"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●思い出の映画たち4 「スモーク」

 スモーク:SMOKE(1995)

 監督:ウェイン・ワン Wayne Wang
 製作:ピーター・ニューマン Peter Newman
     グレッグ・ジョンソン Greg Johnson
     ケンゾー・ホリコシ
     ヒサミ・クロイワ
 原作:ポール・オースター Paul Auster
 脚本:ポール・オースター Paul Auster
 撮影:アダム・ホレンダー Adam Holender
 音楽:レイチェル・ポートマン Rachel Portman

 出演:ハーヴェイ・カイテル Harvey Keitel
     ウィリアム・ハート William Hurt
     ストッカード・チャニング Stockard Channing
     ハロルド・ペリノー Harrold Perrineau
     フォレスト・ウィッテカー Forest Whitaker
     アシュレイ・ジャッド Ashley Judd


 今回はクリスマスに一番ピッタリな映画「スモーク」を!

 実はこれは僕が一番好きな洋画です。ベストはどれかじゃなく、一番好きな洋画は?と聞かれたら「スモーク」と言うと思います。

 映画って、本当にいろんな種類があるわけで、いい映画、見てよかったなと思う映画は百本じゃ収まらないと思います。そのどれもがそれぞれに素晴らしい映画で、そこからベストを選べといわれてもとてもじゃないけど1つなんて無理なわけです。10本でも困るでしょう。でもなぜか好きな映画は言えるんです。
 これってつまりその人の好みのツボがどこにあるかなんでしょう。例えば「スターウォーズ」が一番好きな人はSF冒険ものが好き、「羊たちの沈黙」が一番好きな人はサスペンスが好き、「リング」が好きな人はホラーが好き、「ノッティングヒルの恋人」が好きな人はラブストーリーが好き、「オースティンパワー」が好きな人はコメディーが好き、なんて具合。監督や役者の好みもあるでしょう。

 で、僕はというと大概のジャンルの映画は見ますが、やはり落ち着くところはヒューマンドラマ系になります。しかもけっこう淡々としていて段々じわ~っとくる系。そして「スモーク」はまさにそんな一本です。ですから、ストーリーに山あり谷ありのジェットコースターに乗っているような映画が大好きな人は退屈だと感じるでしょう。でもね、これがいいんです。味が深い。
 まったく見ず知らずの人でも、「スモーク」が好きだ、という人なら気持ちが通じるような気がしますね。

 原作は、ポール・オースターの「オーギー・レンのクリスマスストーリー」。ブルックリンにある煙草屋を舞台に店主であるオーギー・レンを中心に織り成す人間ドラマを丁寧に描いた秀作。
 もともとが煙草屋の日常を積み上げた話なので、骨太なストーリーというのは存在しない。もう、こういうところがすでに小津好みの僕にはまってくるんだけれども、その中に、登場人物のオーギーやそこの常連客たち、都市の下町で生きる者たちの切なさが淡々とした描写の中からググッと迫ってくる。知らないうちに見るものは彼らと一体化してしまう。

 ワン監督の演出ももちろんいいんだけど、やはりオースターのホン(台本)が素晴らしい。何気ないせりふがピッピッて刺さってくる。それが少しづつ効いてくるんだねぇ。遅効性の風邪薬みたい。・・・あ、そうか。なるほど、この映画は漢方薬か! そういえばワン監督は中国系アメリカ人だし。

 く~、シブいね~、「人生で大切なことなんて煙のようなもの」なんてさ。フッと一息で跡形もなく消えてしまうけど、それこそが宝物なんだよねぇ。なくなって初めてわかる。ふ~け~ばぁ~と~ぶよぉ~な~しょ~ぎのぉこま~に~、なんて歌があったけど、そんな、大都会の片隅で、誰に目をかけられるわけでもなく、でもそれなりに生きている市井の人たちの姿。それらをあえて劇的に、感傷的に描かずに淡々と綴っていくところがセンスであり、この映画のキモだねぇ。

 ワン監督、オースターと確か友達だったはず。だから、ホンに込められたメッセージを完璧に映像化した。これも素晴らしい才能です。
 そして、断然いいのが主演のハーヴェイ・カイテルとウィリアム・ハート。俺、こんなおっさんになりたいよ。ちょいと投げやりで、自由を愛していて、優しくて、人生の失敗を何とか取り返そうとしてそれなりにもがいている役どころを、実に的確に演じてる。渋くてかっこいいね。

 でもどこがクリスマスストーリーなの?

 そうですよね! いい質問です。それはそれは素敵なストーリーが出てきます。ストーリーのない映画に出てくるストーリーとは・・・ここには書きません。見てください。もう絶対ここで泣いちゃいますよ! トム・ウェイツのザラついた歌声と映像が完璧にフィットしてます。

 でもみなさん、忘れないように。一番大切なものは煙のようなものなのです。この意味は映画を見ればわかります。
 今年のクリスマスは週末ですね。恋人と一緒の人は恋人と。一人の人は一人で。「スモーク」を見て感動しましょう!
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by redhills | 2004-12-20 18:03 | 映画
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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