い!)に走るところまで、資本主義はいっているのです。 WiiとDSの大ヒットで快走する任天堂は、いわゆる「日本的」経営とは異なる発想で、今の独自の地位を築きました。創業者の世襲を拒絶して40代の中途入社組を社長に据え、ハードの内製化にまったくこだわらずにファブレス志向で日本得意の「カイゼン」にも関心無し。それでも、ゲームの「楽しみ」はなにか、という一点に集中して知恵を絞り、次々とヒット作を生み出しています。 ニッポン放送株のインサイダー取引事件で村上世彰氏に実刑判決を言い渡した先月19日の東京地裁判決が、市場関係者やM&A実務家に混乱を呼び起こしているようです。 問題は、インサイダー情報としての重要事実の決定にどの程度の実現可能性が求められるのかという点で、判決は「実現可能性がまったくない場合は除かれるが、可能性があれば足り、その皇帝は問題とならない」としました。判決に疑問を持つ側は、「ハッキリした基準が示されないと、経営側に最も安上がりな買収防衛策として利用されかねない」(早稲田大学・黒沼悦郎教授)、つまり、現在検討中の様々な経営情報を積極的に買収側に開示することで、相手をインサイダーに仕立て上げることも可能ではないか、と主張します。逆に判決を指示する側は、「基準を客観的に明示せずに個別判断に任せるようにしないと、脱法行為がまかり通ることになりかねない。現実的な対応だ」(岡山大学・上山名誉教授)と、その実務的な抑止効果に期待します。いずれの主張にも一理あるように思われますが、どちらが正しいにせよ、同事件の高裁判決への注目度は高まるばかりです。 今日の記事は
・後発薬の処方、標準に~厚労省、書式見直し (1面) ・最期はどこで1・自宅~医療・介護の連携が前提 (7面) ・患者の医療費滞納、悩む病院~自治体病院は深刻 (9面) の3本です。 薬の処方の原則と例外が逆転します。 厚労省は薬の処方を、新薬の処方を前提とするものから後発薬の処方を前提とした内容へと変更します。これにより、従来と反対に、医師が必要だと判断した場合のみ新薬を処方することになります。医療費抑制策の一環です。 誰の人生にも例外なく訪れる「最期のとき」。今の社会での主な最期の場所を紹介し、その長所短所を考える連載の第1回は「自宅」です。 最近、末期がんなど治癒の見込みのない高齢患者が仕方なく自宅へ、という場合が増えていますが、自宅での療養を専門とする医師や訪問看護ステーションも増えてきています。住み慣れた自宅で、鎮痛などの「緩和ケア」を中心に月2万円程度の医療費で最期の時を過ごせることは、患者にも家族にも幸いなこと。在宅で500人以上を看取ってきた川越厚医師は、「自宅は個人の尊厳を大事にしながら終末期を過ごすのに最善の場所」と言います。ですが、それを実現するのは容易ではありません。 第1の条件は医師の存在ですが、政府が進める「在宅療養支援診療所」認定制度に登録している診療所は全国で約1万ヶ所で、地域に偏りがあり、質にもばらつきがあります。もう1つのポイントは介護の体制の有無ですが、広島県尾道市のように、介護施設のヘルパーやケアマネージャー、医師などがチームを組んで在宅介護を行うことで、高齢者の自宅療養をサポートする体制を作っている自治体はまだごく一部です。 ただ、一点、在宅療養はそばにいる家族に負担を強いるものでもあるため、誰にでも勧められるものではないという点は注意すべきところでしょう。 家族や知人に見守られながら最期の時を迎える、というシチュエーションに、アカデミー賞外国語映画賞を取った「みなさん、さようなら」というカナダ映画を思い出しました。 巷では給食費の滞納を続ける親が問題となっていますが、実は医療費も、推定で年間1000億円もの滞納があるといわれています。 中でも自治体などが運営する公的病院が4425万円と深刻な状態です。東京都では、主税局に回収を依頼したり、裁判所の「支払い督促」制度を活用したりしていますが、実は回収すれば良いということでもありません。それは、未納者の多くが経済的理由からという事情があるからです。 病院の性格上、身包みをはぐようなことはできません。それにそもそも、医師には法的責務としての「応召義務」があり、お金がないからといって患者を拒むことは出来ないのです。ただ、保険料や自己負担率の上昇と共に未回収金は増える傾向にあり、現場からは制度の不備を指摘する声も強まっています。 安倍政権の運命や如何に。これは非常に難しいテーマだが、議論の〆として、すこし考えてみようと思う。
年金問題への対応1つとっても安倍政権の未熟さは明らかだ。小泉政権が近年にない出色のパフォーマンスだっただけに、どうしても余計にそう感じられてしまう。誰かが言った「少年官邸団」とはまことに言い得て妙であり、安倍政権の若さ、甘さ、浅さを的確に表現している。この惨敗で安倍政権は一気に崩れてしまうのか、と考えてしまいそうなところだ。 だが、ちょっと待って欲しい。まずは冷静に、今から遡ることわずか1年半前に政界で何が起きていたのか、思い起こして欲しいのだ。 そう、その頃国会は、あの「偽メール問題」で大騒ぎだったのだ。 「偽メール問題」とは、2006年2月16日の衆議院予算委員会での民主党永田寿康議員の質問に端を発する、ライブドア元社長の堀江貴文氏が武部自民党幹事長の次男に3000万円振り込むように社内に指示したとされるメールをめぐる一連の騒動である。 