"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●「デビルマン」体験記(1)-驚愕の誕生シーン-

 いよいよ本編が始まった。

 小さな子が二人で絵本を読んでいる。おそらく不動と飛鳥の幼年時であろう。二人は幼馴染だということを伝えるためのシーンらしい。ところが、ここですでに妙なお面が登場。あれ? おい、それって高校生になった時に飛鳥の親父さんが発掘して持ち帰ってきたんじゃねーの? 不吉なスタート。

 高校生の不動と飛鳥が登場。グラウンドを走っている。同じ高校らしい。それにしても二人の余りのモヤシっ子ぶりに目を見張る。ガリガリ君だ。マラソン選手ならわかるが、走りっぷりがヘタレでまったくそう見えない。不動などちょー不自然な動きでコケてトラックにうずくまる。おまえら、ほんとにこの映画のために1年間体鍛えたんか?うそだろ?早くも怒りにも似た感情が。

 ヒロイン美樹登場。不動とラブラブらしい。不動のださいニヤケっぷりが癪に障る。飛鳥は無口でクールらしく、やたらにガン飛ばしている。

 牧村家のシーン。不動の声で下手なナレーションが入り、自分の境遇を全て説明してくれる。はなから映像で説明するとか言う事は考えていないようだ。ここでクソシーン一発。美樹が朝からケーキを作っている。不動がそれをいぶかると、牧村父が君のために作っているんだという。すると美樹がせっかくサプライズパーティーやろうと思ってたのにパパなんで言っちゃうのー、とか言ってる。お前馬鹿か? 家の台所でなぜかコックのコスプレ(あの細長い帽子までかぶって!)までしてケーキ作ってたら誰だって何だと思うだろ? バレバレじゃんか! これからこんなおままごとを見せられるのかと思うとうんざりする。

 おままごとが終わると安っぽい学園ドラマに突入。不動と飛鳥、美樹がそれぞれ学園内のいじめっ子らとなんかぐちゃぐちゃやる。馬鹿らしいので省略。

 不動を車で連れ出す飛鳥。ここは原作どおり。と、なんかヘンなヘルメットを被る不動。どうもこれが、あの仮面の代わりらしい。ダサすぎ。神秘性やマガマガしさがちっとも出ない。飛鳥の父が映像で出てきて語りだすのだが、そのストーリーがまた噴飯モノ。北極だか南極だかでデーモンを発見しちゃって研究所の人たちが全員乗っ取られてしまいましたとさ。おいおい、「遊星からの物体X」のパクリかよ! それにそんな大事件、世界中で大騒ぎだろーが! だってさ、その研究所ってスタッフが「何千人」もいたんだぜ。それが全部デーモンになっちゃったって、一人くらいSOS出さなかったのかよ! それにデーモンの存在がバレバレジャン! 原作のデーモンたちはもっと賢いぞ。ひっそりと人間社会に入っていってまずその特徴を掴もうとするのだ。随分間抜けなデーモンだな、ええ、飛鳥さんよ!

 そうこうするうちに飛鳥の家に到着。何と奥の部屋一杯に巨大化したヘドロみたいな怪物がいる。飛鳥があくまでクールに「デーモンに合体された父だ」と紹介する。不動、意味不明の叫びを上げる。どうも驚いたらしい。不思議な演技だ。ハイッ、ここで飛鳥君に質問。このおっきなお父さん、どうしてお家まで帰ってきたの? しかも誰にも見つからずに。とーっても気になるんだけどね。

 でもそんな私の質問などに答えてくれるはずもない飛鳥君、ここでさらに驚くべき告白!俺もデーモンに合体されたんだ!

 え!? 飛鳥合体されたの? それじゃ原作の設定がぜーんぶブチ壊しじゃん! 混乱する私。と、間髪を置かずにここでデーモン合体シーンが! おっきなお父さんから黄金に輝く精子が飛び出してきて不動のお腹にぶっささる! これがデーモン? なんじゃ? なんか「エイリアン」のパクリぽいが。ぜんっぜん面白くない。怖くもなんとも無い。なんともあっさりと合体しちゃう。おまけにとたんに不動がデビルマンに変身。あらら簡単だこと!! ってこんなんでいーわけないだろ!

 おい! いいかげんにしろ! サバトはどうした? あの、緊迫したデーモンとの合体にいたるプロセスと二人の葛藤や恐怖や苦悩はどうした? そして、デーモンとの最初のサバイバルはどうした? こんな簡単にデビルマンになっていいのか? 不動がデビルマンになる必然性も決意もな~んもないじゃんか! 何か知らん間にデビルマンになってましたって・・・おい那須とそのカミサン(監督&脚本)! お前ら原作なめとんのか? これが「実録風」だと? 念願の映画化だと? 原作の持つテーマを万分の1も理解してねーじゃんか!

 デビルマンになった不動、何と飛鳥のおとうさまを速攻でぶっ殺してしまう。おいおい、いいのかよ? 飛鳥が見てる前で?
 と、驚くのはまだ早い。いつの間にかサタンに変身している飛鳥。ありゃ、いきなり正体晒して・・・。あぁ、もうめちゃくちゃだ・・・。怒りを通り越して絶望感が襲う中、那須&カミサンはなおも私を責めたてる! 映画史上に残るとんでもない会話が不動と飛鳥の間で交わされるのだ!

 不動「(変身した飛鳥を見て)お前、きれいだな」 「あはー、おれデーモンになっちゃったよ」
 飛鳥「違うよ、デビルマンだよ」 「ハッピーバースデー、デビルマン」

 おれ、デーモンになっちゃったよ?? ハッピーバースデー、デビルマン??

 すみません。理解できない俺の方がおかしいんでしょうか。忘年会で変装したんじゃないんだけど。人間でなくなったことの悲しみや怒りや嘆きがカケラもないんですけど。こんな人間いないだろ? どういう人物造形してんの? 演技もそうだがホンも学芸会レベルだぜ!

 今考えても本当に恐ろしい。これが、これが、映画「デビルマン」の、デビルマン誕生シーンだった。ちなみに映画が始まって15分くらい。今思えばもうこの時点で、すでに私は那須&カミサンの精神攻撃の前に崩壊してしまっていたのかも知れなかった。
(続く)
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by redhills | 2005-05-20 17:25 | 映画
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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