●ある朝の日の光景
地下鉄サリン事件から10年
うっかりしていたが、地下鉄サリン事件から今日で10年になるという。今日は仕事に行くときに千代田線で(小泉総理が献花したという)霞ヶ関駅を通ったのだがその時は気づいていなかった。 実は10年前のあの日、僕はあと少し早く出勤していたらサリンを吸っていたかも知れなかった。 当時は東京から国会議事堂前まで丸の内線を使っていたのだが、東京駅から乗るときはいつもと違いは感じなかった。だがしかし。銀座駅を出て霞ヶ関へ向かう車内に放送が流れた。本日は霞ヶ関駅は通過いたします、とだけ放送は告げていた。「何だろうな」と思ったものの別に霞ヶ関で降りるのでもないので軽く聞き流したのだが、霞ヶ関駅を通過したとき、その異様な光景に驚いた。ホームは薄暗く、人っ子一人いない。不気味に静まり返り、まるで廃墟だった。朝の8時半といえばラッシュアワーである。通勤客で一杯の車両と、ゴーストタウンのような駅との対比は余りにも強烈だった。その廃墟の脇を僕を乗せた電車はスピードを落とし、音も無く進んでいく。まるでディズニーランドの気味悪いアトラクションを見せられているような気分になった。僕は、何かが起こったのだ、とは思ったものの、それは何かを考えるよりも、今見たものの異様さに打たれていた。 国会議事堂前駅につくと、構内はハチの巣をつついたような騒ぎとなっていた。警察や消防が駅構内におり、駅員が拡声器を手に必死になって乗降客を誘導している。追い立てられるように地上に出ると、救急車が何台も止まっており、担架に乗せられた人たちや、道にうずくまり救急隊員に手当てをされている人たちが目に入った。 ??? ますます分からなくなった僕が急いでオフィスにいくと、同僚たちがテレビに釘付けになっている。見ると、今しがた自分が通ってきた地下鉄の出口の様子が映っている。「どうしたの?何かあったの?」と聞くと「毒ガスらしい」。?毒ガス? まだ事の重大さは飲み込めなかったが、背筋が寒くなったのは覚えている。後10分早く家を出ていたら・・・そう思った。 その後は皆さんご存知の通り。東京を舞台としたカルト宗教団体による同時多発化学テロという前代未聞の大事件であることが判明したわけだが、オウムがなんだ麻原がなんだというのはこの際置いておいて僕にとっては、あの朝見た光景が何より10年前の3月20日のすべてであるような気がしている。 あの日のことが思い出される人は・・・「ブログランキングをプチッとな!!」
by redhills
| 2005-03-20 20:44
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