一応簡単に経緯を説明しておくと、質問がされた当日は与党内が騒然となったものの、その真偽が問題となると事態は一変、永田議員を始め民主党は一切の証拠を提示することが出来ずに窮地に陥り、加えて永田議員が雲隠れするなど事態は迷走、攻守は完全に逆転し、1ヵ月半余りの騒ぎの末に、永田議員の辞職、民主党前原代表の辞任で決着したのである。 情報提供者がいると言い続けた民主党であったが、メールがある人物による作文に過ぎなかったことが判明すると、その余りの杜撰さに党の信用は失墜、当時、ようやく郵政選挙の傷も癒え、BSE、耐震偽装、ライブドア、防衛施設庁談合という、いわゆる「4点セット」で攻勢に出ようとしていたのを、自らのチョンボによってフイにしてしまったのだった。 何も民主党をいじめているわけではない。わずか1年半前に起きたことを思い出してもらっただけだ。要は、ちょっと遡れば民主党も安倍政権に負けず劣らずのおぼっちゃま振りを晒していたわけなのだ。もちろん、その反省というか出直しという意味も込めた党首選を経て新しく民主党党首となったのが小沢一郎氏なわけなのだが、まさかトップの顔が変わるだけで、党の体質までガラリと変わって立派な大人に生まれ変わる、などと好意的に考える奇特な人は、そう多くはないであろう。 つまり、安倍政権の浮沈が問われることはすなわち、民主党に政権担当能力が本当にあるのかが問われることを意味するのであり、そしてそこに世間の注意が向き、与党やマスコミが厳しく追及しだすと、たちまち馬脚をあらわす可能性が、残念ながら高いと言わざるを得ないのが現状なのだ。 なにせ突っ込みどころは満載だ。まず一度も政権を担ったことが無いし、経験者はいるにはいるが、その中心は自民党旧田中派だし、党内は旧社会党の連中まで含めて、その寄せ集めぶりは自民党以上…その気になればいくらでも不安材料は挙げられる。 民主党は参院選で勝ち、第1党になったがゆえに動きにくくなってしまったのだ。でもそれは政権を目指すためには当然、乗り越えなければならない道だ。そこを避けて批判ばかりしていたら、社会党の二の舞になってしまう。 では、民主党はどうすべきなのか、自民党や公明党はどう動くのか、さらに考えてみよう。(つづく)
今日の記事は
・派遣、違法常態化にメス~厚労省、フルキャストを処分 (3面) ・業績、大幅下振れの見方~創業者平野氏・急成長下で甘さ (11面) の2本です。 人材派遣大手のフルキャストが、労働者派遣法で禁じられた港湾関連の業種に登録スタッフを派遣していたとして、厚労省から全国の事業所に1ヶ月の事業停止命令処分を受けました。同社は再発防止に努めるというコメントを出し、会長の代表権返上、役員報酬3ヶ月間50%返上などを決めました。今回の処分に加えて、同社は総額40億円程度といわれる、日雇い派遣スタッフから天引きしていた「業務管理費」の返還問題もあり、業績が大幅に下振れすると考えられます。これに株価も敏感に反応、ストップ安となりました。 求人メールを大量に流すことで手軽かつ大量に短期や日雇いの求人を捌けるスポット派遣業は、最大手のグッドウィル(3万人/日)とフルキャスト(同1万2千人)で、全体の7割弱を占めています。携帯電話一つで会員登録すれば良いだけという、労働側の手軽さもあって普及していますが、福利厚生面での劣悪さや、単純労働のみで技能が身に付かず、将来のキャリアアップができない若年貧困層、いわゆる「ワーキング・プア」が形成される、などといった弊害が指摘されています。グッドウィルの折口氏と同い年の創業者平野CEOは、家庭教師の派遣ビジネスで得たノウハウから急成長を遂げましたが、グッドウィル同様、コンプライアンスの甘さを露呈しました。 今回は明確な違法行為であり、その再発は同業他社も含めてあってはならないことですが、問題はもっと根深いと思われます。人件費を安く抑えるばかりで、健全な労働者を育てる視点がおざなりになってしまっては、日本の国力は衰えて行くばかりでしょう。 今日の記事は
・売却先、来月までに決定~「施設」一括「訪問」分割~コムスン (11面) ・1、2県で「介護難民」?~コムスン事業譲渡 (39面) ・看護師争奪戦、転職支援競う~人材サービス各社 (14面) の3本です。 不祥事が明らかとなってから約2ヶ月、ようやくコムスンなどグッドウィル・グループの介護事業の売却の手順が確定しました。同社は厚労省に手続を示した「事業移行計画」を提出し、事業の売却先選定の方針や日程を発表しました。それによると、売却先の公募要綱を1日にホームページに掲載し、一括売却する施設介護事業は14日まで、都道府県別の分割売却する訪問介護は20日まで公募し、手を挙げた企業から、有識者で作る第三者委員会による候補選定を経て、施設は今月中~下旬、在宅は同下旬~来月上旬までに売却先を決めるとのことです。 その発表の席上でコムスンの樋口社長は、訪問介護の事業譲渡について「受け皿となる事業者が現れないところが1、2県あるかもしれない」との見通しを明らかにしています。現時点で約20県で事業引き受けの打診がないとのことです。利用者へのサービスが継続できず「介護難民」が発生するおそれがあり、厚労省は都道府県に改めて協力要請することを決めましたが、自治体の一部には不安も広がっています。 労働条件に厳しさなどから、もともと人材不足だった看護師が、昨春の診療報酬改定により大病院を中心に雇用枠を拡大する動きが活発化した結果、争奪戦が激しくなっています。これを受け、人材サービス各社は、看護師専門の転職コンサルタントを増員するなど、力を入れています。少子化により今後ますます看護師の確保は難しくなるとみられていますが、プライマルケア重視を掲げる厚労省は、開業医の看護師不足に対する救済策を早急に立てるべきであると思われます。 今日の記事は
