雷鳴
轟く雷鳴は、天の怒りの声だったか。
そんな思いのよぎる結果だった。 安倍政権になって初めての国政選挙(補選はのぞく)となった第21回参議院選挙は、与党の歴史的惨敗に終わった。 自民党は改選議席から27議席減の37議席、公明党は同3議席減の9議席に終わり、そのマイナス分をほぼそっくり奪った民主党が28議席増の60議席を獲得する大躍進をとげた。この結果、民主党が非改選議席とあわせて109議席を占め、自民党に替わって院内最大勢力となることが確定した。またこれにより、自公合わせた与党勢力は105議席にとどまり、過半数(122)を割ることとなった。 まずは数字の分析をしてみよう。 今回、これだけはっきりと勝敗がついたのは、自民党の牙城とされていた、全国29の1人区の多くで与党候補が落選したことが最大の原因だ。小沢党首の地元である岩手はともかく、片山参院幹事長が敗れた岡山や、18年ぶりに自民現職がすべて落選した四国など、自民6勝に対して民主は17勝と、トリプルスコアに近い地すべり的圧勝となった。 1人区の怖いところは、負けた方には何も残らないゼロサムゲームである、ということだ。つまり、奪われたらそれは2倍になって跳ね返ってくるのだ。これは6年前の結果と比べてみるとハッキリと分かる。6年前、つまり今回の改選議員が前回戦った参院選の1人区の勝敗は、自民25勝、民主2勝だったのだ。つまり、この両方の差し引きだけで、なんと40議席も逆転したことになってしまうのだ。 逆風の影響を受けたのは自民党だけではなかった。創価学会の堅固な組織票と徹底した選挙運動で、常に目標どおりの議席を確保してきた公明党がまさかの敗北を喫したのだ。 地方の1人区や2人区では単独で議席を確保できない公明党の戦略ははっきりしている。それは、地方の票を自民党に与えることで恩を売り、代わりに都市部で複数擁立を見送ってもらって確実に議席を押さえるというものだ。しかし今回はそれが目論みどおりに行かなかった。東京はなんとか滑り込んだものの、神奈川、愛知、埼玉など、自民と共存してきた3人区でことごとく民主に2議席を奪われてしまったのだ。 比例代表では以前から民主党は得票数で自民党を上回っていたが、今回はさらに差が広がり、票数の差は700万票、議席数で20対14となった。 まとめれば、自民は地方の1人区で負け、公明は都市部の3人区で負けた一方で、地方、都市で万遍なく民主が勝った、ということになる。また、従来自民系といわれる無所属等についても、今回は秋田、富山、愛媛などは明らかな民主系であり、島根は国民新党で沖縄は地元政党の出身である。自民の候補者一本化の失敗による敗北ではないのである。なので、それらの無所属等は野党勢力であり、与党の敗北は一層色濃くなるのである。 では次に、いったいこのワンサイドゲームを生んだ原因は何だったのか、考えてみよう。(つづく)
by redhills
| 2007-07-31 17:55
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