"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

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●思い出の映画たち2 「ワイルドバンチ」

 ワイルドバンチ:THE WILD BUNCH(1969)

 監督 : サム・ペキンパー Sam Peckinpah
 製作 : フィル・フェルドマン Phil Feldman
 脚本 : サム・ペキンパー Sam Peckinpah
      ウォロン・グリーン Walon Green
 撮影 : ルシアン・バラード Lucien Ballard
 音楽 : ソニー・バーク Sonny Burke
 出演 : パイク ウィリアム・ホールデン William Holden
      ダッチ アーネスト・ボーグナイン Ernest Borgnine
      ソーントン ロバート・ライアン Robert Ryan
      ライル ウォーレン・オーツ Warren Oates
      テクター ベン・ジョンソン Ben Johnson
      サイクス エドモンド・オブライエン Edmond O'Brien
      コファー ストローザー・マーティン Strother Martin
      マパッチ エミリオ・フェルナンデス Emilio Fernandez


 思い出の映画たち第2弾は、映画史上一番かっこいいセリフが聞ける映画を。

 この作品の評価ははっきりと分かれる。特に女性からは「野蛮」「理解できない」という感想が聞けそうだ。でも僕に言わせれば、「んなこたぁ知ったこっちゃない」。女達が何と言おうとワイルドバンチは断然面白いし、そして何よりかっこいい。なにがどうかっこいいかって? まあ、あわてなさんな。

 ワイルドバンチを見たのはディレクターズカット版が公開された1997年。渋谷で女の子と見に行ったのだが、もう、最初から最後までペキンパーの強烈な一発にノックアウトされっぱなしだった。西部劇映画の金字塔だと聞いてはいたけれど、これほどまでにサイコーな映画だとは思っていなかった。ビデオを我慢して映画館で見て良かったと本当に思った。

 時代は西部開拓時代の末期。だんだんとその生き場所がなくなってきている、西部の荒くれ男たち(ワイルドバンチ)の、生き様、そして死に様をハードなアクションと破天荒な生活描写の中に深い共感をこめて描きこんだ傑作。
 これは一言で言えば、男が作った、男の映画である(といっても、あっち系の映画では、もちろん、ない)。21世紀、こんな男たちは、もう絶滅してしまった。何よりペキンパー自身が最後の西部に生きたアウトサイダーであり、ここに描かれた男たちは、そのすべてが彼自身の分身である。監督による自画像でもあるこの作品は全編冷徹なリアリズムに貫かれており、バイオレンスシーンも容赦なく、ましてやお涙頂戴な甘ったるい場面などひとつもない。余談だが、同じ年に公開された「明日に向かって撃て」も西部末期を生きるガンマンが主役なのだが、こちらはアメリカン・ニューシネマらしく、さわやかなタッチで水彩画の趣きである。同じ年に、同じ時代や背景の設定でこうも違う映画ができるというのも、また映画の楽しみだと思う(ちなみに、僕は「明日に~」も大好きである)。

 彼らは西部の荒野で法も秩序も受け入れずに好き放題に生きてきた無法者たち。まぁ、ぶっちゃけて言えば、「七人の侍」の野武士だね。でも彼らは卑怯者ではない。悪い奴らといっても彼らには誇りもプライドもあり、この無法地帯で生き延びてきた自負も自信もある。だが、彼らはもう若くはない。鉄道に象徴される新しい時代の波の訪れ、そして、もう自分たちが生きていける時代が終わりつつあることを感じ取っている。
 彼らはプロである。フロンティアというジャングルで生きる肉食獣であり、強いものが生き残り、弱いものは死んでゆくという、情け容赦のない掟の中に生きている。仲間同士の間でもいさかいや裏切りが絶えない。でも、そんななかで作り上げた信頼は本物であり、その、湿度のまったくない友情が、荒涼とした西部の風景に実に良くマッチする。

 公開時にこの映画が批判を浴びたのは、その残酷な殺戮シーンが問題とされたからだった。あの、映画史上有名なストップモーションを使ったラストの銃撃戦シーンだが、今見てもすごい迫力。まったくそのパワーは衰えていない。言っておくが、当時CGなどという、便利なものは無かった。あと、断言するが、ジョン・ウーの師匠は間違いなくペキンパーである。ウーのファンはペキンパーを敬うべし。