・広がる女性外来、配慮細やか~来院促し早期治療 (11面) ・偏在解消、地域・行政一体で~前野哲博氏 (11面) ・妊産婦の脳出血・敗血症への対応~中核病院の2割が不安~厚労省 (38面) の3本です。 患者を女性に限定した女性外来が増えています。生物学的、社会学的要因に注目する「性差医療」の観点から始まった女性外来ですが、日本では01年から始まり、特定疾患の女性だけを専門的に扱う外来も出てきています。 男性の目が気になることに考慮してレディースデイを設けたところ患者が殺到し、終には週6日すべてを女性専用にしてしまった「松島ランドマーククリニック」(肛門科・横浜市)では、医師やスタッフすべてを女性にするなど、女性が来やすいようにという配慮が行き届いています。待合室に女性が多く居るのを見て安心したという声もあり、女性のみという特色が相乗効果でさらに多くの患者を呼んでいるようです。 その一方で、骨盤臓器脱(泌尿器科)など女性特有の病気については専門医が少なく、それが早期治療を妨げ治療の遅れに繋がっているところもあり、まだまだ医師が足りないという実情もあります。 また、特定の診療科に囚われずに女性特有の体の悩みについて総合的に診療しようとする動きも広がっています。富山市にある「女性クリニックWe! TOYAMA」は、乳腺外科や皮膚科、婦人科などがありますが、産科はありません。これは「産婦人科と一括りにされるけれども、不妊で悩む人は妊婦の姿を見るだけでもつらい思いをするから」(種部恭子院長)です。ここでは威圧感を失くすために医師や看護師は白衣を着ず、また予約電話の応対にも気を配ります。 女性外来のある病院はNPO「性差医療情報ネットワーク」のサイトなどで紹介されています。 最近ますます酷くなっている、医師の偏在の問題について、筑波大学病院総合臨床教育センター副部長の前野哲博氏が述べています。 氏によれば、現在の「医療崩壊」を起こした要因は2つ。 1つは研修先を自由に選べるようになった新しい臨床研修医制度で、これはすでに言われていることです。研修医は豊富な症例が経験でき、指導者が多くおり、また交代要員のいる一部の病院を希望するようになり、それが下の学年に伝わってますます助長されているというわけです。 2つ目は勤務医の激務です。当直明けに通常勤務を行っている医師が9割といわれる実情が、少しでも負担の軽い職場を求める動きに繋がっているのであり、氏によればそれは、もともとあった医療制度の歪みなのです。 これを解消するには方法は2つしかない。1つは従来研修医を全体のバランスを見ながら配分していた医局に代わるような仕組みを作ること、2つは魅力的な研修システムを地域が用意することであるとし、それは地域と行政が一致協力しなければ作れない、というのが氏の意見です。 少子高齢化の原因はいろいろ言われていますが、実は、産む所が無い、というのもその有力な原因の1つです。 リスクが高い妊娠・出産を引き受ける中核施設として全国に66ケ所設置されている、総合周産期母子医療センターの診療体制を厚労省研究班が調べたところ、回答した46施設のうち約2割が、脳出血など産科以外の妊産婦の急性疾患は「受け入れ不可能」とし、体制に不安があることが判明しました。周産期医療の最後の砦と位置づけられる総合センターの課題の克服には近くの大学病院などとの連携が必要なようですが、それだけでは十分ではなく、周産期医療のリスクを軽減する政府レベルでの取り組みが必要であると思われます。 今回、安倍政権は確かにベタ負けした。では有権者は安倍政権を否定したのだろうか。
まず、与党に投票しなかった有権者は安倍政権を「全」否定したのか、という問題がある。次に、安倍政権の全否定=自公政権の否定なのか、それとも有権者は自公政権はそのままでの首のすげ替えを望んでいるのか、というポイントがある。そして自公政権の否定がなされたというのならば、それはすなわち「有権者は政権交代を望んだのか」「有権者は民主党政権を望んだのか」について考えることを意味する。 これが衆議院総選挙ならば単純だ。総選挙は政権選択の選挙だから、与党が負けて過半数割れとなれば、下野するしか道はない。すなわち政権交代(もしくは政権与党の組み替え)が起こる。しかし参院選は与党が負けても、過半数割れを起こしても、そうはならない。なぜか。それは内閣総理大臣を選ぶのは衆議院だからだ。詳しい憲法講義は本意ではないので割愛するが、日本国憲法においては様々な点で衆議院は参議院に優越した地位を与えられており、その究極が上記の点にある。だから参院選の場合、話はややこしくなるし、こういったことについて考えないとならなくなる。 では本題に戻ろう。有権者は安倍政権を否定したのだろうか。私の答えは「否」である。 有権者の過半は安倍政権を全否定してはおらず、政権の存続を望んでいる。すなわち、政権交代も民主政権も有権者の望むものではない。「ただし」政権の存続は無条件ではない、というのが私の見立てだ。 