"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

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●バルサの冒険・その3 「トラウマ」~vsミラン(1)

<高い壁>
 いよいよ悲願のヨーロッパの頂点が見えてきた。越えなければならない山もあと2つ。しかし、準決勝で我がバルサに与えられた試練はこれまでになく厳しいものだった。

 ACミラン。バルセロニスタにとって一番聞きたくない名前だ。トラウマのように残る記憶。1993-94シーズンのCL決勝。ヨハン・クライフ率いる「ドリームリーム」バルサとカペッロ率いる「グレンデ」ミランとの激突は歴史に残る試合になるだろうといわれていた。ところがふたを開けてみれば0-4の完敗。以来、バルセロニスタの胸にはこのときのショックが深く胸に刻まれた。
 去年のCLでは1次リーグで同じ組に入り2試合を戦ったが、お互いにホームゲームに勝ち、1勝1敗、合計スコアも2-2で同じだった。しかしこれがもしも決勝トーナメントであったら、アウェイゴールをあげたミランが勝ち抜けていた。バルサがもっとも苦手にしているチーム、それがミランなのだ。

 今回の戦いにおける両チームの因縁はこれだけではなかった。アンチェロッティとライカールトは選手時代、ミランでのチームメートであった。その2人が今、今度は敵味方に分かれ、片やミランの、そして片やバルサの監督として戦うこととなった。特にライカールトにとっては、ミランのホームスタジアムであるジュゼッペ・メアッツァの芝は懐かしいだろう。ここで幾度も名勝負を繰り広げ、伝説を作り上げたのだから。もちろん、スタジアムを埋めたミラニスタ(ミランのファン)達も彼を暖かく迎えた。「お帰り、フランク」と。胸にこみ上げるものはあったかも知れない。だが、彼はいつも通りクールだった。

<豪華な役者たち>
 今期のCLではくじ運にも恵まれているバルサは、またまたアウェイでの第1戦。大一番を迎えたバルサだがやり繰りは厳しい。なんと言っても痛かったのは、順調に行けば復帰可能のはずだったメッシが間に合わなかったこと。依然使えないシャビに加えて今度はラーションまで怪我で欠場、おまけに、もっとも必要な選手である、デコまでもが出場停止という、非常事態である。対するミランはほぼベストメンバーで来ると思われたが、なんと絶好調の伊達男フィリッポ・インザーギが風邪で出れないというアクシデント。今一番乗っている点取り屋がいないということに少し安堵する。

 ということで、バルサはデコの代わりにイニエスタを投入、ボメル、エジミウソンと中盤を構成。メッシ、ラーションを欠いたアタッカーはロニー、エトオ、そして右サイドにはフランス代表のジュリが入った。ディフェンスラインはジオ、プジョル、マルケス、オレゲル、そしてGKバルデスのいつものメンバー。相手がミランでも4-3-3は変えない。
 ミランはGKジダ、そして、セルジーニョ、カラーゼ、ネスタ、スタムの経験豊富な4バック。中盤の底にピルロが構え、左右にセードルフとガットゥーゾ、トップ下にカカ、2トップにシェフチェンコとジラルディーノという、これもいつもの4-4-2の布陣。さあ、役者は揃った

<見所満載>
 この試合、両チームとも各国代表ばかりの上に、両監督とも「相手がミラン(バルサ)だろうと、戦い方を変えたりはしない」「ロナウジーニョ(カカ)がいくら素晴らしいからといって、マンマークなどという手は使わない」と、真っ向勝負を宣言していた。当然だ。ミランにはミランの、そして、バルサにはバルサの誇りがあり、戦術とチーム力に絶対の自信を持っているのだ。最高レベルのテクニックを持つ個人の力に、磨きぬかれたチーム戦術、システムが淀みなく融合した両チームだから、ボールがどこにあっても興味深いマッチアップがあり、本当に片時も目を離せない。素晴らしい攻防が始まる。

