雷鳴(再続)・これから-前
安倍政権の運命や如何に。これは非常に難しいテーマだが、議論の〆として、すこし考えてみようと思う。
年金問題への対応1つとっても安倍政権の未熟さは明らかだ。小泉政権が近年にない出色のパフォーマンスだっただけに、どうしても余計にそう感じられてしまう。誰かが言った「少年官邸団」とはまことに言い得て妙であり、安倍政権の若さ、甘さ、浅さを的確に表現している。この惨敗で安倍政権は一気に崩れてしまうのか、と考えてしまいそうなところだ。 だが、ちょっと待って欲しい。まずは冷静に、今から遡ることわずか1年半前に政界で何が起きていたのか、思い起こして欲しいのだ。 そう、その頃国会は、あの「偽メール問題」で大騒ぎだったのだ。 「偽メール問題」とは、2006年2月16日の衆議院予算委員会での民主党永田寿康議員の質問に端を発する、ライブドア元社長の堀江貴文氏が武部自民党幹事長の次男に3000万円振り込むように社内に指示したとされるメールをめぐる一連の騒動である。 一応簡単に経緯を説明しておくと、質問がされた当日は与党内が騒然となったものの、その真偽が問題となると事態は一変、永田議員を始め民主党は一切の証拠を提示することが出来ずに窮地に陥り、加えて永田議員が雲隠れするなど事態は迷走、攻守は完全に逆転し、1ヵ月半余りの騒ぎの末に、永田議員の辞職、民主党前原代表の辞任で決着したのである。 情報提供者がいると言い続けた民主党であったが、メールがある人物による作文に過ぎなかったことが判明すると、その余りの杜撰さに党の信用は失墜、当時、ようやく郵政選挙の傷も癒え、BSE、耐震偽装、ライブドア、防衛施設庁談合という、いわゆる「4点セット」で攻勢に出ようとしていたのを、自らのチョンボによってフイにしてしまったのだった。 何も民主党をいじめているわけではない。わずか1年半前に起きたことを思い出してもらっただけだ。要は、ちょっと遡れば民主党も安倍政権に負けず劣らずのおぼっちゃま振りを晒していたわけなのだ。もちろん、その反省というか出直しという意味も込めた党首選を経て新しく民主党党首となったのが小沢一郎氏なわけなのだが、まさかトップの顔が変わるだけで、党の体質までガラリと変わって立派な大人に生まれ変わる、などと好意的に考える奇特な人は、そう多くはないであろう。 つまり、安倍政権の浮沈が問われることはすなわち、民主党に政権担当能力が本当にあるのかが問われることを意味するのであり、そしてそこに世間の注意が向き、与党やマスコミが厳しく追及しだすと、たちまち馬脚をあらわす可能性が、残念ながら高いと言わざるを得ないのが現状なのだ。 なにせ突っ込みどころは満載だ。まず一度も政権を担ったことが無いし、経験者はいるにはいるが、その中心は自民党旧田中派だし、党内は旧社会党の連中まで含めて、その寄せ集めぶりは自民党以上…その気になればいくらでも不安材料は挙げられる。 民主党は参院選で勝ち、第1党になったがゆえに動きにくくなってしまったのだ。でもそれは政権を目指すためには当然、乗り越えなければならない道だ。そこを避けて批判ばかりしていたら、社会党の二の舞になってしまう。 では、民主党はどうすべきなのか、自民党や公明党はどう動くのか、さらに考えてみよう。(つづく)
by redhills
| 2007-08-10 18:35
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