 さて、そんな彼らはそろそろ潮時だと思い銀行強盗を計画するのだが、敵もさるもの、わなを仕掛けており作戦は失敗。それではと列車強盗を企てるのだが、新たな横槍が入って計画が大きく狂いだし、大切な仲間たちが一人、二人とやられていく。動揺し仲間割れしそうになりながらも、ボスのパイク以下、残ったワイルドバンチ達は囚われの仲間を救うべく、死を覚悟して立ち向かっていく。
 はっきりいって、彼らはアホである。ボスのパイクと副官のダッチは知恵もあるが、そのほかのやつらは単細胞でイカレたやつばかりだ。でも、それがとてもいい。俺たちゃワイルドバンチだ! って感じで荒っぽいんだが、一たび打ち解けるとサイコーにいいやつだったりする。
 パイク役のウイリアムホールデンは渋くてかっこいい。そして、ダッチのアーネストボーグナイン、彼はハンサムじゃないがこれがまた、かっこいいんだね。脇役をやらせたら右に出るものはいない。こういった、忠実な副官なんかやらせるとほんとハマるね。このコンビでスタートレックやって欲しかったな。西部劇になっちゃうけど。

 話がそれた。
 自分たちを皆殺しにする罠だと知りながら、マパッチ将軍に囚われたエンジェルを救いに向かうワイルドバンチ。こちらはたったの4人。相手は数百人の私設軍隊。まず勝ち目は無い。それでもかれらは悠然と進んでゆく。仲間を助けることは彼らにとって当然のことなのだから。

 そして、映画史上最もかっこいいセリフがパイクの口から放たれる。

      Let's go (いこうぜ)

 ライルが応える

      Why not (いいとも)

 男同志に多くの言葉は要らない。これですべてが通じる。このやり取りは本当にかっこいい。男なら、こんなレッツゴー、死ぬまでに一度は言いたいもんだ

 砂漠に散ってゆく彼らの姿が僕にはアフリカのサバンナに君臨するライオンや象に見える。誇り高く、誰にも従わずに生きてきた彼らも今や保護なしには生きていけない。そんな世界にしたのは誰なのか。そしてペキンパーもまた、後にスティーブマックイーンという名優を得ることもあったが、徐々にハリウッドで居場所を無くしてゆく。それは時代の必然だったのだろうか。僕らはワイルドバンチの中に彼の気高いスピリットを感じるのだ。

 最後にオチをつけておくと、一緒に見に行った女の子とはそれきりだった。後で知ったのだが、彼女は筋金入りのジェンダー論者で当然、男尊女卑の極致のようなこの映画が御気に召すはずなどなかったわけである。皆さんもデートの際の映画のチョイスにはくれぐれも気を付けましょう
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by redhills | 2004-11-30 12:44 | 映画

●驚きのビフォーアフター (11月27日)

 今日は先週の3ヶ月点検で指摘した箇所の補修をする日。午前中にという話で待っていると、意外と早く10時過ぎにゼネコンの担当者が来る。職人が一緒に来ているが、補修箇所によって職人が違うので、ほかの部屋と調整しながらいろんな職人が出入りするということらしい。
 まず、窓の不具合を直してもらおうとしたら、なぜだか直っていた。とりあえず、微調整してもらい、油を差してもらう。最近のサッシは性能がよくなって気密性がグンとアップしているようだが、こういった所は意外と昔と変わらない。次に登場したのは壁紙職人さん2人組。リビングと脱衣所の壁紙の継ぎ目が目に付いたのでふさいでもらう。壁紙を張り替えるという事態は先方も避けたいことであり、どうするのかと見ていると、これも意外と簡単で、継ぎ目の両側にマスキングテープを貼り、継ぎ目に白いパテ剤のようなものを塗りこんでいく。隙間といっても1ミリもないので作業自体はかなり慎重にやる。乾いたらテープをはがして水ぶきをして終了。結局完全に継ぎ目はふさげなかった。職人の兄ちゃんの説明によると、壁紙をカットする際のカッターの刃の幅程度の継ぎ目は出る可能性はある、壁紙自体も伸びたり縮んだりするものであり、継ぎ目によっては完璧に隙間なくできる場合もあるが、こればかりは貼ってみないとわからない、とのこと。まぁ、しょうがないか。これ以上のことは補修では無理らしい。ついでに先週言い忘れたドアと壁紙の隙間も埋めてもらう。