これは単純な獲得議席や得票を見てもわからないので、マスコミによる有権者の投票行動分析の記事などから推測するしかないのだが、それらから考えると少なくとも、今回の選挙で有権者は政権交代を求めたとは言えないと思える。以下にその理由を説明する。 まずは基本データとしての比例票の動きだ。確かに今回、民主党は比例票で自民党の約1.4倍の票を集めて圧倒的な第1党となった。だがこれはすでに述べたように、以前から見られた傾向なのだ。実際、前回3年前と比べても、自民は1.9ポイント減、民主は1.7ポイント増と、得票率にそれほど大きな変動はない。議席数の差が開いたのはやはり、1人区の勝敗の結果なのだ。これはつまり、「自民党」に投票する人はさほど減っておらず、自民党の支持者はあまり減ってはいないという1つの証左となる。 そうなると投票の「質」を見るしかない。つまりは出口調査の結果だ。 日経新聞によれば今回、無党派層は有権者全体の19%であったというが、これは前回とまったく同じである。そしてそのうちの51.2%が民主党に投票したと回答したが、実はこれも前回とほとんど同じだった。つまり、無党派層については今回、特に目新しい投票行動はなかった、ということになる。となると、「支持政党あり」と答えた人たちの投票行動が差をもたらしたという可能性が高まる。そこで焦点が当たるのが、自民党支持層の投票先だ。 やはり違いはここにあった。今回はなんと、自民支持層の約4割が自民以外に投票しており、民主に流れたのは24%、つまり4分の1に及んでいた。1人区のところで説明したように、これは自民にとって差し引き48%の痛手となる。一方民主はといえば、支持層の約8割を確保した上に、自民へ流れたのはたったの5%しかなかった。これが決定的な差を両者にもたらしたのだ。 このことからはっきりと分かることがある。それは、「今回自民党を惨敗させたのは自民党支持者である」ということだ。それはすなわち、「彼らは民主党が好きで勝たせたのではない」ということなのだ。これこそが、私が「有権者は政権交代を望んでいない」と判断する最大の根拠だ。 もう少し具体的に説明してみよう。 もう自民政権はコリゴリだ、政権交代して欲しい、というのであれば、まず自民支持者が激減しなければおかしい。しかし、比例票を見る限り、そういった傾向は見られない。さらに、民主党が増やした票の多くは自民支持層から奪ったものだったと推測されるが、もし政権交代を有権者が望むのであれば、彼らは支持政党を変えるはずである。ところが、自民支持者は民主党に投票しながらも、依然として自民支持者なのである。この2つの分析から割り出される有権者の「ココロ」はただ1つ、「民主政権は望んではいないが、今回は自民を負けさせた(民主に勝たせた)」しか考えられないのである。つまりは、いわゆる「キツイお灸を据えた」ことに他ならない。 この点については特に、テレビを始めとするマスコミを信用してはならない。彼らは十年一日のごとく、「2大政党制」「政権交代」を叫んでいるが、それはまったく実証データに沿った主張ではなく、反権力、長期政権への嫌悪感といった、彼らマスコミの持って生まれた性質からくるものである。今回も島田紳介氏などがしきりに、「自民にお灸を据えた、なんて甘いこと思わないで下さいよ」などと与党幹部を責めていたが、実際の有権者のココロはまさにその「お灸」だったのだ。 もう忘れてしまった(というか知らない)方がほとんどだと思うが、18年前の参院選の結果を受けて、当時の社会党委員長(党首)だった土井たか子氏が何と言ったか。「山が動いた」と彼女は言ったのだ。マスコミも大はしゃぎで社会党の躍進を書きたてた。だが、その後社会党はどうなったか。それは言うまでもないだろう。社民党は今回の参院選で、たったの2議席しか獲得できなかった。民主党が同じ道を辿らないという保証はどこにもないのだ。 では引き続き安倍政権が続いていくのかというと、そうは断言できない。なにせそこは腐っても鯛、9年前も、そして18年前も、永田町のど真ん中にいた小澤一郎氏である。政界は一寸先は闇。何が起こるかは一切確約できない。だがそこをあえて踏み込んで、今後の安倍政権と政界の行方について考えてみようと思う。(つづく)
今日の記事は
・高齢者向け賃貸住宅~民間病院の参入解禁~厚労省 (1面) ・自治体病院再建請け負う (夕刊4面) ・ブログで学ぶ企業法務~プロも学生も議論 (夕刊5面) の3本です。 団塊の世代の高齢化と医療法人の経営支援、そして医療費抑制を狙った政府の取り組みです。厚労省は、民間病院を経営する医療法人に、高齢者向け住宅賃貸事業への参入を解禁します。入居者の生活相談に応じたり、容体急変に備えて定期的に安否を確認する見守りサービスの継続的な提供を義務付けたうえで、現在不動産業の兼営を禁じている医療法の施行規則を緩和する通知を出しました。 高齢者専用賃貸住宅(高専賃)は、バリアフリーで高齢者の入居を拒まない賃貸住宅で、国土交通省が05年12月に登録制度を作っています。家賃やサービス内容などの情報開示が登録の条件となっており、全国に1万2千戸余りがあります。現在は有料老人ホームや介護事業などを手がける株式会社や社会福祉法人が参入していますが、主に富裕層向けでありあまり普及していませんでした。 高専賃は老人ホームと違って、入居時に多額の費用がかからず、また医療法人が事業主体となることで入居者の安心感も増すとの狙いがあります。