 世界一のストライカー、シェバ(シェフチェンコ)が危険地域に侵入すれば、すかさずプジョルが体を寄せる。ピルロからのパスにカカが反応すれば同じブラジル代表のエジミウソンがパスコースを塞ぐ。そしてバルサの左サイドでロニーがボールを持てば、浅い位置ならばガットゥーゾが、ゴールに近ければスタムがガツガツ当たってくる。それを嫌ってセンターへ流れてくれば、ピルロやネスタが待ち構える。ジュリの右からの走り込みにはセルジーニョが目を光らせる。ピッチのあらゆるところで、サッカーファン垂涎の、世界最高レベルの競り合いが随所で繰り広げられていく。序盤、ゲームを支配したのはミランであったが、1人の男がその流れを変えてゆく。
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by redhills | 2006-06-07 16:43 | サッカー

●テストマッチを終えて

 ジーコジャパンはワールドカップ直前のドイツ、マルタとのテストマッチを終えた。

 この時期の試合には勝敗を越えた様々な意味がある。各選手のコンディションや戦術の確認、想定される様々な事態への対応の予行演習、見落とした課題の発見、本番前に自信をつけること、などなど。そういった意味からして、この2試合は非常に実り多いものだったように思う。

 ドイツとマルタというマッチメークは良い。
 まず対戦順。最後に強豪国と試合をすることはメンタリティー上も得策ではない。本番直前の試合は、余裕を持って目的や課題を確認する意味合いで戦える相手を選ぶべきなのだから。
 相手国の選択もまあまあ。ドイツは仮想オーストラリアだろう。フィジカルが強くガリガリ当たってくる相手、体格差を利用したハイボールによる放り込みを得意とする相手というのは、日本がやや苦手と思われるので、願ったりだ。それにドイツは最初に試合をするから仕上がりは一番早いはずだから実戦体験としても良い。しかもドイツはオーストラリアよりもテクニックがあるから、クロアチア対策と言えなくもない。ちなみに仮想ブラジルはオランダやボスニア・ヘルツィゴビナということになるだろうが、強すぎる相手と対戦するリスクも考える必要もある。その点オーストラリアはヒディンクの母国ということもあるが、オランダと1-1で引き分けたのは大いに自信になったころだろう。ただし、日本にとっても参考になったし、あのプレーは本番ではもっとイエローやレッドが出るだろうが。

 さて、試合内容なのだが、ドイツとの2-2という結果にまず喜びたい。
 何よりフォワードが点を取った。これが最大の収穫だろう。ジーコジャパンが本番前に是非とも欲しかったもの。それはフォワードの自信。シュートを打てば入るんだ、という思い。これこそ、プライスレス。試合の中で、彼らが点を入れない限り得られないものが得られた。

 点の取り方も良かった。「セットプレーでしか点を取れない」という悩みを解消し、1つは相手のボールを奪ってからの、流れるような、素早く、複数の選手の動きが連動した切れ味の鋭い速攻、もう1つはフォワードの個人技と、多彩な攻撃力を見せた。対戦国にはやっかいな事態となったことだろう。

 試合運びも理想的だった。こういう試合はまず相手に真剣にやってもらわなければならない。そのためには日本が先制する必要があったのだが、それが実現した。それに、日本は格上国との試合でリードすると、すぐ守りに入っていいように攻め込まれるのだが、今回は続けて2点目を取ったのがこれまた大変良かった。しかもアウェーゲーム。ワールドカップ開催国がホームで、プロリーグが始まってまだ15年に満たない東洋の小国に0-2とリードされたのだ。これには見ているドイツ人が黙っていない。ブーイングまでが起き、騒然となるスタジアム。ドイツは追い込まれ、本気を出してくれた。最高のシチュエーションになった。

