"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

2006年 08月 04日 ( 1 )

●真夏の夜の悪夢②~彼が失ったもの

<<試合内容について>>

 さて、では亀田チャンプの試合について自分が思ったことを述べてみる。

 もちろん自分も素人であり採点法などもよく分からない。ダウンを取られると2点のマイナスになるが、今の採点法だと2回優勢のラウンドを作れば取り返せるとか、なるほどな、と思う程度。それに素人の印象とプロの目は違うだろうとも思う。中盤のラウンドでどちらが優勢だったかの判断は難しいだろう。
 ただ、終盤は明らかにランダエタ選手のほうが勝っていたし、亀田選手は完全に足に来て立っているのもやっとだった。フラフラになりながら何度もクリンチに逃れる様子に、実況も悲壮感に溢れていたくらいだ。あそこでダウンを取られていたら間違いなく負けていたろう。だが彼は倒れなかった。あそこで根性を見せて前のめりに行った亀田選手の戦いぶりは賞賛に値するものだったと思う。

 初めての世界戦、19歳の亀田選手は本当によく頑張った。しかし冷静に見れば、やはり勝ったのはランダエタ選手だった。そこに亀田勝利の判定。自分は彼が頑張っていたからこそ、この判定が残念でならない。特に韓国のジャッジの最終ラウンドの採点はひどい。何と10-9で亀田優勢なのだ。仮にもしもこれが逆だったら、彼のジャッジはドローとなり、全体のジャッジもドローとなっていた。いかにも不可解なジャッジだった。

<<怪しい仕切り屋>>

 んで、そのジャッジの人選も含めて一連の「亀田チャンププロジェクト」を現場で仕切ってきたのが、亀田ファミリーの所属する協栄ジムなわけだけど、これがまた曲者なのだ。
 なにせ協栄ジムは以前にも、渡嘉敷、鬼塚両チャンピオンのマッチなどで疑惑の判定を演出した過去があるし、そこらへんにぬかりはない(笑)。TBSやヤクザさん(そしてもちろん日本ボクシング協会)の意向を汲み取って、実際に亀田チャンププロジェクトを組み立てたのだから、協栄ジムの金平会長は今回の準主役といってもいいかもしれない(でも彼の腹の中は、亀田ファミリーを男にしてやりたいという思いと世界チャンプを輩出したいという功名心の半々だろうな)。

 とにかく亀田チャンプ誕生までのマッチメークが怪しい。今までの対戦相手を記すとこうなるのだけど。

 1戦目 デンナロン・シスソバ(タイ) 戦績 0勝2敗 1回44秒KO
 2戦目 プラカルン・ツインズジム(タイ) 戦績 0勝3敗 1回1分12秒KO
   ※日本ボクシングコミッション2005年度招聘禁止選手(八百長疑惑)
 3戦目 サミン・ツインズジム(タイ) 戦績 0勝4敗 1回1分48秒KO
 4戦目 ダオチャイ・KTジム(タイ) 戦績 0勝5敗 10回判定
   ※日本ボクシングコミッション2006年度招聘禁止選手(八百長疑惑)
 5戦目 ノパデッチレック・チュワタナ(タイ) 戦績 0勝0敗 2回59秒KO
 6戦目 ヨードゲン・シンワンチャー(タイ)  戦績 0勝4敗 1回2分10秒KO
 7戦目 サマン・ソー・チャトロン(タイ) 戦績 46勝7敗1分 1回2分59秒KO
   ※チャトロンは35歳、3年前に1度引退。復帰後3連敗
 8戦目 ワンミーチョック・シンワンチャー(タイ) 戦績 12勝2敗 3回50秒TKO
   ※亀田は東洋王者になるも防衛戦を一度もせずに王座返上
 9戦目 ノエル・アランブラッド(ベネズエラ) 戦績 21勝4敗1分1無効試合 7回TKO
   ※アランブラッドは元WBAミニマム級チャンピオンで亀田(フライ級)とは2階級差
 10戦目 カルロス・ボウチャン(メキシコ) 戦績 16勝12KO5敗 6回2分20秒KO
   ※亀田選手にローブロー疑惑
 11戦目 カルロス・ファハルド(ニカラグア) 戦績 15勝10KO6敗1引 2回1分28秒TKO
   ※ファハルドの最終戦は昨年6月17日(1年近くのブランク有り)で
    もともとミニマム~ライトフライ級の選手
 12戦目 フアン・ランダエタ(ベネズエラ) 戦績24戦20勝3敗1分け 『奇妙な判定』
   ※ランダエダは元々最軽量のミニマムの選手で亀田とは2階級差
    本来は12月で引退予定だった選手

