"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●16強でそろう(W杯15日目)

 大会15日目。今日でグループリーグも終わり、決勝トーナメントに進出する16カ国が出揃った。グループGでは、スイスが勝ち点4で並ぶ韓国を下して1位となり、ようやく実力の片鱗を見せてトーゴを破ったフランスが韓国をかわし2位に入った。グループHでは、ウクライナが初出場でのベスト16入りを決めた。この結果、スイスはウクライナと、スペインはフランスとの対戦となった。韓国が敗退したことで、アジア勢の4カ国はすべてグループリーグで姿を消すこととなった

スペイン 1-0 サウジアラビア

 すでにグループリーグ突破を決めて余裕綽々なスペインのアラゴネス監督。なんと、先発の11人全員を入れ替えてきた。そらいくらなんでも、アホな。それにシステムも4-3-3と変えてきた。オフェンスの真ん中にラウル、左ウイングにレジェス、右にホアキン、中盤の底にアルベルダ、左にイニエスタ、右セスク、サイドバックが攻め上がって、ウイングとペアで突破する、きれいな左右対称の陣形。あれ、これってどっかで見たような…。確か青とえんじの縦じまのクラブがやってたシステムだねえ。いいんですけどね。それにしても、キーパーのカニサレスはかっこいい。

 こちらとしては、やっとイニエスタを見れるってんで、勝敗の心配もせずに楽しく見てたんですけど、前半にセットプレーから1点入れたあとがどうもいけない。後半になると、明らかに集中力が落ちて、試合はサウジのペースに。慌ててビジャとトーレス入れて、セスクから代わったシャビをボランチに下げたけど、そんなことじゃあ勢いは止まらない。最終ラインがボロボロで何度もあわや、という場面を作られちゃう。ユルユルのディフェンスに、アラゴネス爺さんも苦りきったお顔でした。ま、トーナメントに向けていい薬になったでしょ。フランスとのピレネー決戦ではいいところ見せてちょうだいよ。

ウクライナ 1-0 チュニジア

 本物のストライカーがいるってことは、本当にいいことだ。勝たねば敗退となるチュニジアが攻めてくるのを十分に予想して守りを固めたウクライナの、攻撃の最終地点はもちろん、シェフチェンコ様。当然他の選手も攻めるけれど、やっぱり最後は彼にボールが集まる。わかってるんだけど、見え見えなんだけど、それでもサイドを使ったり、サイドチェンジしたり工夫して、彼を信じて彼にボールを託し続けるウクライナ。前半ロスタイムにチュニジアの攻撃の中心であるジャジリが退場になってからは、敵陣にスペースも広がり、ますます彼の危険度が増してゆく。そしてついにPKを勝ち取り、自ら落ち着いて決めたのでした。サポーターの歓声に応えつつ、ユニフォームをたくし上げてキスをしたシェフチェンコが主役だったゲーム。ウクライナ、グループリーグ突破、おめでとう!

フランス 2-0 トーゴ

 ジダンの引退とグループリーグ敗退という土壇場で、フランスサッカーにダイナミズムが復活した。3試合目にして始めて2トップを採用、アンリのパートナーにトレゼゲが入った。彼らとトップ下のリベリーとマルーダの4人が激しくポジションチェンジを繰り返し、ボールと人が生き生きと動き回る。統率性にやや難のあるトーゴの最終ラインは前半から何度も混乱に陥り、フランスのシュートが何度となくトーゴゴールを襲った。しかし、重圧のためかフリーのシュートをリベリーらが外してしまう。圧倒的に押しながら、前半はスコアレスに終わる。

 フランス大会の決勝戦以来W杯での勝利から遠ざかっているフランスの嫌な空気を救ったのが、今日がバースデイだったヴィエラだった。後半に入ると積極的に攻撃に参加、55分、ボールを持つリベリーを追い越す猛烈なオーバーラップからパスを受け、右反転しながらの弾丸シュートでゴールすると、その6分後には、サニョルからのクロスボールに飛び込んでゴール前のアンリにヘッドでアシスト。アンリが落ち着いて決めた。スイス-韓国戦が引き分けに終わっても突破可能である2点のリードを確保すると、守りを固めて危なげなく勝利を収めた。華麗な攻撃が蘇ったのは嬉しい限りだが、問題は、ジダンが、このスピーディーで目まぐるしいオフェンスについていけるか、ではなかろうか。好調スペインとのゲームで、ドメネクの出す答えに注目だ。