 で、ここからが本当のディフェンスの実戦演習になったのだが、押し込まれるのはしょうがないとして、ドイツのラフプレイが酷く、加地がシュバインシュタイガーに後ろからタックルされて負傷退場。冷静になれ、と言いたくなった。これはマイナス。しかし交代で入った駒野がいい動きをして、穴を感じさせない。これはプラス。
 その後も空中戦に競り負ける場面が増えていき、2失点して追いつかれてしまう。セットプレー、ハイボールという絵にかいたような失点。けれど、これはこれでいい失点だった。これがオーストラリア戦だったら取り返しがつかないが、テストマッチなら失点しても本番に生かせば良い。ジーコはじめスタッフは対戦して良かったと思ったはずだ。だからこれもプラス。

 そして、勝ち越しを許さなかったこと。これも地味だがプラス。凌ぐ場面というのは本番でも必ず出てくるはずだから、いい練習になったはず。

 では、実り多かったドイツ戦に対して、開始2分の1点に終わってしまったマルタ戦をどう考えるか。点が取れなかったことを嘆く向きもあるだろうし、現に自分も物足りなかったが、無駄な試合であったわけではない。

 つまり、守りに入った相手からどう点を取るか、という練習になったと思うのだが、選手の動きがどうも重い感じがした。疲れが出ているのかもしれない。確かに点は1点しか入らなかったが、惜しいシュートがポストをたたいたりして、もっと点が入る可能性もあったと思うし、そう悲観的にならなくても良いと思う。それに、何度かあった逆襲のピンチを切り抜けたのは、まあ良かった。本番ではもっと切れの良い守備をしないと駄目だろうが。

 ということで、意味のあるテストマッチを意味のある内容で終えたジーコジャパン。いよいよ本番まで1週間。初戦が一番大事だ。必勝でいかねばならない。日本のプレーをすれば負ける相手ではない。がんばって欲しい。
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by redhills | 2006-06-06 14:17 | サッカー

●もれなくお金がついてきます

 昨日、村上ファンドの村上さんが逮捕された。
 ライブドアによるニッポン放送株の買占め情報にたいするインサイダー取引容疑ということだった。
 で、最後までお騒がせな村上さん、逮捕される前に記者会見を開いて罪を公に認めて頭を下げたのはいいのだけれど、ついでに、(というかこれがメインディッシュみたいだったけど)言いたいことをぶちまけてた。

 いや、テレビなんかの報道だけじゃあ、実際はどういう人なのかはわからないんですけど、胡散臭い独演会でしたね。インサイダー情報について「聞いちゃったといえば、聞いちゃったんですよ」ってのは、いかがなものかなあ。それから「ぶっちゃけ、僕が儲け過ぎたから嫌われたんでしょ。実際儲けましたから」なんて…もう、正直なお方です。

 物言う株主っていうスタンスは大いに時宜を得ていて評価されても良いと思うんですよ。でも、村上さんは、「企業の価値を高めていこう」という言葉とは裏腹に、実際には買い占めた株が値上がりすると、すぐさま売り抜けて利ざやを稼ぐ、ということを繰り返していたわけです。正に口先三寸ていうやつで、ただそれがまた資本主義に忠実な感じもして不思議な感じもするわけですが、バフェットさんのように、有望企業の株を長期保有するというような、本当の機関投資家とは似て非なるもの、似非(えせ)であったことは明白なわけです。
 かっこいいこと言ってても、その行動の後ろにはもれなくお金がついてくる。ま、彼はバフェットさんみたいに自腹で資金を運用しているわけじゃないから、出資者のプレッシャーは受けていたでしょうけれどもね。少しかわいそうな気もするな。

 でもね、阪神の星野さんが言った「天罰が下る」というコメントに対して、「健全な青少年を育成する役目も持ったプロ野球の指導者がこんなこといっちゃいかん」ってまくしたててたのはおかしいと思うなあ。
 「悪いことすると、誰も見てないと思ってもちゃあんとおてんとさんが見てるから、そのうち天罰が下る」なんて、とおっても教育的じゃないの。そう思わない?、村上さん。
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by redhills | 2006-06-06 12:53 | ニュース

