"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

<   2005年 08月 ( 3 )   > この月の画像一覧

●郵政解散=郵政選挙?

解散から2週間経ち、公示まであと8日となった。来週の火曜日には選挙に入っているのかと思うとあっという間という気もするが、9月11日まではまだまだ長いな、という気もする。

さて、先週末のホリエモン出馬でほぼ刺客はタマが出揃った。小泉劇場のシナリオとしてはまあ、ほぼ満足の行くパフォーマンスであっただろう。確かにホリエモンが社長を辞めることを拒否したために無所属での出馬となったことは想定外だったが、実はこれとて、亀井潰しに有力候補者が欲しかった小泉と、当落は問題ではなく3週間限定で金をかけずにマスコミの耳目を集めて売名したいホリエモンとの間で明確な利害の一致があり、実質的には不都合は無い。まあ、最後の最後に弱肉強食の権化のような候補が登場したことで、小泉政権の地金がチラリと見えた、と感じた人も多いだろう。刺客の質は総じてあまり上等とは言えない。選挙に強い弱いとか経歴の良し悪しとかいう意味ではなく、国政を目指す人物としての人品骨柄という意味で、である。国会議員の議席が目の前にぶらさがると、いろんな人たちが群がってくる。権力の魔力は今も昔も変わらないらしい。そういう意味で面白い見世物ではあった。

いよいよ党首遊説もスタートし選挙戦は実質的なスタートを切ったわけだが、相変わらず小泉総理は郵政民営化一本槍である。「この選挙は郵政民営化ができるのか否かを問う選挙だ」「郵政民営化ができなくて他の改革ができるのか」と絶叫し、民営化法案に反対したものはすべて守旧派と決め付けている。対する岡田代表は、総選挙とは政権を選ぶ選挙であり、郵政の一点のみで決めるものではない、という主張である。まともではあるが、まったくインパクトに欠ける。見た目の勢いの差はやはり歴然とある。

それを反映してか、週末に発表された世論調査は解散直後に比べて小泉政権の支持率、自民党の支持率、ともに上昇した。これはやはり、ここ2週間の小泉劇場がもたらした効果であろうと思う。だが、僕が思うにおそらく支持率は今が頂点だろう。これから徐々に数字は下がって行くと思う。

なぜそう言えるのか。予兆は日曜日のテレビにあった。

昨日のテレビの政治討論番組は各党の政策責任者が会しての討論だった。それを可能にしたのは、先週出揃った各党のマニフェスト(政権政策)の存在である。マニフェストとは「私達が政権を取ったらこういう政策を行います」と、政党が選挙の際に予め明文化したものである。「公約」との違いは実は明確で、マニフェストには「具体的」な「数値目標」や「達成期限」や「財源」が盛り込まれていなければならない。そういった記述の無いものは「ウィッシュリスト」と呼ばれ、単なる耳障りのいい言葉の羅列と見なされ、政治的価値の無いものであるとされる。

さて、テレビを見ていて印象的だったのは次の2点だった。

1点目は、自民党の主張が精神論に非常に片寄っていた、ということ。与謝野馨政調会長といえば、自民党でも理論派で鳴らした論客であるはずなのだが、のっけから「郵政民営化への取組みに我が党の改革への強い意志が表れている」と、あのクールな与謝野氏が、と耳を疑うようなコメントの連発であった。とにかく、理屈抜きで郵政民営化こそが改革の中心であり、そこを突破することでしか改革は成し遂げられないという抽象論に終始していた。肝心の郵政民営化の具体論については全く聞かれなかった。

2点目は、自民党のうろたえぶりである。まずは年金。司会者から、自民党は国民年金をどうするつもりかと問われると、なんと与謝野氏はいきなり「民主党は年金の一元化というが、年金審議調査会で数字を出せといっても出してこなかった」と、自民党の政策は言わずに民主党批判を展開したのである。改めて司会者に国民年金についての考えを聞かれると「いろいろと難しい」と黙ってしまった。続いて財政再建の話になり自民党の政策を聞かれると、またしても「民主党のは数字のバラマキだ」と、民主党批判を行った。そして自らは抜本的財政構造改革を行うという、まったく具体性の無い「公約」を述べていた。

