●「デビルマン」体験記(2)-シレーヌ・ジンメン登場-
―――やはりどれだけ笑えるかという気持ちで臨むべきなのか。デビルマン誕生シーンの衝撃の中、ぼんやりと考えていた。
怒りや絶望に打ちのめされている私の心のどこかで、抑えがたいもう一人の自分が息つく間もなく展開されるトンデモセリフ&演出&演技に嬉々としてツッコミを入れていることは隠せないことであった。怒りと笑いが同時に存在しせめぎあっていた。まるで私の中の天使と悪魔が左右の耳元で同時に囁いているかのようであり、私は今にも2つに張り裂けてしまいそうであった。今にして思えば、これこそが映画「デビルマン」の意図するところだったのではないかとすら思える。見るものを、悲しみと喜び、怒りと笑いとでアンビバレントな心理状態へと追い込む。そしてそれこそが神と悪魔というデビルマンのテーマを観る者に体験させるためにうってつけだと、ひょっとすると那須監督&カミサンは考えたのか・・・。いやいや、そんなことはあるまい。まさかそんな。あり得ない。 しかし、しかしだ。スクリーンを見ながら必死に私は考えた。このままでは私は映画公開日に出た犠牲者たちと同じ運命をたどってしまう。私はこの映画について多くのことを知った上であえて危険を承知の上で観に来たのではなかったか。であるならば、やはり私はこの映画から怒りや笑いをきっちりといただくべきじゃないのか。 もちろん、こういったことは少しずつ頭の中でまとまっていったことであり、スパッと切り替えられたわけではない。しかし大体こんな感じで、崩れかかった私は持ち直した。 映画へと戻ろう。再び牧村家のおままごと&学園ドラマ(略)。そして、いよいよ来ました、シレーヌ登場です! 富永愛、どんなシレーヌを見せてくれるのかな? と思ったら、何かショボイ!! レオタードに羽毛で胸とか隠して背中に羽根つけた、みたいな。おまけにカツラの下から黒い髪が出ちゃってます。またまた学芸会!? 演技はもう期待してません。なんせ撮影日数たったの2日ですから! やがて両者CGとなりバトル。このCG、なかなかなのだが(特にデビルマンは)、声が同じなんでやっぱりダメダメ。セリフ棒読みで、うおおおっ、とか叫んでもCGと全くミスマッチ。プロの声優使えよ!! って言ってもそんなことわかってりゃこんな映画作らんわな、そもそも。 不動と飛鳥が店で話している。ここでまた原作ファンの神経を逆なでする会話が。飛鳥によると、デーモンは弱い存在なので相手と合体するのだそうだ。おいおい、違うだろ。デーモンは究極の弱肉強食の世界に生きる凶暴そのものの生命体で、その結果、相手の能力を奪い取るために合体する超能力を身につけたんだろ! 正反対じゃんか! そして不動もこんなたわごとを。おれ、美樹を守るためにデビルマンになったんだ。エエエエェェェェ!! ウソだろ!! お前、デビルマンになる気なんてぜんぜんなかったじゃん! いきなり金色の精子に食いつかれてとたんにデビルマンになったじゃん! しかも自分がデビルマンだってわかってなかったじゃん!!(「おれ、デーモンになっちゃったよ」参照)。それに美樹はまだ襲われてすらいないし。この大ウソツキめ、地獄に落ちろーーっ!! ショッピングモール。街灯が突然テレビになる。あれ、ニュース読んでるのボブ・サップだ。CNN風番組で英語でニュース読んでる。字幕も無いのにフンフンと聞き入っている買い物客たち。そこへおかしなおっさん登場。よく見るとパンクラスの船木だ。「食いてぇ、食いてぇ」とかうわ言のように言うと、ホンとに食っちゃう。ただし食ったのは生きたカメ。こりゃ驚くわな、みんな。おいしいですか、船木さん。 もちろん、予想はつくわけです。デーモンの合体の話からカメを食っちゃうおっさん。そう、ジンメン登場ですね。シレーヌの次はジンメン。わかりやすいです。不動、仲良しになった友達の叫び声を聞いて海に飛び込んで探す。しかし見つからない。森の中でジンメンと対決します。あっさりやられるジンメンですが、往生際の悪いことにまたまた我々を傷つける一言が!「おまえ、デーモンのくせにデーモンを殺しやがって、デーモン同士は殺しあわねぇはずじゃねぇかぁぁ」・・・あのね、デーモンは殺しあって進化してきたの! 暴力と殺戮の権化なの! だから人類の記憶の中に「悪魔」としてインプットされたの!! 平和主義のデーモンなんて、ク○ープを入れないコーヒーみたいだ(古い)!! 再び学園ドラマ。こんどはミーコの登場だ(詳細は略)。続いてススム君も登場。ミーコ&ススムでエピソードを作るらしい。これはこれでいいと思うが実はこれが予想外の大問題を引き起こす。ミーコ&ススムの演技が上手いのだ(正確にはマトモなのだ)。だから逆に浮いてしまってすんごく妙。ちょいと君たち、こんなところで何やってんの?って感じになっちゃうのだ。 再びボブ・サップニュース。相変わらず英語でまくし立てるボブ。どうもこの映画では彼が語り部の役目のようだ。っていうか、ボブのしゃべりだけでドンドン話が進んでいく。アメリカにデーモンが襲来したらしい。と、不動と飛鳥の住む町でもデーモンが暴れだす。とっとと片付けるデビルマン。再びボブニュース。日本ではデーモン狩りが始まったらしい。ふふ、そーなんだ。何か唐突だなぁ。デーモンなんて名乗ってもいないのにね。とにかく、デーモン特捜隊のお話に行くらしい。こりゃ原作読んでない人は余りの話の無茶苦茶さに完全に置いてけぼりをくらうだろうな。ま、いいけどね。もうそんなことどうでもいいや、はは。 (続く)
by redhills
| 2005-05-23 13:14
| 映画
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