日経・7月18日 争奪 圧倒的
今日の記事は
・食料争奪・激変する畜産地図(上)~食肉調達、新興国が台頭 (13面) ・幻冬舎社長・見城徹氏~努力の異端児、数字で補強 (15面) の2本です。 旧ソ連の崩壊によって起こった東西冷戦の終焉は当初、政治問題でした。米ソのパワーバランスが失われることで、両国が軍事力で押さえ込んでいたリージョナル・パワーが活動を始めた結果、中東で湾岸戦争が起き、旧ユーゴで民族紛争が起きました。これらの地域紛争を抑え込むべく、多国籍軍が編成されたりPKOが各地で行われるなど、国連と、世界唯一の超大国となったアメリカの力が問われました。 ところがやがて90年代も後半になると、冷戦終結がもたらしたのは世界経済の膨張であることが分かってきました。全世界を資本主義の一色で塗りつぶす「グローバリズム」が、その姿を現したのです。人件費の安い東欧やアジアが世界分業体制に組み込まれて大企業の生産基地となり、BRICsに代表される新興国が高度成長を始めました。工業化により成長を続ける国が急増した結果、世界中で、工業生産やインフラ整備に欠かせない1次資源である石油や鉱物の需給が逼迫し、00年頃から資源価格が急騰しました。そしてそれは全世界規模でのマネーの流動化と過剰化を生み、それがさらに資源価格や株式市場を高騰させるという状況を生んでいます。 そしていま、世界争奪戦は食料に及んできました。新興国の食事が肉食化し、そのなかの一部富裕層などが高級食材を求め始めたのです。食料需給の逼迫の結果、欧米人が従来あまり目を向けなかった魚介類の価格までが高騰してきています。先日のヨーロッパ産ウナギの稚魚に関する措置にもあるように、今や海産物、農産物、そして畜産物などすべての食料は、家畜の飼料となるトウモロコシから、高級食肉である和牛に至るまで、グローバリズムにおける争奪戦(と投機)の対象なのです。そしてごく近い将来、これに「水」が加わることでしょう。 世界人口の半分が豊かになろうと走り出した結果、モノの値段は上がりっぱなしです。これは日本の農林水産業復活のチャンスでもありますが、消費者の立場からは注意すべきトレンドであると思われます。10年前に「地球白書」でレスターブラウンが予言したとおりに、世界の食糧事情はなってきています。 今日本の経営者で、エルピーダの坂本幸雄氏と並んで注目を浴びている人かもしれません。古い慣習と老舗が支配し、ネット時代にも乗り遅れた完全な縮小マーケットである出版界でヒットを連発し、あえて総合出版社への道を驀進する幻冬舎。その設立者であり心臓である見城徹氏は、掟破りの話題づくりや売り出し方ばかりが話題となりますが、実はPOSデータを毎朝欠かさず分析するという、きめ細かな営業スタイルを持っています。それに加えて、今も300人以上の作家を担当するなど、まさに24時間すべてを仕事に捧げているという言葉にウソはないと思わせる「圧倒的な努力(見城氏談)」によって、大手の10分の1のマンパワーで半分の利益を挙げています。
by redhills
| 2007-07-25 12:44
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