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"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●言論を放棄した報道機関とは(上)

 興味深く見守ってきた12日の朝日新聞の報道に端を発した一連の騒動ですが、まったく理解に苦しむ状況になってしまいました。気が重いです。

 18日以降の簡単な流れは以下の通りです。毎日何かやらかしてますね(苦笑)。

<18日>
朝日新聞が取材経過記事掲載
NHKが抗議文 「依然として根拠が示されていない」

<19日>
NHKが記者会見 当事者の松尾氏登場 「自分の答えと反対のコメントを報道している」と批判 安倍・中川両氏も再反論「具体的証拠がない」

<20日>
小競り合い勃発 NHK7時のニュースで「朝日新聞虚偽報道問題」との見出しを出し、朝日新聞が抗議 10時のニュースでは「朝日新聞報道問題」となる

<21日>
NHKが18項目の公開質問状 具体的根拠の提示を求める 新たに「朝日記者が取材内容のすり合わせを持ちかけてきた」との爆弾報道 7、9、10時のニュースで報道
朝日が記者会見 通告書 取材した記者登場せず 名誉を傷つけられたとして訴訟検討 報道内容については信頼する記者の正確な取材であり、複数の証言による総合的判断をしている 提訴を前提にしているため「すりあわせ」についてはコメントせず


 さて、何度も言っています様に、この問題に白黒つけるのはとても簡単なはずです。朝日新聞が具体的な根拠を提示すること。この一点に尽きるわけです。憶測やでっち上げで書いた記事ではないことが具体的、客観的にわかれば、それで済む話なのです。記事を書いた前提になる部分なのですから、調べる手間などほとんどかからないはずです。
 加えて、この騒動、始めに仕掛けた(記事を書いた)のは朝日新聞なのですから、書かれた(取材された)側が事実と違うと言っている以上、朝日側に挙証責任があるはずです。なのに1週間以上にわたって口をつぐむどころか、「取材したときと反対のことを言っている」とNHKの松尾氏を批判する朝日の姿勢は、不可解かつ不誠実です。
 朝日側が一向に根拠を示さないために、NHKや安倍、中川両氏は更なる反論をしようにもできず、不安定な立場に置かれています。このままでは「言った」「言わない」の水掛け論でしかなく、到底報道機関が関わった論争とは思えない子供のケンカです。繰り返しますが、その原因は朝日新聞の対応にあるのです。

 ところがです。こともあろうに朝日新聞は提訴も検討していると言い出しました

 ちょっと待って下さい。確かに当事者の言い分が食い違っている場合、最終的には裁判で決着を着ける必要は出てくるかもしれません。ですが、今回のケース、裁判に持ち込むのはもっと後、両者がもっと論を尽くしてからにするべきです。

 それはなぜか。それは、朝日新聞やNHKが報道機関であるからです。

 報道機関は一般の会社や個人とはまったく違って、国民の「知る権利」に資することができるよう、権力に対抗する特権である「報道の自由」を与えられています。そして何より、それを伝えるため、自ら社会に対して声を発する強力な手段(放送番組や新聞記事)を持っているのです。彼らには、一般人のように不正に泣き寝入りしないですむ、立派な「口」を持っているのです。だからこそ、自らの報道内容に関して公明正大に語る義務があるのであり、安易に裁判へと逃げてはならないのです。日頃から「反権力」を看板にしているマスコミが、自らの正義を証明するのに、国家権力(司法)にその判断を委ねるのでは、ジャーナリズムの名が泣きますよ。お願いですから、その「口」でしゃべってください

 だって、日頃から「情報公開」だの「説明責任」だのと言って、さんざん批判をしてきたんですよ。雪印の時もそうです。三菱自動車の時も、西武グループの時もそうです。それを、自らが説明責任を果たすべき時に、訴訟をするからと情報公開を拒否するとは。・・・報道機関が最もやってはいけないことを、朝日新聞はしようとしていると私は思います。 自己批判の出来ない報道機関に他人をどうこう言えるわけが無いじゃありませんか。説明責任、果たして下さい。(続く)
by redhills | 2005-01-24 13:09 | ニュース
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。

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