"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●たったひとつの誤算(W杯23日目)

ポルトガル 0-1 フランス

 ルイス・フェリペ・スコラーニにとって、痛恨の判定だったろう。そしてそれは、彼の運が尽きた瞬間だったのかも知れない。

 前半32分。マルーダからトップのアンリにボールが入る。ワンタッチしてアンリがペナルティーエリアへと入る。リカルド・カルバーリョとのマッチアップ。アーセナル対チェルシーが再現される。素早く身を寄せたカルバーリョは転がるボールを右足で蹴りだそうとした。だが、アンリの右足がボールに触れる方が一瞬早かった。絶妙の切返し。カルバーリョは空振りしてしりもちをつきそうになり、空中でバランスをとるために本能的に左足を少し上げた。これは仕方の無いことだった。だが不幸にもそこにはアンリの右足があったのだった。倒れるアンリ。主審は迷わずペナルティー・スポットを指差した。6年前のヨーロッパ選手権のときと同じくジダンが落ち着いて決める。この1点が劇的に試合の流れを変えてしまった

 それまで、試合はどちらかというとポルトガルが押していた。両チームはフォーメーションも4-5-1で同じなら、センターでボールを散らす選手(ジダン、デコ)の両脇をスピードのあるドリブラー(リベリー、マルーダそしてフィーゴ、ロナウド)が駆け上がり、ここぞ、というポイントでボランチ(ビエラ、マニシェ)が攻撃参加する、というパターンも同じという、よく似たチームなのだが、ここまでの全体的なパフォーマンスはポルトガルの方が良かった。

 ジダンにはコスティージャ、デコにはマケレレがそれぞれまとわり付いて自由なプレーをさせないようにケアしていたが、ドリブラーに対する対処においてフランスはやや後手に回り、しばしばロナウドに危険な地域へと侵入されていた。フィーゴもベストコンディションではなかったけれども、それなりに老練な仕掛けでアビダルを苦しめていた。先制されるまではフェリペの思い描いたとおりのゲームだったろう(もちろん、ドメネクにとってもそれ程悪い状態ということでもなかったわけだが)。

 しかし、フランスに1点が入ったことで状況はまったく変わってしまった。連戦の疲れからか、ジダンを始めとする前線の4人の動きはブラジル戦のような鋭さは無かったが、後ろの6人は相変わらず素晴らしく機能していた。危険だったロナウドの突破についても、サニョルが攻め上がらなくなったのでテュラムあるいはビエラと2人で対応できるようになり、徐々にポルトガルは攻め手を失っていった。パウレタが全くポストプレーができなかった(つまりテュラムやギャラスに完全に封じられた)ため、ポルトガルは完全に手詰まりになり、最後の5分間のパワープレイまで、フランスの6人を崩せなかった。ただでさえ堅牢なフランスのディフェンスにしっかりと引いて守られては勝機は無かった。それ程に、あの判定は重く、大きなものだった。フェリペの連勝もついに12で止まった。

 決勝戦。さて、イタリアとフランス、一体どちらが相手の守備を崩して点を取るのだろうか。一ついえることは、今日のフランスの前線の出来ではイタリアを崩すことは難しい、ということ。一段上のパフォーマンスが求められよう。ブラジル戦の動きができれば、フランスに2度目の栄冠がもたらされ、ジダンは負けることなく引退するということになるだろう。
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by redhills | 2006-07-06 07:10 | サッカー
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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