また、医療費増加の一因と指摘されている、医療の必要がないにもかかわらず病院の療養病床で暮らす「社会的入院」を減らすという意味合いもあります。現在全国に38万床ある療養病床は11年度までに6割削減することが決まっていますが、入院している高齢者は自宅に戻るのが難しいとされており、その受け皿にという期待もあります。 また、医療法人にとっても事業の幅が広がって経営に資するとも考えられます。厚労省は他にも、「特別養護老人ホーム」や「老人保健施設」などへの医療法人の参入を解禁する方針で、高齢者向け医療福祉の充実と医療法人の経営支援を早急に進める腹づもりのようです。 自治体の運営する病院の66%が赤字に苦しんでいる中、経営再建に腕を振るう人たちがいます。徳島県病院事業管理者の塩谷泰一氏は減率3病院の収支を黒字にしました。塩谷氏は、地域医療期間との連携強化を目指し、診療所などからの紹介患者受け入れを増やし、高度医療を施すことで診療単価のアップにつなげました。大牟田市立総合病院の経営改善対策室長の肥川一元理事は神戸製鋼所の人事・労務畑での経験を活かし、就任3年で黒字化を達成しました。こういった地味な努力が自治体に求められていると思われます。 買収をめぐる企業とファンドの攻防が日本でも大きなニュースとなっていますが、そういった企業法務の問題を分析するブログが大盛況です。運営しているのは、現場の第一線で活躍する弁護士や大学教授などで、人気ブログには、企業の法務担当者が法務省に問い合わせる代わりに質問を書き込むなど、数多くの閲覧があります。買収防衛策をめぐる見解でブログの間で論争が起きるなど活発なやり取りもあり、わかりやすく、かつ専門性の高い内容が人気の秘密です。 今回の与党惨敗の原因は、マスコミ各社が一致してあげているように、消えた年金、政治とカネ、閣僚の失言、の3つだ。でも私が考えるところ、この中で真犯人は1人だ。ではそれは誰か。
ここ数十年にわたる問題である年金はともかく、あとの2つは、政治とカネ(佐田前行革相、松岡前農相、赤城農相)、失言(久間前防衛相)、ともに安倍総理の任命責任が絡む問題だ。政権成立後1年もたたないうちにこれだけの閣僚が問題を起こすという事態は、その政権運営能力や人心掌握が問われるべきものであり、総理は少なからず責めを負うべきものであった。だが私は、これらは選挙戦の流れを後押ししたに過ぎなかったと見る。勝敗を決した原因は年金問題、これに尽きる。 年金記録の問題が民主党の長妻昭議員によって衆議院決算行政監視委員会で取り上げられたのは、実は昨年の12月6日のことであり、同議員がこの問題で安倍総理と対峙し激しい応酬を繰り広げたのは、今年の2月14日のことであった。年金記録の調査をあくまでも突っぱねる政府側の態度には明らかに、ことを大きくしたくないという思いと同時に、これは安倍政権以前から続く問題であり、事務所費や失言に比べれば政権への影響は大きくないと考えていた節がある。そしてそれが初期対応を遅らせてしまう。 だがここから事態は急展開を見せる。社会保険庁の年金データの呆れた管理実態が明らかになり、噂でしかなかった「消えた年金」が現実であることが報じられるや、この問題は飛躍的に世間の注目度を増していく。こうなったときのマスコミは実に恐ろしい。おいしいネタに一度食いついたら、決して放さない。各社は競うように、年金と社会保険庁の実態を暴いていった。急激に高まる批判に政府与党は慌てて対策を練り、総理を先頭に大々的にアピールをしたが、時すでに遅し。「年金不信→政権不信」という激流はもう誰にも止められなくなっていた。 これぞまさに「蟻の一穴(いっけつ)」。半年前に開いた小さな穴の向こうに広がっていた、年金記録のブラックホールに気付いてすぐにフタをしておけば、たとえそれがバンドエイドでしかなかったとしても、有権者はこれほどまでには怒らなかっただろう。だが、安倍総理やその取り巻きにはそれが見えなかった。そして対応を誤った。 加えて、問題が年金だったというのが致命的だった。 「9年ごとのジンクス」というのがある。これは、参院選では9年ごとに与党が大敗すると言うもので、9年前の1998年には橋本政権が、18年前の1989年には宇野政権が同様な惨敗を喫し、辞任へと追い込まれている。今回の安倍政権の命運については後述するとして、図らずも選挙結果はジンクス通りとなったわけだが、言いたいことはそこではない。橋本政権を葬ったのも、宇野政権を倒したのも税問題だったということなのだ。 宇野政権は消費税施行(3%)で、橋本政権は消費税率アップ(3→5%)による景気失速で、惨敗した。昔から税制は最大の政治マターと言われ、権力者が避けたがるのはこのためだが、これは少し考えれば至極当然な話だ。 国民は国の予算がどれだけ増えようが、借金がどれだけ増えようが、実はそれほど気にはしない。実感がないからだ。でも彼らは増税には敏感だ。それはイヤでも実感することになるからだ。だからこそ、自民党は赤字国債を何百兆円発行しても増税は避けたいのだ。もちろん、赤字のツケはいつか国民に巡ってくる。しかし、頭ではわかっていても、それを思い知るのは、実際に手取りが減ったりお釣りが減ったりしたときなのだ。 もうおわかりだろう。年金とは、選挙においては税と同じ効果(破壊力)を持っているのだ。