 その後いよいよ今回の補修のメインである、床の傷、へこみの補修職人さんが登場した。これが一番気になっていた。玄関入ってすぐのところから、脱衣所の入り口、さらにはリビングや寝室まで、探したら結構出てきた。特に昼間に玄関から中に入るときなど窓からの明かりで床がよく光るので、傷がとても目立つ。これは絶対に何とかしたいと思っていた。職人さんは壁の補修中にやって来たが、始めのうち床をにらんで考えている様子。床はフローリングなのだが、竹材なのでちょっと勝手が違うのかも。するとやがて、道具箱から何やら取り出してこねくりだした。なんか絵の具みたいにいろんな塗料?をまぜているらしい。むかーし、アロンアルファなどがなかった頃、2種類の接着剤を練り合わせたりしたことを思い出した。
 その後、風呂場の補修屋さんなどと一緒にいたりしている間に床の補修は終わっていた。乾くまで待ってから見てみると、あら不思議! あの凹みがきれいに消えている! よーく見ると、補修剤がきれいに塗りこまれているのが分かるが、言われてみないと絶対に分からない。うまーく、竹の節のように見せている。うーん、おじょうず! いや、驚きのビフォーアフター。さすがは手先が器用な日本人ってところか。

 まったく関係ないが、整理中に目にしたチラシでアンゲロプロスの「旅芸人の記録」が23日に渋谷で上映されていたことを知って落ち込む。しかもご丁寧に自分で印をつけてあるのに忘れていた。あー、馬鹿馬鹿バカ。今度いつになったら観れるんだ・・・。でももう後の祭り。とほほである。
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by redhills | 2004-11-27 16:57 | 引越し

● (11月25日)

 麻布十番で夕食。会社時代の同期とその友人と久しぶりに会って飲む。初めて行った店だったがとても美味で酒もうまい。やはり同年代の友人と語らいながらの食事は楽しい。帰りはタクシーだったが、15分程度で到着。こんなところは赤坂さまさまだ。
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by redhills | 2004-11-26 11:25 | 日記

●奥多摩の森を抜けて歩く (11月21日)

 僕は幼少から高校まで鎌倉市の梶原というところで育った。山を切り開いて造成された、グリーンハイツというひねりの無い(でも当時はかっこよかった)名前の大規模分譲マンションに引っ越してきたのだ。周りは何にもなかったし、学校までは歩いて30分もかかったけれども、緑に囲まれた環境は子供にとって理想郷だった。

 鎌倉は3方を山に、そして1方を海に守られた天然の要害の地だが、梶原はその鎌倉の守りを固める山々の外側のへりにあたる。旧鎌倉といわれる、その山々の内側とは切通しと呼ばれる細い道でつながっていて、歩いて15分も行けば葛原が丘公園が、もう少し足を伸ばせば佐助稲荷にも行けた。
 グリーンハイツには同じ年頃の少年が沢山いて、僕らは毎日のように周りの山々へと探検に出かけ、沢山の秘密基地を作った。そして、定期的に基地を訪れては、その日の作戦を練るのだった。鎌倉は自然保護が厳しく行き届いており(ナショナルトラスト運動の発祥の地である)、そのままの雑木林が残っていた。春は桜が咲き、夏は蝉が合唱し、秋は赤や黄色に色づき、冬はエゾリスが姿を見せた。

 数年前だが、アウトドア体験ツアーに参加した。余りにも自然との触れ合いに欠けていることを気にしていたからだ。奥多摩で沢歩きや飯盒炊飯などしてテントに寝た。でも一人で続けるほどの気も無く、チャンスも無いままそれきりになっていた。そこへ大学時代の知人の誘いで、奥多摩登山に参加することになった。