ここに自民党の今回の選挙に対する姿勢が象徴されていた。どういうことかというと、今回の選挙、自民党は冗談で無く、本当に郵政一点での突破を目指しているのである。他の政策はまったく具体性を欠き、到底政権党の責任あるものとはいえない、全く練れてない抽象論の羅列なのである。自民党のマニフェストは実は典型的なウィッシュリストでしかないのだ。

一つの資料がある。自民党と民主党のマニフェストを比較したものであるが、両者の差は歴然としている。いくつか挙げてみる。

(年金)…民主は「年金を一元化し、社会保険庁は廃止」としているのに対し、自民は「サラリーマンの年金制度の一元化推進」「社会保険庁は事実上廃止」と書いている。今一番問題になっている国民年金についての記述が無いし、「事実上」の廃止とはどういうことなのか、さっぱりわからない。

(財政再現)…民主は「3年間で10兆円の歳出削減」「公共事業を半分に」「国家公務員の人件費を2割カット」と具体的なのに対し、自民は歳出削減についての記述は無く、「公務員総人件費を大幅に削減」と、やはり数値目標も達成期限も明記されていない。

財政再建を語る際に避けられない税制については、自民党は一層ひどく2枚舌を使っている。いわく、「『サラリーマン増税』をおこなうとの政府税調の考え方は取らない」という。政府税調の責任者は小泉総理のはずだが、自民党は選挙では政府と違う主張をするというのだろうか。

僕が、これから自民党や小泉総理の支持率が落ちてくる、と考えるのは、マスコミや有権者の関心が、段々と郵政一点から、政策全般へと向かってくると思うからだ。そうなれば、自民党のマニフェストが年金や財政再建についていかにいい加減なものであるか、唯一の売りである郵政民営化についてすら、穴だらけであるということが分かってくる、少なくともまともな政策論争となったら、すきだらけであることが明らかになってくると思うからだ。

小泉総理は8月8日夜の会見で「これは郵政解散だ」と述べた。これは正しい。解散権を持つ総理が郵政民営化法案が否決されたから解散したのだから、権限を持つ総理が郵政解散だと言えば、そうだろう。

しかしだ。では今回の選挙は「郵政選挙」なのだろうか。小泉総理はそう叫んでいる。だが、これは正しくない。なぜか。それは、解散するか否かは総理が決めるが、投票するのは有権者であり、総理大臣に選挙の争点を決める権限はないからだ。「郵政選挙」にしたいという総理の気持ちはよくわかる。しかし、おそらくそうはならないだろう。小泉劇場に見入っていた有権者はある時点でハタと立ち止まるだろう。今回の選挙で自分は一体何を政治にして欲しいのだろうか、と。

あとは時間との勝負となる。感情に訴える小泉劇場の伝染力は強力だったが、政策論争はなかなかストレートには伝わりにくく、またいったん勢いのついた世論の流れは急には押し返せない。だが、民主党はそれに賭けるしかない。有権者を信じる、その思いだけを胸に逆風の中を進むしかない。
[PR]
by redhills | 2005-08-22 22:09

●小泉劇場「仁義無き戦い」

解散から1週間が経ちましたが、みなさんの目には現在興業中の小泉劇場はどのように見えているのでしょうか。いちおう、僕の所感を以下に述べたいと思います。

今回の解散はここまではほぼ完全に小泉のシナリオ通りに来ていると思います。

法案を否決する瞬間まで小泉内閣は総辞職すると思いこんで票集めに奔走していた亀井ら反対派のアホぶりは噴飯ものですが、では野党民主党はといえばこちらも似たようなもので、執行部が大変な作戦ミスを犯しました。

どういうことかというと、郵政民営化問題を軽視していた。小泉の出してきた法案の余りの筋の悪さに、まさかこれをそのまま通すとは思わなかったし、与党内でなんだかんだ揉めていても最後には妥協して法案は可決するだろう、と思っていた。世論調査でも郵政民営化は優先順位の低い政策課題であり、景気対策や年金問題が世間で関心のあるイシューであるはずだった。