出(税)と入り(年金)との違いはあれ、人間誰しも自分のお金のことにはうるさいに決まっている。それが、信用して預けていたお金がいつのまにか消えてなくなっていたなんてことになったらどうだろう?これが銀行だったらたちまち取り付け騒ぎで破産だろう。そんなとんでもないことを国がやっていたというのだから、有権者が怒るのも当然なわけだ。しかも預けていたのはただのお金じゃない。なけなしの稼ぎの中から、老後の備えにと積み上げてきた大切なお金なのだ。 若干補足すれば、年金問題は数年前からくすぶっていた問題だったというのもある。今までも何度となく争点とされながらも、選挙の行方を左右することにはならなかったのが今回は、その溜まりに溜まったガスに引火して大爆発を起こしたともいえる訳なのだが、ではなぜ今回爆発したのか。実はこれにも理由があるのだ。けっして結果論ではなく、今まではガスに引火する可能性が低かったのが、今回はそれが急激に高まったと断言できるのだ。 それは、同じ年金問題でも今までと今回とでは、まるでコインの表と裏のように全く正反対の性格を持っていたからだ。 どういうことかというと、従来の年金問題は年金負担の増加の問題、つまり家計の支出の問題であり、主に若年世代に影響を及ぼす問題であったのに対し、今回は年金の給付の問題、つまり、高齢世代の家計収入を直撃するものであったということだ。 年金は世代格差が問題であるがゆえに、今までは世代が高くなればなるほど問題意識は低くならざるを得なかった。それも当然の話で、もうもらっている(もしくはもうすぐもらえる)人たちから見れば、年金負担が上がるといっても正直、他人事でしかないのだ。だから、負担を強いられる若年層の政治意識の低さも相俟って、従来の年金問題は大きく選挙を動かすことは無かったわけだ。 それが今回はもらえるはずの年金がもらえないとなったから、安心していた人たちがものすごく深刻な危機感と憤りを感じた。しかも高齢者世代は本来、年金の恩恵を受ける人たちであり、支持をコロコロ変えたりしない保守層の大切(忠実)な票田だったのだ。その人たちが雪崩をうって民主党に投票した。これが地方で自民が票を失った原因だ。おそらく安倍政権は、この「消えた年金問題」の持つ、従来の年金問題との本質的な違いにも気付かなかったと思われる。 年金は、日本では有権者のほぼ100%が利害関係を持つ幅広さという意味でも、お金の問題であり生活に直結するという奥深さの点でも、税と並んで最もデリケートに扱うべき問題であったのだ。それを安倍政権は軽視した。自分の責任ではないと判断し、問題の本質を見誤り、対応が後手に回った。これこそが今回の惨敗の本質だと、私は思う。 ある意味今回の参院選は、「日本の歴史上初めて」、有権者が年金制度の持つリスクを「実感した」その頂点で行われた選挙であった。与党の負けは必定であったというのは、言い過ぎだろうか。 続いて、では有権者は果たして安倍政権を否定したのか、について考えてみたい。(つづく) 轟く雷鳴は、天の怒りの声だったか。
そんな思いのよぎる結果だった。 安倍政権になって初めての国政選挙(補選はのぞく)となった第21回参議院選挙は、与党の歴史的惨敗に終わった。 自民党は改選議席から27議席減の37議席、公明党は同3議席減の9議席に終わり、そのマイナス分をほぼそっくり奪った民主党が28議席増の60議席を獲得する大躍進をとげた。この結果、民主党が非改選議席とあわせて109議席を占め、自民党に替わって院内最大勢力となることが確定した。またこれにより、自公合わせた与党勢力は105議席にとどまり、過半数(122)を割ることとなった。 まずは数字の分析をしてみよう。 今回、これだけはっきりと勝敗がついたのは、自民党の牙城とされていた、全国29の1人区の多くで与党候補が落選したことが最大の原因だ。小沢党首の地元である岩手はともかく、片山参院幹事長が敗れた岡山や、18年ぶりに自民現職がすべて落選した四国など、自民6勝に対して民主は17勝と、トリプルスコアに近い地すべり的圧勝となった。 1人区の怖いところは、負けた方には何も残らないゼロサムゲームである、ということだ。つまり、奪われたらそれは2倍になって跳ね返ってくるのだ。これは6年前の結果と比べてみるとハッキリと分かる。6年前、つまり今回の改選議員が前回戦った参院選の1人区の勝敗は、自民25勝、民主2勝だったのだ。つまり、この両方の差し引きだけで、なんと40議席も逆転したことになってしまうのだ。 逆風の影響を受けたのは自民党だけではなかった。創価学会の堅固な組織票と徹底した選挙運動で、常に目標どおりの議席を確保してきた公明党がまさかの敗北を喫したのだ。 地方の1人区や2人区では単独で議席を確保できない公明党の戦略ははっきりしている。それは、地方の票を自民党に与えることで恩を売り、代わりに都市部で複数擁立を見送ってもらって確実に議席を押さえるというものだ。しかし今回はそれが目論みどおりに行かなかった。東京はなんとか滑り込んだものの、神奈川、愛知、埼玉など、自民と共存してきた3人区でことごとく民主に2議席を奪われてしまったのだ。 比例代表では以前から民主党は得票数で自民党を上回っていたが、今回はさらに差が広がり、票数の差は700万票、議席数で20対14となった。 まとめれば、自民は地方の1人区で負け、公明は都市部の3人区で負けた一方で、地方、都市で万遍なく民主が勝った、ということになる。また、従来自民系といわれる無所属等についても、今回は秋田、富山、愛媛などは明らかな民主系であり、島根は国民新党で沖縄は地元政党の出身である。自民の候補者一本化の失敗による敗北ではないのである。なので、それらの無所属等は野党勢力であり、与党の敗北は一層色濃くなるのである。 では次に、いったいこのワンサイドゲームを生んだ原因は何だったのか、考えてみよう。(つづく) 今日の記事は