 前日は夜遅くに飲んで帰ったために睡眠時間が4時間弱しかなく、起きれるか不安だったが何とか駅まで走り、集合場所の新宿へ向かう。途中でちょうど知人と会い、二人で中央線のホームに向かう。他の参加者とはメールでやり取りしているだけだったので少し不安だ。新宿に集まったのは6人。うち女性が2名。まずは立川まで。車中話しながら行く。詳しくはわからないが年も近いようで、すんなりと話が出来て安心する。
 立川で1人加わり、総勢7名となる。乗り換えて奥多摩まで約1時間20分ほど。車内は登山客で満席のためにまた立っていくことになる。だんだんと景色が変化して人家が減ってゆく。奥多摩駅からバスに乗り、10分ほどで下車。9時近くだがかなり寒い。

 ここで靴を履き替えたり、上着を着たりして、いよいよ出発する。といっても始めのうちは舗装された林道を歩く。見事に植林された杉林の横をゆく。向かいの山並みに朝日が当たり、夜に降ったらしい雨が水蒸気となって立ち昇ってゆく様子にしばし見入る。
 やがて林道に別れを告げ、登山道に入る。森も姿を変え、馴染み深い雑木林に変わる。黒土にところどころ木の根がのぞく。アップダウンが続きかなりしんどい。しかし、体力、筋力的な面はともかく、感覚的なものは余り鈍っていないように思う。久しぶりの山道に心躍る。

b0047859_1183885.jpg しばらく進み、「百尋の滝」に出る。ここでしばらく休憩。滝のそばに行く。マイナスイオンが出ている?らしい。記念写真を撮って再スタート。昼過ぎには目的地である川乗山に到着する予定。ここからは更に登りがきつくなる。紅葉の方はどうやら見頃は過ぎてしまったようで、登っていくほどに木々は葉を落として冬の様相。しかし、ところどころ赤や黄色に色づいた景色に遭遇する。前後の人と話しながら進む。みんな話しやすく楽しい。
 突然、尾根に出る。見晴らしが良くなり、先に頂上が見えた。山頂に着くと、すでに人であふれていた。でもとてもいい気分。連なる奥多摩の山並みが豊かな表情。昼をとる。ここで持ってきたボジョレヌーボーを開けて振舞う。気持ちがよく、ほろ酔いに。

b0047859_1203195.jpg 1時間弱して、下山。実は登山は下山の方が厳しいような気がする。単調になりがちだし、上るときよりもモチベーションは下がり勝ち。それにひざに負担がかかる。案の定、だんだんとひざが痛くなってくる。原因は右足のつま先が痛くなってきてそれをかばっているためなのだが、修正のしようがない。おそらく靴がフィットしてないのだろう。しかし下山そのものに影響が出るほどではないのであまり心配はしない。やがて電車の音が聞こえてくる。皆の足取りが一気に軽くなるが、こういうときが怪我をしやすいときなので、気をつける。
 帰りはやはり座れず立って行ったのだが、途中で乗り換えて座る。みんなさすがに疲れて寝る。

 新宿で焼肉。とてもうまい。今日参加するはずが仕事で来れなかった女性1名が参加して、更に盛り上がる。彼女は来月今の会社を辞めて上海へ渡る。現地での仕事にチャレンジするという。仕事での成功と上海蟹ツアーを約す。

 不安もあったが、参加してよかった。みんな気さくで初めて会ったような感じがしない。次の機会が楽しみになる。
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by redhills | 2004-11-22 15:53 | 日記

●3ヶ月点検 (11月20日)

 今日は家の3ヶ月点検であった。
 まだ出来て1ヵ月半のはずなのになんで3ヶ月点検なのかよくわからないが、この際だから家の中をいろいろ見てみる。実は月初めにチェックシートというものが来て、悪いところを書き出して事前に管理会社に送っておくようになっていた。
 なんか商品の粗探しをするみたいであんまり気が進まないが、床や壁など見てみる。すると、けっこう、おや、というものがある。床がへこんでたり、壁などの継ぎ目がおかしかったり、窓を開けるときに音がしたり。内覧会のときに見たつもりが、改めて見るとあるもんである。内装などはおそらく8、9月にやったはず。今年は暑かったからな、たいへんだったろうなぁ、などと考えたりもする。いちおう、チェックリスト以外にもいくつか気になる点があったので、書き留めておく。