●バルサの冒険・その2 「両雄」~vsベンフィカ(2)

<驚きは少なく>
 1週間後の第2戦。例によってバルサTV(倉敷&金子)で観戦。まったりしていて良い。やっぱりライカールトとクーマンのことから話が始まる。
 シャビ、メッシ、マルケスは相変わらずダメで、今度はモッタが故障。その代わりプジョルの出場停止が解けたので、プジョル-オレゲルのセンターバックコンビ。それ以外は第1戦と変わらず。ベンフィカはヌーノ・ゴメスがまた欠場。

 試合は仕方ないけどバルサの優勢で進む。どうもボメルが高い位置でプレーしてるから、イニエスタがボランチみたい。イニちゃんはキープ力もあるしパスセンスもあるから安心してみていられる。3分でいきなりハンドでPKゲットするも、ロナウジーニョのシュートがあのキーパーにセーブされる。ロニー(ロナウジーニョ)くやしそう。ま、チャンスはまだあるでしょ。カンプ・ノウのお客さんもロニーを声援で後押し。と思ってたら18分、右サイドからエトオがセンタリング、ラーションが駆け込んでおとりとなった後ろからロニーがごっつぁんゴール!さっきのこともあってちょっと恥ずかしそうなロニー。

 ただベンフィカにとっちゃ、1点取られても状況に変化は無い。1点とって1-1なら勝ちだから。戦術は徹底していて、トップのミッコリがしきりにラインの裏を狙って飛び出してチャンスを作る。バルサの最終ラインはこういうタイプに弱いんだよね。スピードで抜かれかけてヒヤヒヤする。早く2点目とって楽になりたいのになかなか突き放せない。なんとなく第1戦の感じに似てきたか…。
 案の定、86分、いやなところでファウル。ハイボール、セットプレー、バルサの弱いところ。と、裏をかいてミドルシュートがゴール右隅へ!バルデス、かろうじてはじき出す!ふう、っとホッとした直後の88分に素晴らしい胸トラップからエトオがゴール!やっと試合を決めた。

<バルサの肝>
 試合内容については余り書くことは無いんだけど、この試合では(この試合に限らないんだけど)デコとラーションが実によく効いてた。
 ここ2、3年のバルサの復活はライカールトとロニーがやってきたことから始まったといわれることは多いけれど、それを確たるものにしたのはデコとラーションの加入だと自分は考えてます。特にデコについては、プレー自体だけでなく、その存在がシャビやイニエスタの成長を促した点も見逃せない。

 まず、あの顔(^o^)絵に書いたような八の字眉毛が親しみを呼ぶ。タオル首に巻いて工事現場とかにいそう。それにデコって名前がかわいい。そうそう、関係ないけど、バルサって名前がかわいい選手が多い。モッタって、モタモタしてそうでおかしいし、プジョルなんてローマ字読みするとプヨルだよ!プヨプヨしててそれだけで笑える(顔はぜんぜんイメージとかけ離れてるけどそれがまた笑える)。シャビはチャビで、ちびっ子ギャングって感じ。そんでその相棒のイニエスタはオルケスタって感じで何となく晴れやかな感じしない?で、二人でちびっ子ペア(実際身長低いし)。あ、もう1人のちびっ子、メッシも忘れちゃいけないね。それからエトオって日本人みたいだし、名前挙げるだけで楽しいや。