・立地条件別に数値目標~公立病院改革 (5面) ・グッドウィル介護事業、分割売却の公算大 (13面) ・ホームヘルパー養成講座、受講無料に~ヒューマン (15面) の3本です。 先日お伝えした、公立病院改革に関する動向です。公立病院の経営健全化に向けた指針を議論する有識者懇談会「公立病院改革懇談会」の初会合が開かれ、病院の人件費や利用状況に関する数値基準などを検討し、秋をメドに指針案をまとめる方針を確認しました。これを受けて総務省が年内に指針をまとめ、来年度に各自治体に、公立病院の経営改革計画の策定を義務付けます。税(交付金)をエサにした従来型の「上からの」改革です。 一向に進展しないグッドウィルグループの介護事業の売却ですが、話題となっている一括売却は難しそうです。同社はまだ一括譲渡は断念していないと言っていますが、厚労省を始めとして、政府や与党、自治体の多くが分割が望ましいという立場に立っており、すでに同社は自分で方針を決めることが出来なくなっている模様です。売却先選定の主導権は依然不明確なままです。 人材派遣のヒューマンホールディングスは、修了後最低1年間、訪問介護や介護施設などで同社の派遣スタッフとして働くことを条件に、ホームヘルパー養成講座の受講料(9万5千円)を無料にします。景気拡大でより労働条件の良い業種に人が流れ、人手不足が深刻になっているためです。
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・介護職員「40万人増員必要」~厚労省推計 (3面) ・ペットも高齢化、犬用サプリ開発~金子いづるさん (19面) の2本です。 厚労省は、団塊世代の高齢化に伴う介護ニーズを賄うには、14年までに介護職員などを40~60万人増やす必要があるとの推計をまとめました。現状に比べ4~6割増となる計算ですが、これを実現するのは容易ではありません。それは介護業界の厳しい労働状況に起因します。 介護職員は離職率が04年度で20.2%と、全産業平均(17.5%)に比べて高く、また給与水準も、福祉施設で働く男性介護員で平均年収が約315万円、女性ホームヘルパーで262万円と、全労働者平均(約452万円)を大きく下回っており、現時点で人材難が深刻です。給与水準を引き上げるには財源が必要で政府も苦慮しており、それに加えて04年度以降の景気回復による雇用情勢の好転が助長しています。外国人労働者の受け入れ拡大も含む抜本策が必要との指摘も出ています。 サプリメントで実績のあるファンケルが犬用サプリ「グッドペットシリーズ」を発売したのは03年ですが、発案者の金子さんが「犬の生活も人間と同じ。生活習慣病やストレス対策にサプリが必要」と思い立ったのは、その5年前でした。犬好き5人で開発チームを組んだものの、犬に有効な成分は何かから始まって、その消化吸収や代謝の仕組みの研究から原材料選び、そしてチーム内の飼い犬による試食まで、犬ならではの苦労もあったといいます。ネット通販で注目されていますが、要望の多い猫用については、犬以上に好き嫌いが激しいこともあるのでもう少し時間がかかりそうです。 今日の記事は
・「がん診療連携拠点病院」調査3~院内がん登録編 (11面) の1本です。 院内がん登録とは、医療機関ががん患者の診断、治療、予後(患者の生死)などの情報を集めて整理すること。登録はがん1つにつき1件で、がん診療連携拠点病院は、約80ある「標準項目」に沿って登録することが推奨されています。これは、報告義務のある死亡診断書によって信頼性の高いがんによる死亡者数に比べ、がんの患者数や生存率は推計値しかなく、がん登録の制度が上がるとこれらの数値が正確になり、がん対策の基礎資料として利用できるからです。 以上のように重要な意味を持つ院内がん登録は、拠点病院指定の際の要件の1つとなっていますが、調査に回答した213施設のうち、96.7%にあたる206施設が「実施」と回答し、うち79.1%が専任スタッフを置いていました。導入体制はほぼ整ったと思われますが、登録を始めた時期を見ると、06年が30.6%、07年が15.5%と、指定に合わせて始めたケースが半数近くを占めており、データの本格的な活用はまだまだこれからというのが実情です。 また、情報公開に関しては、56.8%がデータ自体を非公開としているなど低調でした。最も公開が進んでいた「部位別患者数」で4割弱、「生存率」を公開している病院は23.3%にとどまっています。 「院内がん登録を充実させるために必要なもの」を聞いたところ、83.1%と最も多かったのが「予後調査を円滑に進める体制」でした。つまり、がん患者の性の確認のために、自治体などに住民票などの照会をする必要が生じるわけですが、個人情報保護法などの影響からなかなか円滑に情報収集が進まない実態があるのです。制度の運用にはまだまだ改善点があるように思われます。 今日の記事は