 10時過ぎに管理会社と施工会社がやってくる。点検そのものは淡々と進んでゆく。自分が塗装の剥げだと思っていたものが、汚れだったり(その場で落としてもらう)、床のへこみや傷などは、床材を取り替えずに上手に補修が出来ることなどを知る。こちらは翌週に職人が来てやることになる。点検は30分ほどで終わった。

 午後は仕事で出勤。電車の中で一つ言い忘れたことがあることに気づく。
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by redhills | 2004-11-22 15:52 | 引越し

●団体さんいらっしゃ~い (11月19日)

 11月後半から年末にかけてのこの時期、事務所での僕は出不精になる。なぜって、あの陳情団軍団が日本全国から大挙押し寄せてくるからだ。僕には有酸素運動の趣味はないので、最上階である7階にある事務所までエッチラオッチラ階段で登る気などまるでない。なので何かの用事で1階に下りたらそれなりの覚悟が必要だ。戻る時1階ロビーに行くとそこは何十人もの人でごったがえしている。アメリカ同時テロ以来、ビルに入る際に部外者は一人一人金属探知機を通らなければならないのだが、そこにも長い行列ができ、順番待ちの人が受付まで溢れ出している。もう、大変に騒々しい。そして暑い。ざるに一杯のドジョウがウニョウニョしているような図を想像していただければよいだろうか。
 なのにである。エレベーターは3基しかない。必然として、エレベーターが次々に満員となっていくのを見ながら忍耐力を試される事態になる。
 そんな時、僕はロビーの裏手に入っていく。そこには荷物搬入用の業務用エレベーター2基があるので、そしらぬ顔をして7階へと向う。あまりあからさまに行っては軍団にわかってしまうのでコッソリと行く。大概、同業者が何人かいて、苦笑いすることになる。

 さて、陳情団は大きく2つのタイプに分けられる。ひとつは40代以上、主に50、60台のおじさん陳情団である。もうひとつは、大体30、40代の男女混成陳情団である。

 おじさん陳情団はほとんどが地方議員のおじさん、おじいさんで、引率の若い職員に連れられてまるで観光気分である。右に行くのか、左に行くのかまったく分かっていないので大騒ぎしている。みんな楽しそうだ。行き先は地元の先生方で、言うことも決まっている。「先生、ひとつよろしく頼みます」。詳しいことは引率のにいちゃんがやってくれるので、陳情はものの30秒で終わる。その30秒のために15人、20人の団体がゾロゾロやってくる。部屋に入りきらないおじさんたちはドアの外から中をのぞいている。時には記念写真をとったりしてはしゃいでいる。はっきりいって、いてもいなくても、陳情そのものにはまったく影響はない。実はみんな来たくて来てるのである。楽しいはずである。これを数ヶ所まわって陳情は終わりで、おじさんたちは満足して帰ってゆく。今晩はどこで宴会かな。

 もうひとつの方は、物見遊山ではなくわりと真剣な表情で熱心に回る。こちらはまわる事務所の数がハンパなく多く、手分けして何10ヶ所も回る。だから、全体の人数は何十人にもなると思われるが、事務所に来るときは4人くらいになる。こちらの陳情は話が長い。いくつもの要望を書き込んだ紙を渡しながら、「私達は○○の××です。今回は△△の件で先生に陳情にあがりました。つきましては・・・」長い説明が続く。こちらはひとつひとつ、うなずいていく。最後に、「ご賛同いただけますでしょうか」と聞かれる。これは内容によるが、たいていは預かっておいて後日返答することになる。いきなり来ても、なかなか○とはならないものだが、実はここでもめると大変だ。賛成、反対で言い合いとなることもある。こじれると非常に厄介である。先生の考えを知りたがるのだが、わからないと答えると、時には、じゃああなたはどう思ってるんですか、なんて聞いてくる。勘弁して欲しい。こんな時は絶対にまともに答えてはならない。その答えでまたいろいろもめるに違いないからである。思想、信条の自由ってものがある。僕の頭の中をのぞかれる筋合いはないと思うのだが。

 こんな人たちが毎日やってくる。この時期の風物詩である。
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by redhills | 2004-11-19 17:34 | 日記

●思い出の映画たち1 「男と女」

 男と女:UN HOMME ET UNE FEMME (1966)

