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"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

日経・7月1日

今日の記事は

・ネットと文明第12部・新しい現実5~「個衆の時代」(1面)
・「がん診療連携拠点病院」調査~診療実績・体制編~人材不足広がる治療格差 (11面)
・抗がん剤・放射線専門医、がん拠点病院常駐は半数未満 (38面)
・リアル・リーダーシップ~誠実・勇気・正直が成功の条件 (24面)

の4本です。

 ネットが新たな文明の利器であることは間違いないでしょう。産業化と民主主義が大衆化社会を生み出し、それを誘導する新たな権力としてマスコミ (新聞+映画→ラジオ→テレビ)が君臨してきたわけですが、一部による情報の独占という構造にそろそろ変化が現れた、というわけです。
 しかし、ネット上で直接に個人同士が情報をやり取りしたからといって、それが果たして「衆愚」を生まないといえるのかは疑問です。一部の声だけを流すマスコミに比べて、ネットがより柔軟性を持っていることは事実です。がしかし、直接であろうと間接であろうと「衆愚」は現れます。それを望む大衆の潜在意識はいつの世にもあるのです。それは、古代ギリシャの、あの賢いアテネの民が辿った歴史を見れば明らかです。
 賢明なる「個衆」がいないというのではありません。彼らは確かにいます。しかし、だからといって、ネットの普及によって「衆愚」が消えることはないのです。それは人間の本質に関わる問題であって、文明やテクノロジーの領分の話ではないのです。ですから、ネットと政治の関わりに過度の期待を抱くのは誤りであると思うのです。
 その点で、「独立した個人の判断を公平に総和すれば、真実に近い正答を 「民主的に」導き出せる」(ヤフー・川辺氏)などというのは幻想です。ネットを通じた「個人の判断」の「総和」で「真実」に近づけるとは思えません。真実は多数決で得られるものではないのです。ネット企業は、ネットをもう少し冷静に評価し、その出来ることと出来ないことをきちんとユーザーに伝えるべきではないでしょうか。そうでないと、それこそ個人をミスリードし、大衆を衆愚としてしまいかねません。

 日経新聞による、がん診療連携拠点病院に対する全国アンケート調査の結果が出ています。今回は診療実績・体制面ですが、深刻な人材不足や治療格差が数字に出ました。
 手術の技術水準に比べて遅れているとされ、国のがん対策推進基本計画でも今後重点的に取り組むべき課題と位置づけられた放射線治療と抗がん剤治療について、現在放射線、抗がん剤ともに学会認定の常勤専門医(または暫定指導医)がいない病院は、回答のあった213施設のうち、35施設(約16%)もありました。その大半は、地方の中核的な病院で、病床数も、前病院の平均(約586床)より小規模な病院が31を占めています。こうした病院の多くからは「国が求めるレベルに達するには今の数倍の費用がかかる」「常勤医が欲しいが、全国的に絶対数が少なく探すのは困難」などという声が聞かれます。がん医療の地域格差を無くそうという政府の方針はうなづけるものの、「根本的な人材不足を解決しないまま、わずかな補助金でがん医療が平等に行き渡っている様に見せかけている」という厳しい指摘も見られます。
 また、医師以外の医療従事者(コメディカル)においてはさらに手当が遅れています。がん看護専門看護師やがん化学療法看護認定看護師などといった、専門資格コメディカルがいる病院は、全病院の10~30%台どまりでした。現場からは「そもそも看護師の確保が困難な中、資格を取るには長期間の研修も必要でハードルが高い」という声が聞かれました。また、「拠点病院に指定されたことで業務が増加し、それに伴う人材確保や人件費対応に苦慮している」という意見もありました。
 これらは現場で解決できるレベルを超えていると思われます。政府の対応が急がれます。

 書評欄から。「正直で善良な人間は報われる」と言うと「何を古くさい」と思われるかもしれませんが、何を隠そう、これは現代のグローバル時代における第一線の経営者によるリーダー論の本の主張なのです。著者のピーター・ジョージェスク氏は、アメリカの大手広告会社、ヤング&ルビカム社の元会長兼CEOです。彼の幼少時の体験が、誠実さ、勇気、正直さをその一生を貫く価値観とし、彼によればそれこそが「新しいビジネス界に必要とされている」とのことです。
by redhills | 2007-07-08 23:02 | ニュース
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。

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