・監査役に監査法人選任権~法務省が改正案~来年提出めざす (1面) ・入院時の診療報酬、看護の必要低ければ下げ~厚労省、来年度改定で (1面) ・ヤマダ電機、電子カルテ販売に参入~医療VBと提携、開業医向け (12面) の3本です。 法務省は、企業の不正会計を防止するための会社法改正案を国会に提出する方針を固めました。監査法人を選任したり報酬額を決定する権限を、取締役などの経営陣から監査役に移すことが柱です。企業と監査法人との馴れ合い体質が粉飾事件を招いたとの反省から、企業監査の独立性を強化する必要があるとの判断です。08年度春にも法制審議会に諮り、早ければ同年の臨時国会に改正案を提出する方針です。 厚労省は、患者が入院した場合に病院に支払う診療報酬を見直す方針です。現行制度の入院基本料(一般病棟)は看護師数を基準に設定されており、看護師1人あたりの患者数が少ないほうが診療報酬がアップする仕組みとなっています。そのため、患者の病状に関わらず看護師を増やし、高い診療報酬を得ようとする病院が急増し、医療費の増加や、看護師不足につながっているという批判がありました。 今回の改訂で、患者の看護の必要度を数値化した「要看護度」という基準を新たに導入することにしており、中央社会保険医療協議会(中医協)で審議した上で来年4月から実施する考えです。手術費や診療費を含む入院費は、年間の医療費32兆円強(04年)の37%を締めます。医療費抑制には、入院費の適正化が必要との判断に加え、看護師の偏在の是正にもつなげたい意向です。 医療のIT化に家電界の最大手が参入です。家電量販店最大手のヤマダ電機が医療関連ベンチャーのオーダーメイド創薬(港区)に1億円を出資して提携し、電子カルテ販売に乗り出します。オ社の開発した電子カルテソフトと、日本医師会の診療報酬明細書電子化ソフト「オルカ」を組み合わせ、子会社のKOUZIRO(山口県柳井市)が作るパソコンに搭載します。基本価格は340万円。販売ルートとして、現在医療機関向けにテレビやパソコンを販売している法人営業部門を活用し、ベッドを持たない診療所へ個別営業する他、主要24店舗でも展示販売する予定です。初年度は30億円の売上を目指します。
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・社説~「モノ言う株主」の仮面外された村上被告 (2面) ・投資行動に厳格さ迫る~村上前代表に実刑判決 (3面) の2本です。 先週のスティール・パートナーズを「濫用的買収者」と認定した東京高裁決定に続いて、投資ファンドに対する司法の厳しい裁定が下りました。ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑により証券取引法違反に問われていた村上ファンドの前代表、村上世彰被告に実刑判決が言い渡されました。 ポイントは2点で、1つはインサイダーの定義、もう1つはファンドのあり方でした。 インサイダーの定義について判決は、99年6月の最高裁判決の趣旨を踏まえたうえで更に踏み込み、インサイダー情報となる「重要事実」の認定基準を引き下げ、企業が内部で決定した計画や方針に「実現可能性が全くない場合は除かれるが、(可能性が)あれば足り、その高低は問題とならない」と判示、その範囲を拡大しました。 ファンドのあり方については、「ファンドマネジャーとアクティビスト(モノ言う株主)の活動を1人で行っていた運営体制がインサイダー取引を招いた」と断罪、村上ファンドに「組織上の構造的欠陥」があり、ニッポン放送株のインサイダー取引が「その欠陥に由来する必然的なもの」であるとしました。 表向きは株主全体の利益のために活動をしているように見せかけながら、裏ではこっそりと株を買い増し、一般投資家が乗ってきた頃合を見計らって高値で売り抜けるという、その二面性を厳しく罰したのです。大株主という特権の悪用が村上被告を実刑判決に追い込んだ核心だと記事は指摘しています。この点については、企業年金などの機関投資家から「厳しい判決だ」との声が出ています。現場には、判決は理想論に過ぎる、と写っているようです。 世界中で猛威を振るう「ファンド資本主義」の奔流が日本にも押し寄せたことから相次いでいるM&A絡みの訴訟は、今後も我が国の司法において、一定の判例が積み上がるまでは続くと思われます。今は創成期であるというわけですが、総じて司法の判断は買収側に厳しい様に思われます。 記事は「浮かび上がるのは『大株主は権利を持つ分、責任もある』という原則だ。世界的な潮流である『ファンド資本主義』を日本が活用できるかどうかの試練に直面している」と書いています。確かに、ファンドの経営改革を強いるパワーを活かさない手は無いと思われます。しかしまだ日本にはそれを受け入れる準備が十分整ってはいない、というのが正直なところのような気がします。 ただ今回の事件に関しては、村上被告自らが堀江貴文氏らにニッポン放送株の大量取得を持ちかけたという点で「被告人は自らインサイダー状況を作り出した。(内部)情報の被伝達者というよりも当事者性が強く、悪質」(判決)であり、それゆえ社説は、より重い証取法157条「不正の手段、計画、技巧」を禁じた包括規定を適用しても良かったのではないか、と述べています。
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