 監督:クロード・ルルーシュ Claude Lelouch
 製作:クロード・ルルーシュ Claude Lelouch
 脚本:ピエール・ユイッテルヘーベン Pierre Uytterhoeven
    クロード・ルルーシュ Claude Lelouch
 撮影: クロード・ルルーシュ Claude Lelouch
     パトリス・プージェ Patrice Pouget
 音楽: フランシス・レイ Francis Lai
 出演: アヌーク・エーメ Anouk Aimee アンヌ
     ジャン=ルイ・トランティニャン Jean-Louis Trintignant ジャン・ルイ


 さて、映画は星の数ほどあるけれど、大河の一滴のように、これはという映画について少しづつ綴っていこうと思う。
 まず栄えあるトップバッターは、ロマンティックな季節に合わせて!?「男と女」です。

 あのフランシス・レイのテーマと、冬のフランスの情景が素晴らしく、一度聞いたら見たら忘れられない。そして何と言ってもアヌーク・エーメ!それらが調和して完全な世界を作っている。1966年のカンヌパルムドール(当時はグランプリ)。同年アカデミー賞脚本賞、外国語映画賞。

 でもこの映画、たった6人のスタッフで3週間でとっちゃったそうです。映画はやたら手間ひまかければいいってもんではないらしい。
 一応カラーなんだけれども、半分くらいがモノクロ。夜の場面が多いこともありますけれどもその場合でもあえてモノクロ。よくあるモノクロの使い方として、回想シーンがありますが、この作品では逆に回想シーンがカラーでリアルタイムがモノクロという場合もあり、ありきたりの演出を拒絶しています。

 ストーリーは、バツイチ同士の男と女が出会って惹かれあって喧嘩して、そして結ばれるということで分かりやすい。というわけで見どころは愛しあうに至るまでの2人の心模様、ではなくて、とにかくアヌーク・エーメのあの美しさです!!独断的ですが。

 彼女はモノクロの方が断然美しい。深い深い光をたたえたその美しさは、上質な漆器のつやと温もりを感じさせます。ギラギラとかキラキラ、という輝きではない。太陽ではなく、月の輝き。
 月は神秘的な力を宿している。吸い込まれるような美しさをこの映画のアヌーク・エーメはたたえています。
 彼女の美しさの前にはあの音楽も哀愁ただよう情景もはなやかなレースも単なる引き立て役でしかありません。
 
 とはいうものの、やはりこの映画は男と女の映画。
 男として、「こりゃ男だなー」と思うのは、ジャンがアンヌからの愛の告白を受け、喜んで疲れもものともせず、夜通しムスタングをぶっ飛ばしてアンヌに会いに行くところです。ええよ~。ここは映像も音楽もちょっと趣向をこらしています。監督も男やなーと思いました。
 あとは女との逢瀬の後別の女の待つ元へいくところは、まあ、これも男ですね。
 みなさんはこの映画のどこに「男」あるいは「女」を見ましたか?
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by redhills | 2004-11-19 00:04 | 映画

●冬はどこから (11月18日)

 冬はどこからやってくるのだろう。

 いつのまにか仕事場の前の立派な銀杏並木が色づいている。
 朝晩寒さを感じるようになった。頬をなでていく風が冷たくざらついてくる。

 この季節になるといつも胸に響くのは「スカボローフェア」。秋から冬にかけての、あの灰色の空と吹き付ける風が蘇る。繊細にして神秘的な調べに包まれる。

     Are you going to Scarborough Fair?
     Parsley, sage, rosemary and thyme
     Remember me to one who lives there
     For once she was a true love of mine.

     Have her make me a cambric shirt
     Parsley, sage, rosemary and thyme
     Without a seam or fine needle work
     And then she'll be a true love of mine.
                  ・
                  ・
                  ・
 季節はめぐる。僕は決してこの季節が嫌いじゃない。
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by redhills | 2004-11-18 23:10 | 日記

●ほろ酔いで (11月18日)

 書いている。

 帰りしなに「Yamaya」に寄ったら、ちょうどボジョレヌーボーの解禁日で山積みになっていた。別にワイン好きでもないし新し物好きでもないのだが、ものめずらしいので一本買う。6種類ほど置いてあったが、買ったのはANTONIN RODET の BEAUJOLAIS VILLAGES NOUVEAU である(つづりがまちがってないかちと心配)。

