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"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

日経・8月9日 微増 サルコジ ハゲタカ

今日の記事は

・医療費微増、32兆4000億円~診療報酬大幅下げでも (5面)
・仏、自己負担上げ~公的医療保険~かかりつけ医受診促進も (9面)
・ファンド旋風、広がる波紋~増す存在感、功罪で論議 (6面)

の3本です。

 06年度の医療費は0.1%増の32兆4000億円でした。4月の診療報酬改定で過去最大の3.16%の引き下げを行ったにもかかわらず、高齢者の増加などで微増という結果は、今秋以降の税制改革論議や次期診療報酬改定作業に影響を与えることは必至です。

 新自由主義者サルコジ大統領の登場により、フランスの社会保障制度も大きな変革が起きています。
 我が国同様、フランスも社会保障関連費の巨額の赤字に悩まされています。今年度は、公務員を除く民間サラリーマン向けの「一般制度」だけで120億ユーロ(約2兆円)という、過去最大の赤字になる見通しです。これは当初見込みの1.5倍であり、この赤字の過半を占める医療保険の収支改善に手をつけない限り、社会保障制度自体を揺るがせかねない事態となっていました。改革の目玉は自己負担の引き上げで、薬剤費や救急車による搬送費に加え、かかりつけ医以外で受診した場合の自己負担を4割から5割に増やし、かかりつけ医の3割との差を広げます。また後発医薬品の処方も増やすなど、施策内容は日本とよく似ています。これらにより、年間総額12億ユーロ(約2000億円)の収支改善が出来るとしています。

 今年2月から3月にかけてNHKで放送されて大きな反響を呼んだドラマに、「ハゲタカ」がありました。
 ある外資系投資ファンドのやり手ファンドマネジャーと、彼の元上司でもあるメガバンクのエリート行員の2人を軸に、不況下にある日本企業の買収をめぐる攻防が繰り広げられます。「ハゲタカ」は視聴率こそさほどではなかったものの、ホームページのヒット数では大河ドラマ「風林火山」をはるかに凌ぎ、また局に寄せられる手紙やメールも異例の数に上ったそうです。現代の黒船、投資ファンドがいかに高い関心を持たれているかという、ひとつの証左のような気がします。

 さて、村上ファンドやスティール・パートナーズに対する司法判断が示されたこともあってか、日本のみならず世界の資本市場で活発な動きをみせているファンドについて、日経が一面を使って特集をしています。

 日本で投資ファンドが初めてその存在を示したのは、90年代後半、不良債権処理の最中でのことでした。破綻した日本長期信用銀行を買い取ったリップルウッドは、その買収価格の安さや、資産価値の下落を公的資金で補填できるという「瑕疵担保責任条項」の存在が明らかとなったことで、「ハゲタカファンド」と叩かれました。

 やがて企業が資産売却などの財務リストラに取り組む中、日本資本の独立系ファンドも生まれてきます。彼らは日本経済のデフレ脱却の最終局面で活躍し、力を付けていきました。
 ファンドが存在感を増してゆく中で、その話題の中心となり時代の寵児となったのが、「アクティビスト(物言う株主)」として華々しく登場した村上ファンドです。同ファンドが表舞台に登場したのは00年ごろで、その運用資金は絶頂期には4000億円を超えていました。またほぼ同時期にキャッシュリッチ企業を狙い撃ちにして増配を引き出す動きを繰り返したスティール・パートナーズは、世論にファンドへの拒絶反応を再び引き起こしました。

 ただそういった世論の反発や今般の司法の厳しい判断はあるにしても、ファンドの影響力が増大し続け、今や無視できないパワーを持っていることは動かしがたい事実です。
 世界的な金余りを背景に、資金を動かすプロであるファンドが力を持つのはある意味、市場の論理から言えば必然ともいえることです。良いか悪いかは置いておいて、それは目の前にある現実なのです。日本の市場も、経営者も、そして私たち一人一人も、この現実をまずは受け入れ、それにどう対処していくのか、そこにこそ知恵を絞るべきでしょう。頭ごなしの拒絶では、決して資本の理解は得られないでしょう。

 偶然ですが、「ハゲタカ」は明後日19日から再放送されます。ご興味のある方はご覧になってみては如何でしょうか。
by redhills | 2007-08-17 16:21 | ニュース
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赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。

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