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"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●奥多摩の森を抜けて歩く (11月21日)

 僕は幼少から高校まで鎌倉市の梶原というところで育った。山を切り開いて造成された、グリーンハイツというひねりの無い(でも当時はかっこよかった)名前の大規模分譲マンションに引っ越してきたのだ。周りは何にもなかったし、学校までは歩いて30分もかかったけれども、緑に囲まれた環境は子供にとって理想郷だった。

 鎌倉は3方を山に、そして1方を海に守られた天然の要害の地だが、梶原はその鎌倉の守りを固める山々の外側のへりにあたる。旧鎌倉といわれる、その山々の内側とは切通しと呼ばれる細い道でつながっていて、歩いて15分も行けば葛原が丘公園が、もう少し足を伸ばせば佐助稲荷にも行けた。
 グリーンハイツには同じ年頃の少年が沢山いて、僕らは毎日のように周りの山々へと探検に出かけ、沢山の秘密基地を作った。そして、定期的に基地を訪れては、その日の作戦を練るのだった。鎌倉は自然保護が厳しく行き届いており(ナショナルトラスト運動の発祥の地である)、そのままの雑木林が残っていた。春は桜が咲き、夏は蝉が合唱し、秋は赤や黄色に色づき、冬はエゾリスが姿を見せた。

 数年前だが、アウトドア体験ツアーに参加した。余りにも自然との触れ合いに欠けていることを気にしていたからだ。奥多摩で沢歩きや飯盒炊飯などしてテントに寝た。でも一人で続けるほどの気も無く、チャンスも無いままそれきりになっていた。そこへ大学時代の知人の誘いで、奥多摩登山に参加することになった。

 前日は夜遅くに飲んで帰ったために睡眠時間が4時間弱しかなく、起きれるか不安だったが何とか駅まで走り、集合場所の新宿へ向かう。途中でちょうど知人と会い、二人で中央線のホームに向かう。他の参加者とはメールでやり取りしているだけだったので少し不安だ。新宿に集まったのは6人。うち女性が2名。まずは立川まで。車中話しながら行く。詳しくはわからないが年も近いようで、すんなりと話が出来て安心する。
 立川で1人加わり、総勢7名となる。乗り換えて奥多摩まで約1時間20分ほど。車内は登山客で満席のためにまた立っていくことになる。だんだんと景色が変化して人家が減ってゆく。奥多摩駅からバスに乗り、10分ほどで下車。9時近くだがかなり寒い。

 ここで靴を履き替えたり、上着を着たりして、いよいよ出発する。といっても始めのうちは舗装された林道を歩く。見事に植林された杉林の横をゆく。向かいの山並みに朝日が当たり、夜に降ったらしい雨が水蒸気となって立ち昇ってゆく様子にしばし見入る。
 やがて林道に別れを告げ、登山道に入る。森も姿を変え、馴染み深い雑木林に変わる。黒土にところどころ木の根がのぞく。アップダウンが続きかなりしんどい。しかし、体力、筋力的な面はともかく、感覚的なものは余り鈍っていないように思う。久しぶりの山道に心躍る。

●奥多摩の森を抜けて歩く (11月21日)_b0047859_1183885.jpg しばらく進み、「百尋の滝」に出る。ここでしばらく休憩。滝のそばに行く。マイナスイオンが出ている?らしい。記念写真を撮って再スタート。昼過ぎには目的地である川乗山に到着する予定。ここからは更に登りがきつくなる。紅葉の方はどうやら見頃は過ぎてしまったようで、登っていくほどに木々は葉を落として冬の様相。しかし、ところどころ赤や黄色に色づいた景色に遭遇する。前後の人と話しながら進む。みんな話しやすく楽しい。
 突然、尾根に出る。見晴らしが良くなり、先に頂上が見えた。山頂に着くと、すでに人であふれていた。でもとてもいい気分。連なる奥多摩の山並みが豊かな表情。昼をとる。ここで持ってきたボジョレヌーボーを開けて振舞う。気持ちがよく、ほろ酔いに。

●奥多摩の森を抜けて歩く (11月21日)_b0047859_1203195.jpg 1時間弱して、下山。実は登山は下山の方が厳しいような気がする。単調になりがちだし、上るときよりもモチベーションは下がり勝ち。それにひざに負担がかかる。案の定、だんだんとひざが痛くなってくる。原因は右足のつま先が痛くなってきてそれをかばっているためなのだが、修正のしようがない。おそらく靴がフィットしてないのだろう。しかし下山そのものに影響が出るほどではないのであまり心配はしない。やがて電車の音が聞こえてくる。皆の足取りが一気に軽くなるが、こういうときが怪我をしやすいときなので、気をつける。
 帰りはやはり座れず立って行ったのだが、途中で乗り換えて座る。みんなさすがに疲れて寝る。

 新宿で焼肉。とてもうまい。今日参加するはずが仕事で来れなかった女性1名が参加して、更に盛り上がる。彼女は来月今の会社を辞めて上海へ渡る。現地での仕事にチャレンジするという。仕事での成功と上海蟹ツアーを約す。

 不安もあったが、参加してよかった。みんな気さくで初めて会ったような感じがしない。次の機会が楽しみになる。
by redhills | 2004-11-22 15:53 | 日記
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。

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