 ここで付け焼刃の能書きを記すと、BEAUJOLAIS VILLAGES(ボージョレ ヴィラージュ以下めんどくさいのでヴィラージュ)は、ボージョレ地区の中でもより厳選されたブドウを作る、北部限定の39村にのみ許される表示である。今年はとてもよく成熟した葡萄が収穫されたとのこと。一般的にヌーヴォーは収穫されてから日が浅いため熟成が浅く、あっさりしているというが、ヴィラージュはそれでもコクのある味わいが楽しめる。
 ANTONIN RODET(アントナン・ロデ)は、フランス・ブルゴーニュ地方の名門ネゴシアン(ワイン商)として名高く、創業約130年の歴史を誇る老舗である。 プレミアムワインを中心に多彩なラインナップを誇り、現在ではブルゴーニュ地方で最大の葡萄畑(160ヘクタール)を所有し、ドメーヌワインとネゴシアンワインをあわせ年間500万本を生産、世界80ヵ国に輸出している。

 と、やまやのホームページから勝手に売り文句を抜いてきたところで、「ボージョレと一緒に味わうチーズ」という記事に遭遇。チーズを買って来なかったことを後悔。しかし、ここは強引に梅干を持ってくる。焼酎の梅割りはやるが、ワインの梅割りは初めてだ。でもよい。気分がよければいいじゃないか。

 外は弱い雨が降っている。雨だれをBGMにボージョレとともに夜は更けてゆく。
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by redhills | 2004-11-18 22:45 | 日記

●ザリガニ食べたことありますか? (11月16日)

 実は昨日、写真の整理、1枚もしなかった。あの後たまたま電話したNと飲みに行ってしまった。引越しメールにNが返事をくれ、会社が渋谷だから飲みに行こうと寄越してきたことを思い出して電話したら、明日から出張なので今日これから飲もうということになってしまった。
 渋谷の串焼き屋で久しぶりに再会を果たし、お互いの話に盛り上がった。Nはスウェーデンに駐在していたのだが去年帰国したという。さっそく、北欧美人との思い出について聞き出そうとしたが、それより彼の話すスウェーデンの実態の方がおもしろかった。

 いわく、スウェーデン人は仕事をしない。朝は早く、7時や8時に会社に来て、4時や5時には帰ってしまう。残業というものは一切しない。典型的な指示待ちタイプで、トラブったときまったく自力で工夫して解決しようとしない。夫婦(あるいは男女)の間は徹底的に平等で、育児休暇を男性がとるのは当たり前なのだが、なんと、結婚してなくても(同棲状態でも)男性が育児休暇を取れてしまう。また、外国人でも3年以上いれば年金をもらえる。Nは今日本でスウェーデンの年金をもらっている。・・・などなど。

 スウェーデン人ははっきりいって食べることにあまり熱心ではなく、ほとんどイモばかり食べているらしいのだが、彼らの食べるものでうまいと思ったものが一つだけあったという。それがザリガニ。
 ナヌ? ザリガニって食べれるのか? ザリガニ。ガキの頃川に行って何匹も捕まえて、友達のとケンカさせた、あのザリガニ。あれを食べちゃうのか。
 不思議がる僕を見ながら、Nの話は続く。ザリガニには川で取れるものと、海で取れるものとあって、うまいのは海の方だという。海でザリガニが取れる。これも初耳だ。色が違うのですぐわかるらしい。それをゆでてバリバリ食べる。まぁ、カニとおんなじですな。でも、これって料理とは言えない様な気がするけどなぁ。
 11月だかになるとザリガニが解禁され、町にはザリガニがあふれるそうで、彼もよく同僚に招かれて食事に行くと、みんなでザリガニを持ち寄って山盛りのゆでザリガニを飽きもせず食べまくるんだそうだ。

 スウェーデンていうと、ブロンド美人とテニスと「アバ」ぐらいしか思いつかないが、聞いてみるとなかなか面白い。住み心地もいいらしい。英語で用は足せるので不自由はしないし。
 いいなー。海外駐在とか、海外出張とか、一度でいいからしてみたい。
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by redhills | 2004-11-17 00:03 | 日記



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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