 そうそう、デコの話だった。
 取り立てて珍しい意見じゃないけど、バルサの中心はロニーじゃなくて彼だ。彼は非常にテクニックがあり、状況判断にすぐれ、フィジカル、メンタルともに強靭。攻撃ではロニーの陰に隠れてるけど(ロニーが素晴らしすぎるんだね)、ロニーを効果的にフォローしてるのは彼だし、ロニーが行き詰っているときは彼が前面に出て相手のディフェンスを散らしたりして、実にうまーく手助けしている。忘れちゃいけないのは、ロニーがいない場合は彼が攻撃の中心になれる力があること(実際にポルトでCLを制した)。またディフェンシブなポジションも完全にこなすことが出来る。正に攻めと守りの結節点にいるチームの肝。
 それに何より賢い!僕は現役のサッカー選手ではアンリと並んで最も賢い選手だと思う。ゲームの中での流れの変化を読んでそのときそのときで最も必要なプレーを選択し、それを実践できる。それにとても大人だ。ロニーに花を持たせて彼を褒めたり、モリーニョの揺さぶりにすかさず反応してチームを落ち着かせたり、精神的な支柱としても欠かせない。監督にとって、戦術を組み立てる上で最高に頼りになるプレーヤーだと思う。

 で、何が言いたいのかというと、この試合でデコがイエローもらってしまった。つまり次の試合、準決勝ミラン戦の第1戦に出場できなくなってしまったわけだ。デコを欠いたバルサ、しかも相手はあのミラン。チェルシーという壁を突破したここに来て、よりによって、一番の難敵を前にして攻守の要を失ったバルサがどう戦うのか?!ハラハラしながらCL準決勝を待つこととなった。
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by redhills | 2006-06-04 01:22 | サッカー

●バルサの冒険・その2 「両雄」~vsベンフィカ(1)

<ポルトガルサッカー>
 激闘が予想されたチェルシー戦に完勝した我がバルサ。チャンピオンリーグベスト8の相手はポルトガルの古豪ベンフィカとなった。
 ポルトガルの1部リーグ(スーペルリーガ)は昔からベンフィカ、ポルト、スポルティングリスボンの3強が覇を競い合っているが、グローバル化が進み有力選手のビッグクラブへの集中が進む現代サッカーでは、なかなか頂点に立つことができなかった。そんな中2年前にポルトがCLを制したことは驚きであったが、そのときの中心プレイヤーがバルサの肝ともいえる存在であるデコであり、チェルシーに行ったフェレイラやカルバーリョであり、そして監督はモリーニョであった。
 でも正直ポルトガルのクラブについてはそれくらいしか知らないし、ベンフィカの選手なんてぜんぜん知らないんで、両チームの監督について書いてみる。両監督の対決、という記事を載せたメディアも多かったらしいし。

<クラブの英雄>
 ライカールトとクーマン。2人はなんとまたまた同い年(ということはモリーニョと3人とも43歳!)。そして、ともに元オランダ代表。クーマンは今は亡きポジション「リベロ」の代名詞であり、最終ラインの真ん中にデン、と君臨したが、守備だけの人ではなく、セットプレーでは太い右足を振りぬいて弾丸シュートを叩き込んだ。その威力は今で言えば全盛期のロベカルと同じと思ってもらって良い。驚異的な長距離砲だった。

 しかしクーマンについてはもっと重要なことがある。バルセロニスタにとって、クーマンは永遠の英雄なのだ。彼はヨハン・クライフに率いられた「ドリーム・チーム」(1990年代のバルサの黄金期)の不動のメンバーとして大活躍したのだ。それは忘れもしない、1991-92シーズンのヨーロッパチャンピオンズカップ(CLの前身)の決勝戦。豪快にフリーキックを決めてバルサに史上唯一のヨーロッパタイトルをもたらしたのが他ならぬクーマンなのだ。だから今でもバルセロニスタはクーマンのことを慕っている。バルセロナのあちこちでは今でもあのフリーキックが語られている。

 方やライカールトはクラブとしてはACミランの黄金期の中心選手であり、それはバルサにとっては苦い思い出につながるのだが、それが今やバルサの監督としてバルセロニスタから絶大な信頼を獲得しつつある。だから今回の対戦にはチェルシーと戦うときのような殺気は感じられず、戦う前から両チーム、両監督の間には、相手に対する敬意のようなものが感じられた。