ところが、衆議院で5票差という僅差での可決となり反対派が勢いを増してくるに従って、参議院での与党内の賛否がクローズアップされてきた。いつしか政策が政局になり小泉自身何度と無く「法案の否決は内閣不信任とみなす」と発言して解散を匂わせたが、民主党執行部は1ヶ月以上の間何の手も打たなかった。

そう、何の手も打たなかった。

今、民主党批判としてしきりに言われているのが「対案を出していない」というものだが、これは世間の誤解であると同時に、何より民主党執行部の怠慢の結果なのだ。

民主党は2年前の前回衆院総選挙の時から、郵貯・簡保資金を縮小することを主張していた。おそらくそれは正しい。政府案よりもはるかに実のある効果があるだろう。しかし、執行部はこれを世間に告知する努力を全く怠った。

それはなぜかといえば、前述したようにこの問題を軽視していたから。
執行部には、「このまま来年か再来年に小泉の次の総理との間で選挙となる。今の流れで行けば自民党に勝てる。うまくいけば単独過半数も夢じゃない」といった緩んだ空気があった。これは自分だけの意見ではない。とにかく、どうしようもなく弛緩した空気が党内にあった。寝ておれば政権が転がり込んで来る、そういった暗黙の雰囲気があったに違いなかった。

それが、想定外の真夏の解散劇で備えも無く泡を食ったのだ。いや、実はそうではない。解散直後ですら、もう勝ったつもりでいた幹部がいた。千載一遇のチャンスだと浮かれていたということからも執行部の空気が読める。役者は小泉の方が何枚も上だった。

今の状況は、初回に7点の大量リードを奪われたといってよい。民主党候補は行く先々で「民主はなんで郵政民営化に反対なんだ」「対案をなぜ出さないんだ」という非難を浴びている。それも、民主党支持者からなので衝撃は2倍なのだ。

小泉総理は確かにその就任時より郵政民営化を政策の柱として主張してきた。しかもそれは総理になる時からではない。郵政大臣だった時に言いかけて大問題になったこともあり、その思いには嘘は無い。しかし、政治家のコトバはそう単純なものではないのだ。今回の解散劇には、改革への熱意だけではない、彼の中に澱のように積もり積もった怨念、派閥に煮え湯を飲まされてきた30年の意趣返しが濃厚に込められている。信念と打算、情熱と怨嗟、それが高度にミックスされたのが、今回の小泉劇場なのだ。

まったく、上手いもんだ。マスコミは自民党内の抗争ばかりを取り上げる。世間は「純ちゃん、負けるな」とエールを送り支持率はうなぎ登り、反対派はすっかり悪役になっている。それにいつの間にやら民主党を始めとする野党は選挙の蚊帳の外に置かれている。37人の反対派に対する37人の刺客がひとり、またひとりと、ヴェールを脱いでゆく。その度にマスコミは報道する。おそらく、亀井の対抗馬は告示ギリギリまで隠されるだろう。小出しにするのだ。選挙戦に入る直前まで、出来るだけ長く、この話題で引っ張る、これが小泉劇場のキモだ。しかも、「有権者に郵政民営化賛成の選択肢を与えるためだ」という、立派な理屈もあるから、天下御免の仁義無き戦いなのだ。日本中を巻き込んで、役者冥利に尽きるとはこのことだろう。総理も、刺客たちも。

ただし。僕の感覚では熱も少しずつ冷め始めている気配がする。まずこの話だけで選挙に突入することはないと思われる。頃合いを見計らって、ようやく民主党も反撃に転じつつある。郵政で出鼻に奪われた大量リードを郵政で同点に持ち込むのは難しくとも、押し返してから別の争点で点を取り返せばよいのだ。

小泉劇場は主役の思惑通りに幕は開いた。しかし、これからの動きはまだまだわからない。僕は、有権者は格別賢いとも思わないが、またそれ程愚かだとも思わないのだ。
[PR]
by redhills | 2005-08-16 00:35

