"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

●期待してもいいのかな?

昨年の国内の映画興行収入で、21年ぶりに邦画が洋画を上回ったらしい(記事はこちら)。

21年振りといったら大ニュースだと思うが、これはそれほど驚くような結果ではない。それどころか充分予想できたことだ。

赤坂日記でも2年前に書いた様に数年前から日本映画に復活の兆しはあった。その要因としてはまずシネコンが挙げられるだろう。

1ヶ所に大小複数のスクリーンを持つシスコンの登場により、状況によって上映する映画を入れ替えたり、上映時間をずらしたりなどといった、きめ細かな興業を展開することが可能になった。例えば、公開当初は一番大きなスクリーンを使い、時間の経過と共に徐々に小さいスクリーンへ動かしていくといったことができるようになり、興業が効率的になった。

また、観に来る客も、いつ行っても待たされること無く映画が見れる(人気の作品は同時に2つのスクリーンで上映時間をずらすなどにより)ということで、映画館に客足が戻ってきた。

それと、映画を作る際のコストが下がり、映画製作のハードルが低くなったのも要因だろう。これは大作映画についてではなく、特に若手監督が自主製作する場合などにおいて効果が大きいのだが、例えばデジタル技術の進展により、以前はありえなかったデジタルビデオでの撮影、編集、上映が可能となった。人件費が余り必要でない自主制作にとって最大のコスト要因は、高いフィルムの購入費と現像費、そして撮影機材や編集機材、スタジオのレンタル費であった。

それがデジタル化の結果、フィルムは不要となり、いくらでも撮り直しができるようになり(フィルムは失敗したらすべて無駄になる)、映像チェックもその場ですぐ出来るようになり、編集もスタジオを使わずに自宅のパソコンで手軽にできる様になった。もちろん、品質で同等とは行かないが、若手の監督やスタッフにとって、はるかに気軽に映画を撮れる環境が提供されたことは見逃せない。

そして、映画畑以外の分野からの資本・人材の流入が活性化をもたらした。特にテレビ局や大手商社が仕掛けた、メディアミックスによる映画事業が軌道に乗ったのが大きい。映画化とテレビドラマ化、それとDVD化によって、1粒で2度ならず、3度4度とオイシイビジネスモデルが出現した。いわば身内であり、製作側の意向も熟知したテレビ界やCM界のディレクターを起用することで手堅い映画製作を指向した事も良かったのかもしれない。

まあ、それら様々な要因が重なり合って邦画が盛り返したわけだ。

映画からの逆流現象も起き始めた。2年前に名前を挙げた中でも、沢尻エリカや蒼井優は人気急上昇だし、その他にも上野樹里や宮崎あおいらも、ほんの1、2年前までは映画が活動の中心であったのに、今や月9や大河の主役を務めるまでの人気だ。日本映画の元気を象徴した現象であると言え、映画好きとしてはまことに嬉しい事態と言って良いと思う。

ただ苦言もある。肝心の中身だ。邦画興収1位の「ゲド戦記」、2位の「LIMIT OF LOVE 海猿」ともに酷評を受けた。ゲドは作者のル・グエン氏が(宮崎アニメのファンであったにもかかわらず)その出来の悪さに激怒したらしいし、海猿は海猿で、映画の山場、生きるか死ぬかの場面で、主人公が生存者の救難に向かった沈没船の中、岸辺でそれを見守る恋人と携帯電話で愛してるだの何だのとアツイ会話を交わすという、ヤバイ映画である。

とはいえ、今や状況は整いつつある。近いうちに、映画史上に残る名作が日本で誕生することを期待しよう。
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by redhills | 2007-02-01 12:25 | 映画
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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