<第1戦>
 3月28日、第1戦はリスボンのエスタディオ・デ・ラ・ルスでのアウェイゲーム。ライカールトとクーマン、なぜかダークスーツに赤いネクタイという全く同じ格好。赤はベンフィカカラーだし、うーん、これは前日に相談したな。
 バルサはシャビ、メッシだけでなく、エジミウソンとマルケスまでもが怪我で欠場のうえに、プジョルは出場停止という非常事態。センターバックのレギュラーが2人とも出られないため、オレゲルとモッタのコンビになる。右サイドにはベレッチを置き、中盤はデコ、ボメル、イニエスタ。フォワードはロナウジーニョ、エトオ、ラーション。キャプテンマークはロナウジーニョが付けている。ベンフィカは知らない名前ばかりだけど、点取り屋のヌーノ・ゴメスが出れないのはありがたい。

 試合は予想通り、バルサが圧倒的にボールを支配して敵陣に攻め込む。しかし、ベンフィカも伊達でマンチェスターユナイテッドやリバプールを破ってきたわけではない。それにポルトガルとスペインは隣国。ライバル意識は当然強く激しく応戦する。デコは1人強烈なブーイングを浴びる。かわいそうに、ライバルチームのポルトにいたからだけど、それは彼もよくわかってるみたい。
 それにしても、ベンフィカのキーパーが珍プレイを連発してくれる。味方のバックパスをキャッチしてしまったり、ディフェンダーへのパスを蹴り損ねたりして何度と無く大ピンチを招く。でも逆に、決定機でファインセーブを連発して失点を防いだり、1人で試合を盛り上げている。よくわからん。

 バルサのチャンスが連続する。14分(イニエスタ)、17分(デコ)、42分(エトオ)、56分(ラーション)、57分(モッタ)、60分(ボメル)、すべて決定的だったのだが、コースを外したり、キーパーの正面をついたり、ファインセーブにあったり、ポストに嫌われたりと、ことごとく決まらない。バルサの攻撃の多彩さに目を見張る(どれ一つとして同じパターンが無い)と同時に、こうもツキに見放されるのも珍しいなあ、と思う。さすがにバルサも攻め疲れか攻撃に鋭さがなくなってくる。こういう時って、ワンチャンスでゴール決められちゃったりするんだよねえ、と不安になってくる。

 案の定、試合終盤に危ない場面が何度か出てくる。ペナルティーエリア内での明らかなハンドが取られなかったので命拾いしたりして結局、スコアレスドロー。内容では圧勝なのに変な気分。まあ、アウェイだし、いっか。
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by redhills | 2006-06-01 23:31 | サッカー

●バルサの冒険・その1 「雪辱」~vsチェルシー(4)

<第2戦へ>
 アウェーでの第1戦、バルサは逆転で勝利を収めた。昨年とスコアは同じでも、今年は昨年と逆で初戦がアウェーであり、そこで2ゴール挙げたのだから我がバルサは圧倒的に優位に立った(2戦の合計スコアが同じ場合、アウェーゴールの多いほうを勝者とするため)。
 で、やはりというか、モリーニョ、いろいろと難癖つけてきた。問題となったデルオルノ退場について「メッシは演技が上手い」「(11人で)プレーをさせてくれ」などと文句をたれている。まずデルオルノのプレーについて反省しろよ。ま、揺さぶりだろうし、こちらとしちゃ相手にしないのが得策だけどね。

 2週間後の3月7日、第2戦。舞台はカンプ・ノウ。ラポルタ会長就任後最多となる98436人の大観衆が詰め掛けた大一番。バルセロニスタの胸に昨年の悔しさが蘇る。何故かフジが放送しないのでケーブルのバルサTVで見る。実況倉敷、ゲスト解説金子のおなじみの二人。サッカー専業でやってるしバルサ贔屓でやってくれるので心地よい。

