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"the Akasakan diary"    ~リトル君の赤坂日記

日経・7月24日 上から 分割? タダ

今日の記事は

・立地条件別に数値目標~公立病院改革 (5面)
・グッドウィル介護事業、分割売却の公算大 (13面)
・ホームヘルパー養成講座、受講無料に~ヒューマン (15面)

の3本です。

 先日お伝えした、公立病院改革に関する動向です。公立病院の経営健全化に向けた指針を議論する有識者懇談会「公立病院改革懇談会」の初会合が開かれ、病院の人件費や利用状況に関する数値基準などを検討し、秋をメドに指針案をまとめる方針を確認しました。これを受けて総務省が年内に指針をまとめ、来年度に各自治体に、公立病院の経営改革計画の策定を義務付けます。税(交付金)をエサにした従来型の「上からの」改革です。

 一向に進展しないグッドウィルグループの介護事業の売却ですが、話題となっている一括売却は難しそうです。同社はまだ一括譲渡は断念していないと言っていますが、厚労省を始めとして、政府や与党、自治体の多くが分割が望ましいという立場に立っており、すでに同社は自分で方針を決めることが出来なくなっている模様です。売却先選定の主導権は依然不明確なままです。

 人材派遣のヒューマンホールディングスは、修了後最低1年間、訪問介護や介護施設などで同社の派遣スタッフとして働くことを条件に、ホームヘルパー養成講座の受講料(9万5千円)を無料にします。景気拡大でより労働条件の良い業種に人が流れ、人手不足が深刻になっているためです。
# by redhills | 2007-07-31 16:37 | ニュース

日経・7月23日 人材難 開発

今日の記事は

・介護職員「40万人増員必要」~厚労省推計 (3面)
・ペットも高齢化、犬用サプリ開発~金子いづるさん (19面)

の2本です。

 厚労省は、団塊世代の高齢化に伴う介護ニーズを賄うには、14年までに介護職員などを40~60万人増やす必要があるとの推計をまとめました。現状に比べ4~6割増となる計算ですが、これを実現するのは容易ではありません。それは介護業界の厳しい労働状況に起因します。
 介護職員は離職率が04年度で20.2%と、全産業平均(17.5%)に比べて高く、また給与水準も、福祉施設で働く男性介護員で平均年収が約315万円、女性ホームヘルパーで262万円と、全労働者平均(約452万円)を大きく下回っており、現時点で人材難が深刻です。給与水準を引き上げるには財源が必要で政府も苦慮しており、それに加えて04年度以降の景気回復による雇用情勢の好転が助長しています。外国人労働者の受け入れ拡大も含む抜本策が必要との指摘も出ています。

 サプリメントで実績のあるファンケルが犬用サプリ「グッドペットシリーズ」を発売したのは03年ですが、発案者の金子さんが「犬の生活も人間と同じ。生活習慣病やストレス対策にサプリが必要」と思い立ったのは、その5年前でした。犬好き5人で開発チームを組んだものの、犬に有効な成分は何かから始まって、その消化吸収や代謝の仕組みの研究から原材料選び、そしてチーム内の飼い犬による試食まで、犬ならではの苦労もあったといいます。ネット通販で注目されていますが、要望の多い猫用については、犬以上に好き嫌いが激しいこともあるのでもう少し時間がかかりそうです。
# by redhills | 2007-07-30 19:02 | ニュース

日経・7月22日 生存率

今日の記事は

・「がん診療連携拠点病院」調査3~院内がん登録編 (11面)

の1本です。

 院内がん登録とは、医療機関ががん患者の診断、治療、予後(患者の生死)などの情報を集めて整理すること。登録はがん1つにつき1件で、がん診療連携拠点病院は、約80ある「標準項目」に沿って登録することが推奨されています。これは、報告義務のある死亡診断書によって信頼性の高いがんによる死亡者数に比べ、がんの患者数や生存率は推計値しかなく、がん登録の制度が上がるとこれらの数値が正確になり、がん対策の基礎資料として利用できるからです。

 以上のように重要な意味を持つ院内がん登録は、拠点病院指定の際の要件の1つとなっていますが、調査に回答した213施設のうち、96.7%にあたる206施設が「実施」と回答し、うち79.1%が専任スタッフを置いていました。導入体制はほぼ整ったと思われますが、登録を始めた時期を見ると、06年が30.6%、07年が15.5%と、指定に合わせて始めたケースが半数近くを占めており、データの本格的な活用はまだまだこれからというのが実情です。
 また、情報公開に関しては、56.8%がデータ自体を非公開としているなど低調でした。最も公開が進んでいた「部位別患者数」で4割弱、「生存率」を公開している病院は23.3%にとどまっています。

 「院内がん登録を充実させるために必要なもの」を聞いたところ、83.1%と最も多かったのが「予後調査を円滑に進める体制」でした。つまり、がん患者の性の確認のために、自治体などに住民票などの照会をする必要が生じるわけですが、個人情報保護法などの影響からなかなか円滑に情報収集が進まない実態があるのです。制度の運用にはまだまだ改善点があるように思われます。
# by redhills | 2007-07-30 19:00 | ニュース