 まず目を引くのは、日本人と一回も対戦していないという点。それに、明らかに実力に疑問の残る選手や実戦から遠ざかっている選手、著しく軽量の選手とばかり試合をしている。非常に注意深く(笑)試合をしてきているのがよくわかる。そして今回も、本来フライ級の亀田選手とミニマム級のランダエタ選手が、なぜかライトフライ級で世界戦を行った。このライトフライ級、都合の良いことに王者が不在なうえに、両選手がなぜか1位と2位にランクされ、王者決定戦をすることになった。つまり、亀田選手はチャンピオンから王座を奪ったのではないというわけ。怪しい、怪しすぎる(笑)

 それだけじゃない。協栄ジムとWBA(世界ボクシング評議会)はとっても仲が良い。良過ぎるくらい。だから、こんな、ちょっと目を疑うようなことが起きちゃう。

 「WBAは亀田父に特別のチャンピオンベルト 事前に準備
試合後の記者会見場には世界ボクシング協会(WBA)の立会人が足を運び、亀田のトレーナーを務める父親の史郎さんに「WBAのメンドーサ会長から特別のチャンピオンベルトを贈ります」と報道陣の前でプレゼントを手渡した。亀田の家族愛、父親と3兄弟の努力は素晴らしい。だが、中立であるべき世界の統括団体が事前にこのような準備をしていたこと自体、見識を疑われても仕方ない。 (時事通信)」

 ここまでやられると鼻白むでしょ、いくらなんでも(笑)。協栄ジムさんのシナリオ、ちょっとクサすぎます。

 ちなみに、今回の結果を予想されていた方もおられるようで。こちらですけど、あまりに当っていて笑ってしまいました。ご参考までに。

<<彼が失ったもの>>

 誤解の無いように言っておくと、自分は亀田ファミリーを否定しない。彼らのボクシングに賭ける情熱と費やしてきた努力は尊敬に値する。剥き出しの野心と、何者も間に入ることを許さない篤い親子の絆は今の日本では貴重なものだ。彼らについては3年位前から知っているけれど、周りに理解されなくても親子だけで独自のトレーニングを編み出し、必死に努力して這い上がってきた物語は素晴らしい。見習う点も多々ある。だから、精進を重ねて世界への挑戦権を得た彼らに勝たせてやりたいとも思う。努力すれば報われる。誰だってそう信じたい。

 でも、限界までやったと思っても負けることが人生ではあるのだ。たった一人の頂点を争うプロボクシングの世界ならばなおさらだろう。自らの努力はまだ足りないのだ、世の中には上には上がいるのだということを知ることは、時に、勝つことよりも遥かに価値がある。人生では、成功よりも失敗から学ぶことのほうが多いのだ。それが逆に、その何物にも変えがたい学びの機会が外からの力によって奪われたのだとしたら、そのことによる損失は計り知れない。

 この試合で彼が失ったものは、彼や彼の周りが想像しているよりもはるかに大きいだろう。そしてそれは、彼がこれからの人生で、よりつらい経験を経て得ていかなければならない。そんな過酷な運命を彼に負わせたことを、大人たちは分かっているのか。おそらく分かっているだろう。でもそんなこと、彼らに取っちゃなんでもないんだろうな。 
 (つづく)
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by redhills | 2006-08-04 15:18 | スポーツ



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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