スイス 2-0 韓国

 グループ突破を賭けた、まさにサバイバルの一戦。予想通り、10枚のカードが乱れ飛ぶ激しい試合となった。

 両ウイングと両ボランチが警告を受けているスイスにとって、韓国のパク・チソン、イ・チョンスの突破は脅威だったが、クーン監督は長身で強力なフリーキックを持つマニャンに代え、今大会初出場である守備の職人、シュパイヒャーを左サイドバックに起用するという秘策で、パクを抑えに来た。これが見事に当り、前半はほぼマンマークでパクを抑えこむ事に成功する。攻撃にリズムを失った韓国は徐々に守勢にまわるようになり、攻め込んだスイスは23分、フリーキックにセンデロスが頭で合わせ、先制した。マークしていたチェ・ジンチョルの187センチの頭上から190センチが舞い降りた。まるで猛禽類が獲物を捕らえるかのような、豪快な一発。この時の接触で額から血を流しながら、表情一つ変えずにいる21歳の巨漢センターバックが、なぜ名門アーセナルのゴールの番人を任されているのかを示した瞬間だった。

 このまま1-0で前半は終了するが、韓国に焦りはなかったと思われる。今大会、韓国は2試合とも先制されてから追いついている。後半に向けての戦術オプションはいくつも残されていた。想像通り、後半に入るとパク・チソンとイ・チョンスがポジションチェンジを開始、徐々に突破が見られるようになってくる。そして51分、予想外の事態が発生する。高さと強さでチョ・ジェジンのポストプレーをほぼ完璧に抑え込んでいたセンデロスの突然の負傷退場。ジュルーが入るものの、一気にゲームは流動化し始める。形勢は明らかに韓国優勢となり、ポストに入ったボールからの崩し、二次攻撃が始まる。

 そこへフランス先制の知らせ。フランスがあと1点入れたら引き分けでも敗退が決まる。韓国のアクセルが一段と踏み込まれていく。続いてフランス追加点の情報。同点でもダメ。いよいよ勝つしかなくなった韓国は、ここが攻め時と決断、ディフェンダーを削ってアン・ジョンファン、ソル・ギヒョンを投入、パワープレイを仕掛ける。左右からの突破、鋭いクロスへの飛び込み。スイスは自陣に押し込まれ、こぼれ球も拾えなくなり防戦一方に。66分、チョ・ジェジンのヘッドがスイスゴールを襲うが、キーパーが間一髪セーブ。スイスは攻めの起点であるハカン・ヤキンを下げ、全力で防戦に入る。スタジアムに響き渡るテーハミングの叫び。トーゴ、フランスに続き、スイスも失点をしてしまうのか。韓国の怒涛の攻めが続く。

 だが、76分、運命を分けるプレーが出る。カウンターを仕掛けたスイスの横パスを韓国選手がカットしたボールが、前線に張るフレイの足元へ転がった。そのとき、確かに線審の旗は上がった。一瞬、動きを止める韓国のディフェンダー、しかし、目の前で見ていた主審は笛を吹いてはいなかった。フレイはキーパーをかわして韓国ゴールへボールを流し込んだ。2-0。残り14分で3点入れなければ、敗退が決まる。あきらめずに攻め続ける韓国だったが、ついにゴールを割ることは出来なかった。アジア最後の砦、韓国が落城した。

 敗退はしたものの、韓国の展開したサッカーには希望が感じられた。韓国の強さは、単純だが力強いプレーを何度でも繰り返すことができること、逆境におかれてもそれを跳ね返す精神力を持っていること、攻め時に一気に攻めるパワーがあること、などにある。若い選手も多く、4年後に向けて得るものは多かったと思われる。スイスは念願のグループリーグ突破を果たしたが、ウクライナ戦にセンデロスを欠くようなことになれば、シェフチェンコ対策に悩むことになりそうだ。
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by redhills | 2006-06-24 18:38 | サッカー
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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