日経・7月21日 独立 新基準 参入

今日の記事は

・監査役に監査法人選任権~法務省が改正案~来年提出めざす (1面)
・入院時の診療報酬、看護の必要低ければ下げ~厚労省、来年度改定で (1面)
・ヤマダ電機、電子カルテ販売に参入~医療VBと提携、開業医向け (12面)

の3本です。

 法務省は、企業の不正会計を防止するための会社法改正案を国会に提出する方針を固めました。監査法人を選任したり報酬額を決定する権限を、取締役などの経営陣から監査役に移すことが柱です。企業と監査法人との馴れ合い体質が粉飾事件を招いたとの反省から、企業監査の独立性を強化する必要があるとの判断です。08年度春にも法制審議会に諮り、早ければ同年の臨時国会に改正案を提出する方針です。

 厚労省は、患者が入院した場合に病院に支払う診療報酬を見直す方針です。現行制度の入院基本料(一般病棟)は看護師数を基準に設定されており、看護師1人あたりの患者数が少ないほうが診療報酬がアップする仕組みとなっています。そのため、患者の病状に関わらず看護師を増やし、高い診療報酬を得ようとする病院が急増し、医療費の増加や、看護師不足につながっているという批判がありました。
 今回の改訂で、患者の看護の必要度を数値化した「要看護度」という基準を新たに導入することにしており、中央社会保険医療協議会(中医協)で審議した上で来年4月から実施する考えです。手術費や診療費を含む入院費は、年間の医療費32兆円強(04年)の37%を締めます。医療費抑制には、入院費の適正化が必要との判断に加え、看護師の偏在の是正にもつなげたい意向です。

 医療のIT化に家電界の最大手が参入です。家電量販店最大手のヤマダ電機が医療関連ベンチャーのオーダーメイド創薬(港区)に1億円を出資して提携し、電子カルテ販売に乗り出します。オ社の開発した電子カルテソフトと、日本医師会の診療報酬明細書電子化ソフト「オルカ」を組み合わせ、子会社のKOUZIRO(山口県柳井市)が作るパソコンに搭載します。基本価格は340万円。販売ルートとして、現在医療機関向けにテレビやパソコンを販売している法人営業部門を活用し、ベッドを持たない診療所へ個別営業する他、主要24店舗でも展示販売する予定です。初年度は30億円の売上を目指します。
# by redhills | 2007-07-30 18:57 | ニュース

日経・7月20日 仮面 奔流

今日の記事は

・社説~「モノ言う株主」の仮面外された村上被告 (2面)
・投資行動に厳格さ迫る~村上前代表に実刑判決 (3面)

の2本です。

 先週のスティール・パートナーズを「濫用的買収者」と認定した東京高裁決定に続いて、投資ファンドに対する司法の厳しい裁定が下りました。ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引容疑により証券取引法違反に問われていた村上ファンドの前代表、村上世彰被告に実刑判決が言い渡されました。

 ポイントは2点で、1つはインサイダーの定義、もう1つはファンドのあり方でした。
 インサイダーの定義について判決は、99年6月の最高裁判決の趣旨を踏まえたうえで更に踏み込み、インサイダー情報となる「重要事実」の認定基準を引き下げ、企業が内部で決定した計画や方針に「実現可能性が全くない場合は除かれるが、(可能性が)あれば足り、その高低は問題とならない」と判示、その範囲を拡大しました。

 ファンドのあり方については、「ファンドマネジャーとアクティビスト(モノ言う株主)の活動を1人で行っていた運営体制がインサイダー取引を招いた」と断罪、村上ファンドに「組織上の構造的欠陥」があり、ニッポン放送株のインサイダー取引が「その欠陥に由来する必然的なもの」であるとしました。
 表向きは株主全体の利益のために活動をしているように見せかけながら、裏ではこっそりと株を買い増し、一般投資家が乗ってきた頃合を見計らって高値で売り抜けるという、その二面性を厳しく罰したのです。大株主という特権の悪用が村上被告を実刑判決に追い込んだ核心だと記事は指摘しています。この点については、企業年金などの機関投資家から「厳しい判決だ」との声が出ています。現場には、判決は理想論に過ぎる、と写っているようです。

 世界中で猛威を振るう「ファンド資本主義」の奔流が日本にも押し寄せたことから相次いでいるM&A絡みの訴訟は、今後も我が国の司法において、一定の判例が積み上がるまでは続くと思われます。今は創成期であるというわけですが、総じて司法の判断は買収側に厳しい様に思われます。
 記事は「浮かび上がるのは『大株主は権利を持つ分、責任もある』という原則だ。世界的な潮流である『ファンド資本主義』を日本が活用できるかどうかの試練に直面している」と書いています。確かに、ファンドの経営改革を強いるパワーを活かさない手は無いと思われます。しかしまだ日本にはそれを受け入れる準備が十分整ってはいない、というのが正直なところのような気がします。

 ただ今回の事件に関しては、村上被告自らが堀江貴文氏らにニッポン放送株の大量取得を持ちかけたという点で「被告人は自らインサイダー状況を作り出した。(内部)情報の被伝達者というよりも当事者性が強く、悪質」(判決)であり、それゆえ社説は、より重い証取法157条「不正の手段、計画、技巧」を禁じた包括規定を適用しても良かったのではないか、と述べています。
# by redhills | 2007-07-27 09:31 | ニュース



赤坂日記・・・赤坂在住の"Akasakan" リトルが、東京のへそで日々の思いを綴る。

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