"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●パッチギ! その2-井筒監督トークショー(ネタバレ注意!)

 2時間の上映が終わると共に会場からは拍手が起こる。当て推量だけど、2~3割くらいが在日の人なんじゃないだろうか。感動のオーラが会場を包んでいい感じ。

 すぐにスクリーンの前に椅子が用意される。期待と緊張が高まる。やがて井筒監督の名が呼ばれる。拍手の中、僕らと同じ後ろの入り口からトットットッとステップを降りて登場。見た感じは、ま、テレビなんかのまんまだ。

 始めに監督からちょっとしたお話。この作品を作るきっかけが前作『ゲロッパ!』の台本で悩んでいるときにプロデューサーから紹介された本(「少年Mのイムジン河」松山猛著)だったことなど。しゃべっている様子はテレビと違って、ちょぼちょぼと語る。「それでですね、僕はですね・・・」テレビだと怒鳴り口調で、なんかケンカ売ってるみたいだけど、今回は若い人が多いということもあるのだろう、わかりやすく語りかけるような感じ。

 質疑応答に入る。最前列の在日少女軍団がすごいアピール! で、当然のごとくその中の一人が指名される。と、マイクが向けられる前に「撮っていて一番苦労したのはどのシーンですか!」と大声で聞く。元気があってよろしい。監督が「それはですね・・・」と答え始めたところで司会役の劇場の方が「なんていうダイレクトトークだ! 今の質問は『一番苦労したのはどのシーンですか』という質問でした」と、あわてて割って入る。それくらいにスムースな、熱い雰囲気があったわけです。
 肝心の監督の答えは、最後のクライマックスである、鴨川での大乱闘シーンだったとのこと。朝鮮側30人、日本側70人(こちらには大阪からの援軍が来ている状況)、計100人の高校生が両岸から川に飛び込み、中州で激突するというシーン。監督だけでは演出の手が足りるわけが無く、8人の助監督と手分けをしてチーム単位で演技をつけていったが、なかなか決まらず、テストだけで2日を要したとのこと。複数のカメラを同時に回しいっぺんに撮るので1人の失敗でも撮り直しとなってしまうため、簡単に本番とはいかないのだ。夜のシーンだが合計1000キロワットという強力なライトを使って昼間のように明るくした上でカメラの露出を絞って暗く撮影した。ただでさえ観光客の多いところなのに、夜中にこうこうと明るくしているので大変な人だかりだったそうだ。渋る京都府警を説得して、3日目にやっとオーケーが出たそうな。

 他には、やはり在日朝鮮人の問題についての質問が出た。(以下ネタバレします!)主人公の康介は川向こうでフルートの練習をしているキョンジャを見つけ、いてもたってもいられずに川に飛び込んで向こう岸まで渡っていく。「つきおうてくれへんか?」と告白する康介に、キョンジャは問う。「もしも結婚することになったら、朝鮮人になれる?
 康介は答えない。正確にはどう答えようかというところで場面が変わってしまう。質問した人は雑誌の編集者で、「これはその答えを観客の想像に任せたということでしょうか」と言っていたが、監督は答えなかった。しかし、それは監督が答えるのを拒否したのではない。すでに監督は明確に答えている。それはイエスでもノーでもない。康介には答えられないのだ。つまり、映像そのままが答えなのだ

 ではなぜ康介は答えられないのか。

 ここは映画全体ともつながるとても重要なシーンなのでもう少し掘り下げてみようと思う。 (続く)
[PR]
by redhills | 2005-02-27 01:44 | 映画
<< ●パッチギ! その3-井筒監督... ●パッチギ! その1 >>



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30
フォロー中のブログ
カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