●ハッピーエンド-3
この時点でのチャンピオンは間違いなく韓国だった。しかし、実はこのとき、韓国チームに異変が起きていたのだ。日本戦が接戦となったために、韓国は大切な左腕投手であるクを長く投げさせすぎた。日本キラーとして実績十分の彼のロングリリーフがあったからこそ、日本打線を9回の1点に抑えることが出来たのだったが、その代償として連投のムリが出てしまい、準決勝での登板ができなくなってしまったのだった。そして、投球数制限という大会規定から、パクも準決勝では投げられなかった。
韓国は6戦全勝で二次リーグをトップで通過した。日本に連勝し、アメリカにも勝つという快挙も成し遂げた。ベスト4という目標も達成した。兵役免除のご褒美ももらえた。だがしかし、準決勝でクローザー(パク)とセットアッパー(ク)を欠く事態となってしまったのだ。 もし、二次リーグの日本戦でローテーションを守って別の投手を先発させ、クの負担を軽くし、パクを抑えに使っていたら、例え日本に負けても二次リーグは突破できたであろうし、準決勝で二人の活躍も見れ、試合はもっと接戦となったことだろう。負け試合なら、二人を使わずに休ませることだってできたかも知れない。だが、それは不可能となってしまった。 繰り返すが、韓国がそういった、ある意味無茶な投手起用をしたのは二次リーグの最終戦が日本戦だったからだが、その遠因はというと、東京での日韓戦になると思うのだ。 東京ラウンド第3戦。WBC2試合を終えた時点で両国はともに2勝しており、二次リーグへの進出を決めていた。つまり、勝敗を考えずに思い切り戦える状況にあった。緒戦の台湾戦に勝利し意気上がる韓国はチャレンジャーとしてぶつかってきた。片や日本は本番はアメリカに行ってから、という感じでまだ6、7割といった感じだった。そこでイ・スンヨプの逆転2ランで、韓国が「これしかない」という形での勝利を収める。「日本に勝った」という事実が韓国の大きな自信になるとともに、「負けられない」という思いに繫がったのではないか。「このチームは強い。日本にだって負けない。次も勝つ」という思い、欲というようなものが出てきた。それがパクとクを消し、福留の2ランに繫がったのではないか。そう思うのだ。 運命のいたずら、とはよく言う言葉だが、確かにそういうものはあるように思う。しかし、実力という点で、勝者はやはり日本だった。運も味方に付けた、という意味でも。 誰かがミスをしても他の誰かがカバーする。ミスした者が次に活躍して取り返す。そういう、チームとしてのまとまりや、ひたむきさといった点でも日本は王者に相応しかった。ハッピーエンドだった。
by redhills
| 2006-03-22 10:37
| 野球
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