"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●国際政治考1 「中国」

 仕事柄ニュースに触れる機会は多いのだが、正直新聞、テレビなどの伝える情報には限界が多くて食い足りない感が強い。僕からすれば驚くべきでもないことを大げさに報じていたり、頓珍漢な解説を加えたりしている場合もある。

 日記とは少し趣旨がずれるかも知れないけれども、自分の感じたことでもあるということで、これから世の中の動きについて、少し独断と偏見に満ちた感想を綴っていこうと思う。
 僕が今一番興味を感じているのが東アジア情勢なのだが、その中でも中国(そして台湾)については考えることが多い。今回は初めということで中国情勢について書いてみよう。

 最近中国では民族暴動が多発している。最近の例を拾う。

 四川省の漢源県で10月27日から29日にかけて、中国共産党が権力を握ってから「史上最大」の暴動が発生した。現場は水力発電所を建設中であり、最初は地元の共産党幹部が強制収用した土地の補償に不満を抱いた数万の農民が政府ビル前に座り込みの抗議を行った。これに暴力的鎮圧で警官が対応したため、1人が死亡し、多数が負傷した。農民側は犠牲者を追悼し、翌日、翌々日と連続で「汚職役人打倒」と叫んでデモ行進を展開した。これに地元の学生数万人が加わり、政府ビル、学校、商店が閉鎖された。警官隊と衝突が繰り返され、数十名が死傷(大紀元、11月1日付け)、地方政府は近くの軍にも応援を頼んだ。病院は負傷者で溢れかえっているという。

 河南省中牟県南仁村では同じく10月月27日から漢族vsイスラム教徒の暴動が勃発。死者数十名(ワシントンポスト)、数千名がすでに避難を開始し、数千から一万規模の軍隊が投入された。北京の当局は一帯に「戒厳令」を布告する事態になっているという。もともと民族のモザイク地域で南仁村はイスラム教徒の村だったが、革命後、大量の漢族が入植。水や収穫、土地をめぐっての争いは絶えなかったというが、事件はささいな悶着から殴り合いになり、死者が7名、負傷42名に。続いて近くの村々からイスラム教徒、漢族がそれぞれ駆けつけ大乱闘、民族暴動に発展した。
 続報によれば、死者は28名とされ、けが人は無数。ただし漢族とウイグル族はそれぞれ異なった病院に入院している。香港の『明報』などによれば、正確な死者の数は誰も確認できていない。
 村へ通じる四カ所で警備は二重になっており、警備車両が合計百両。内外記者団を近づけないようにしているため、ジャーナリストで南仁村へ潜入できた者はいない。とくに米国人ジャーナリストの取材を禁止している模様だという。この暴動の影響は大きく、当局はイスラム教徒が多い、甘粛省、寧夏回族自治区、新彊ウイグル自治区への波及を警戒し、暫時、軍は駐屯の模様。

 騒乱は辺境や内陸部だけではない。今度は広東で住民3万人が騒ぎだした。
 広東の福建省との省堺にある掲陽という町にかかる榕華大橋の通行料をめぐって、以前より住民と政府当局の間で対立があり、11月10日、料金所を住民およそ千人が襲い事務所ビルに放火、車両十数両も焼かれ、一名が死亡するという事件がおきた。
 もともと料金の使われ方に疑惑があり、過去数年に亘って住民の抗議が続いていたところ、通過料金を撤廃する約束ができていたにもかかわらず約束の11月1日を過ぎても通行料が無料にされなかったのが原因。
 3万の市民が現場に殺到、消防車も通れないほどの混乱となった。警察は「凶悪な犯罪者が計画した暴乱」と発表し、24時間の警備体制を敷いた。辺境、奥地、貧困の農村地帯で起きている暴動ならともかく沿海部の都心でさえ、こうした暴動が頻発している。

 日本では中国の脅威論が盛んだ。かつての中華帝国が再興されるというような論調で、急速な発展を遂げている隣国の様子を経済面から取り上げ、やがて日本は呑み込まれてしまうのではといった論調が目立つ。また、それと呼応するように政治的な大国としての中国の顔がここ数年、あきらかに目立ってきている。これも中国脅威論の一つの論拠である。

 僕が思うに、確かに中国は驚異的な経済発展をしているが、それが日本にとって脅威となるかというと、ちょっと疑問である。
 それは何も、中国が日本に対して友好的であるからではない。むしろ、中国政府は日本というネタを格好の内政統治の具にしているのであり、その限りにおいて中国政府の反日的スタンスはいささかも変わりないであろう。僕がむしろ言いたいのは、彼らにとって経済発展と反日(抗日)という2つの旗こそが生命線であって、その旗を振り続けなければいつ権力の座を追われるかわからないという危機感こそが最近の中国(政府の動き)を読み解く鍵ではないのかということなのだ。実は中国という国の内情はそれほど危ういバランスの上に成り立っているのではないか、ということなのである。

 長くなったので中国についてはこれからも何回か触れてみようと思う。最初にあげたような各地の暴動はほとんど報道されないが、かなりの数に上っていると思われる。と同時に、そういったこととはまったく無縁にビジネスに邁進する中国人たちが何千万人、いや何億人も存在している懐の深さが、またこの国の姿なのだろう。
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by redhills | 2004-12-14 17:44
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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