<ゲームの目的は何か>
 先発メンバー。チェルシーは左サイドバックにギャラスが復帰し、中盤はグジョンセンではなく、ダフが入って左サイドのアタッカーに、その代わりにロッベンが真ん中、そして1トップはドログバできた。バルサは前回と変更なし。自信あり、てか。
 まずバルサはにとっては優位に立っているから無理に攻め立ててカウンターを食らうことが一番怖い。チェルシーにとっては、勝ち抜くためには2点取らないといけない。おかしな気もするけど、バルサに1点取られてもその状況に変わりは無いわけだ。

 というわけで、カウンターサッカーのチェルシーが攻めねばならず、バルサは敢えて勝ちに行く必要は無いということで、両者の立場はかなり異なっている。バルサはそれを十分に分かっており、ボールを支配しつつもカウンターに備えて両サイドバックの攻め上がりを控え、慎重な立ち上がりを見せる。
 アフリカ最優秀選手を2票差でエトオに取られたドログバのライバル心はすごいのだが、不発。23分にメッシが負傷退場するというアクシデントがあったが、代って入ったラーションがすかさずシュートを放つなど、ゲームの大勢に影響は及ぼさない。それよりも、第1戦で大いにバルサを苦しめたロッベンの左サイドからの攻撃が無いのでとても守りやすい。モリーニョの企みが見えない。何を考えているのか。やや膠着状態のゲームなのだが、ロナウジーニョの楽しいプレーが試合を飽きさせない。

<後半>
 ようやく後半になってモリーニョが動く。ドログバをクレスポに、ダフをグジョンセン
に代え、ロッベンを左サイドに。しかし、バルサはボールを支配し続けてチェルシーの攻撃のチャンスを与えない。数少ないその芽も、ロッベンのカウンターにはオレゲルだけでなく、デコやエジミウソンがフォローに入ることで、ランパードやグジョンセンからのクレスポへのパスもデコやモッタの早いチェックとプジョルやマルケスの体を張ってのプレーで潰してゆく。スコアレスのまま時間だけが過ぎてゆく。

 試合が動いたのは77分。エトオとのパス交換からロナウジーニョがフリーでドリブルを開始。あっという間に加速し、最後には、なんとテリーを吹き飛ばしてGoooooooal!!!すごい!ロナウジーニョがそのドリブラー、ストライカーとしての能力を爆発させた、圧巻のゴールだった。強さと上手さ、美しさが一体となったプレーだった。
 モリーニョはフートを投入してハイボールでの勝負を挑むが効果が無い。最後に妙な判定からチェルシーがPKを決めたが、その直後に笛が鳴る。こうして合計スコア3-2でバルサは雪辱を果たした。とても安心して見ていられた、非常に満足の行くゲームだった。

<何が違っていたのか>
 さて、昨年と比べて今年は何が違っていたのか。いろいろあるけれど、最大の違いはディフェンスだと思う。とにかくディフェンス力がグン、と上がった。最終ラインの安定感はまだまだだけど(特に右サイドとかハイボールへの対応とか)、前線から中盤の守備への意識が高く、チーム全体での組織的なチェックが機能し、それが試合終了まで途切れなかった。フォワードのエトオやメッシ、ラーションも労を惜しまずにボールを追い、デコやモッタ、エジミウソンもランパードやマケレレらボールの出所を押さえ込んだ。特に素晴らしいのはボールを奪われた直後の守備への切り替え。たちまち2、3人で相手を囲みこんでボールを奪ってしまう。日本がお手本にしたいプレスだった。

 試合後のコメント
 ライカールト 「非常に戦術的な試合だった」
 ランパード 「バルサに優勝してほしい。どこよりも魅力的なサッカーをしている。歴史に名を刻んでいる最中だろうね」
 デコ 「これまでで一番満足できる試合だった。僕らは成熟したチームであるということを示せた」

 そのとおり、バルサが成長したことをはっきりと示した一戦だった。
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by redhills | 2006-06-01 14:37 | サッカー



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。
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