●筋書きの無いドラマが始まる

賛成108票。反対125票。
午後1時44分、参議院本会議場。
この瞬間、郵政民営化関連法案は大差で否決された。

午後7時4分、衆議院本会議場。
解散の詔書が読み上げられ、議場に万歳の声が響き渡った。
ここに、3年連続の国政選挙が確定した。

バブル崩壊から15年。
これは黒船来航から明治維新までにかかった年月と重なる。
果たして政権交代はあるのだろうか。
周りがいきり立つなか、僕は醒めていた。


法案に反対した国会議員たちに問いたい。

あなたたちは郵政民営化を不要だと考えるのか。

政府が郵貯、簡保の莫大な国民の資産をポケット代わりに使い、財政投融資と特殊法人というトンネルを通じて莫大な借金を作りだした。この現在の国家財政の惨状にどう対処すべきなのか。あなたたちは、郵政民営化に代わる青写真を提示し、国民にその信を問うべきではないのか。

あなたたちは審議が足りなかったと言うのか。

郵貯、簡保の問題は、バブル崩壊後、いや、20年前のプラザ合意の時から意識されていたはずだ。そのことを知らなかったとは言わせない。あなたたちは、この国会であれだけ長々と審議しておりながら、まだ何がどうなるのか、わからないというのか。

郵政民営化問題を政局にしたのはあなたたちではないのか。

何百兆円の資産の行く末を決めるという重要な政治課題であるにもかかわらず、国会の外には郵政民営化が重要であるという理解は充分に得られなかった。政府はその重要性を何度と無く強調したが、民営化を避けたい特定勢力の後押しを受けたあなたたちは、あえて政策論争を挑まず、非現実的な、主に地方在住者の不安を煽るかのような言動を繰り返し、解散絡みの事態へと誘導していったのではなかったか。
「信念だ。殺されてもいい」と、小泉総理は言った。追い詰められたのはあなたたちではなく、あなたたちこそが、総理を追い詰めたのではないのか。

小泉総理の自民党総裁選での公約は何だったのか、あなたたちは覚えているのか。

2001年、小泉総理は「自民党をぶっ壊す」といって颯爽と登場した。その時に掲げた大看板の1つが「郵政民営化」だった。小泉純一郎の言っていることは4年前と変わっていない。それを、あなたたちは何を今更ごねているのだ。もっとも筋を通したのは総理ではないのか。変わったのは、あなたたちではないのか。

2度の参院選、一昨年の総選挙で小泉総理に助けられたのはいったい誰なのか。

2000年の解散総選挙を思い出す。
4月、突然小渕総理が倒れ帰らぬ人となった。自民党は5人の鳩首会談を開き、急遽、森幹事長を総理にした。解散への流れが加速する中、「有権者は寝ててくれればいい」などという発言をする総理は政権を危うくし、公明党の助けによって危うく難を逃れたのであった。
これに懲りた自民党は翌年、地方役員や一般党員も巻き込んだ総裁選挙を行い、一般有権者に人気のある総理・総裁を誕生させた。それが小泉総理だった。自民党の思惑は的中し、2001年の参議院選挙は圧勝した。
その後も拉致問題などで国民的人気は衰えず、2003年の衆議院総選挙でも安定的に政権維持を果たした。選挙情勢の厳しい候補者たちは、「総理は来てくれないのか」と、救世主の到来を待ち焦がれていた。自分の子飼いの当選を願う派閥のボスたちも同じだった。

それが今やどうだ。かつての恩も忘れ、様々な理屈をつけて小泉総理を罵倒し、貶し、変人扱いし、自らこそが正統なり、という顔をしている。

理? 理だって? ばかいっちゃいけない。そんなものはいくらでも作れるんだ。理を超えた所に政治的行動の根を持たないような輩に国の未来を任せる気など、僕にはない。

これは、本音では郵政民営化が必要だと知っている野党も同じなのだ。自民党のゴタゴタを見て内心シメシメと思っている奴らも同類なのだ。

でも、まあ、いい。

すでに匙は投げられた。

いよいよ、筋書きの無いドラマが始まる。

暑い、熱い、夏が始まる。
[PR]
by redhills | 2005-08-08 19:08



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
フォロー中のブログ
カテゴリ
以前の記事
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